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2007年2月 9日 (金)

自立を支援する?

夜のニュースを見ていて、ちょっと気になったこと。断片的に切り取られたやりとりなので、全体を把握していないことを承知の上で、それでも気にかかるやりとりがありました。障害者自立支援法について、民主党の議員さんと安倍首相のやりとりです。この法律の施行によって、サービスが受けられなくなった障がいのある人や、閉鎖になった施設があるではないかという質問者の問いかけに、いやいやこういう成功例もある、こういう実績も上がっていると、明るい側面を強調しての首相の反論。

それはそうでしょうし、法律が出来たことの意味もそれはあるでしょうし、確かに政府も法律の不足に気がついて、補正予算措置をしたのでしょうが、でもこの法律の冒頭に掲げた理念を見るならば、その議論はないだろうと思います。

法律の冒頭にはこうあります。『障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする

少なくともこの法律によって成功したところもあるでしょうが、でも苦しんでいるところ、閉鎖せざるを得ないところ、サービスをあきらめざるを得ない人も実際にはあるのであり、そうであるならば、「国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことが出来る地域社会の実現」を妨げているそういった例が、なぜ発生しているのか、その根源の理由を探ろうとすることが先決ではないですか。それに対して、こういったプラスがあるのだと反論しても、議論にはなりません。この法律の趣旨ではプラスはあって当然、マイナスはまさしく法律の失敗そのものです。さすがにそこは、(この数日、発言問題でやり込められているとはいえ)、柳沢厚労大臣の方が齢を重ねているだけあって手練手管に長じており、質問者をうまく持ち上げて答えておられたようでした。人の命がかかっているのですから、失敗例から即座に学ぶことが必要だと感じます。

私自身が現在二つの社会福祉法人に理事または理事長として関わっていますが、愛知県内の知的障害者援護施設(これも法律が変わり知的障害者通所更正施設から名称変更)では、確かに補正予算を見る限り、収入が激減しています。政府にあっては自ら作った法律の趣旨に鑑み、予算措置に逃れるのではなく、何が法律の問題なのか、早急に見直しをしていただきたいと思います。

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