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2006年5月 2日 (火)

小泉首相がガーナに!

久しぶりに日本のニュースで「ガーナ」という国の名前を聞きました。なんと言っても、いつもは「ガーナ」と言えば、ロッテのチョコレートの名前でしか耳にしませんから。小泉首相がこの連休中にアフリカ訪問に出かけたとか言うことで、エチオピアとガーナの二カ国を訪問されております。お膳立てをした外務省もいろいろと思惑はあるのでしょうし、国会開催中は連休中しか外国には行けないという事情もあるのでしょうが、国内外でおこっている様々なことをさておいて、この二つの国(+スウェーデン)へ出かける意義がどこらにあるのか、はっきりとしません。

もちろん外務省は2002年以来「ODA総合戦略会議」というものを設置して、政府開発援助の見直しを行っているのですが、その中で国別援助計画の改訂作業を行っています。アフリカについては2004年以来、エチオピアとガーナが特に選ばれて、それぞれの援助計画の改訂作業が進んでいる、そう言う意味では、この二つの国に特に首相が出かけていくことには、政治的意味合いがあるといえるでしょう。(エジプトも入っていますが、エジプトはアフリカでありながら限りなくアラブ国家です)

ガーナが選ばれた理由は分かりやすいものがあります。ガーナは、はっきり言って援助の世界で評判がよいのです。あの悪名高いSAP(構造調整プログラム)はアフリカの多くの国で失敗の歴史を刻んできましたが、なぜかガーナでは結構うまくいったといわれています。西アフリカの国々はリベリアやシエラレオネを中心に、さらにはこの地域の超大国ナイジェリアを含めて、政情不安や内戦がこの20年近く続いてきましたが、ガーナでは1981年12月31日以降、クーデターが起こっておらず、軍事政権は1993年に第4共和制民主国家に変身し、その後軍事独裁者から民主大統領に転じたローリングス氏から現在のアクフォ大統領へと政権委譲もスムースに行われ、その意味でもこの地域の優等生です。西アフリカ経済共同体(ECOWAS)でもナイジェリアに次いでリーダーシップをとり、軍事面でも長年にわたってレバノンの国連レバノン暫定隊(UNIFIL)に兵員を派遣するなど、活躍してきました。ルワンダでも虐殺事件の時、最後まで粘った軍事要員の中に勇敢なガーナ兵がおりました。日本からもかつてこの地でなくなった野口英世博士を記念して、首都アクラ郊外のレゴンという地にあるガーナ大学敷地内に基礎医学研究所を30年ほど前に建設し、長年にわたって医療面での協力も行ってきました。外務省がその国を安全と考えているかどうかは、派遣されている青年協力隊の規模に比例するなどという向きもありますが、80年代後半には軽く100人を超える協力隊員がガーナにはいたはずです(そうでしたよね?)。日本とは太平洋戦争中の出会いまであり、英国軍の一部としてビルマに派遣された当時のゴールドコーストの兵隊は日本軍とであっていたともいわれます。首都アクラにはそれにちなんでビルマキャンプという軍事基地があるほどです。いずれにしろ、日本にとっては、安心してつきあえる数少ないアフリカの国なのかもしれません。

エチオピアを選んだ理由は定かではありませんが、近隣にはダールフール問題を抱えるスーダンや、無政府状態が続くソマリアなどもあり、そう言った国々への間接的な関わりを持つこと、またアフリカ連合(AU)の本部があることなどから、選定されたと思われます。

時間が限られているのでこれが現時点での最善の選択である二カ国なのでしょうから仕方がないのですが、しかし、ニュースなどで訪問の理由の一つに挙げていた国連安保理常任理事国入りへの支持を得るため、という目的には、たぶんあまり役に立たないでしょう。(たしかに現在のアナン事務総長はガーナ人ですが、あまりガーナで働いたことのない方ですから、それほど関係があるとは思えません。)もし本当にアフリカからの支持を取り付けたいのであれば、小泉さんが退任前にもう一度出かけるか、新しい首相が、避けて通れない合衆国参りが終わったあとにすぐにでも出かけるかして、ナイジェリアやケニアやウガンダ(英語圏ばかりですが、フランス語圏は今どこの国が力を持っているのか、よく分かりませんので)などを訪問しなければならないような気がします。

とにもかくにも、小泉首相には、よくぞガーナまで行ってくれたと思います。

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