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2007年4月27日 (金)

憲法改定?制定?

法律の素人ですので、たぶんそんなことは専門家の間では問題にもならないのでしょう。でも結局は法律の素人が投票を通じて民意を表明することを考えれば、素人の疑問を書いておくのも、あながち意味のないことではないと思います。

主に60年代に独立を遂げたあとにクーデターが連続したアフリカの多くの新興国家では、クーデター後にとりあえず発足する軍政や暫定政権が終了し民政へ移管するにあたって、必ず新しい憲法が制定されます。基本的にクーデターの段階でその時点に効力を持っている憲法は停止され、その後発足する民政の新政権が、その旧憲法を復活させることはあまりありません。私が働いていたガーナでも、81年12月31日のクーデターで発足したローリングス元空軍大尉率いた暫定国防評議会(PNDC)政権は、独立の父エンクルマの流れを継いだリマン大統領の第三共和制を打倒し、憲法を停止しました。その後ローリングスPNDC議長は民政移管を決意し、91年9月には新憲法起草会議を発足させました。そして92年4月28日に新憲法の国民投票を行い、その後11月3日に大統領選挙、12月8日に国会議員選挙、そして翌年93年1月7日にローリングス氏自身が大統領として第四共和制を開始、その後政権交代を経て今に至っています。

そういう国にいますと、憲法が停止されたり新たに制定されたりすることがあまりに日常茶飯事的で驚くことではなくなります。しかし同時に身をもって感じることは、前の憲法を停止して、それを再起動するのではなく新たな憲法を制定し直して民政を開始すると言うことは、すなわち前の政治体制を完全に否定して、まったく違う国家の体制でスタートすると言う意味であることです。腐敗した政権を否定するから軍事力でクーデターが起きるのであり、その政権とまったく違う国家を建設しようとするから、新たな憲法を制定して国のあり方を規定するのでした。

とするとですね、ちょっと不思議に思うことがあるのです。報道によれば、4月24日自由民主党は「新憲法制定推進の集い」を開いたということです。でもその席で、安倍総裁は「憲法改定」を目指すと言われたそうです。それはそうでしょう。ところが、同時に「新憲法制定こそ、新しい時代を切り開く精神につながる」ともいわれたと新聞に書いてありました。今の日本の政権を担っている人たちは、本当はどっちを考えているのか分からなくなってしまいました。今の憲法に不備や欠落があるので改定しようとしておられるのか、まったく新しい憲法を制定したいと考えておられるのか。もし前者なら安心しましょう(勿論とても不安ですけれど)。でも後者であれば、それって日本国憲法下での政治のあり方の否定であり、まったく異なる政治体制の確立を目指しているという、とてもすごいことを意味しているのではないですか。それってそれって、都知事選に出ていた外山氏が、もはや「あれ」しかないと絶叫していた、「あれ」じゃあないで・す・か。

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