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2007年5月17日 (木)

本の紹介

Img_0994_1 「現代、多くの人々が、とくに自分のアイデンティティに関する問いにおいて、確実性と不確実性の間を揺れ動いている」と指摘するのは、中央協議会から4月の末に発行された、「ニューエイジについてのキリスト教的考察」という本です。この本は、2003年に教皇庁の文化評議会と諸宗教対話評議会が出した報告書の翻訳です。「ニューエイジ(新しい時代)」とは、日本でいえばちょうど近頃大流行の「スピリチュアリティ」などと呼ばれる精神世界への関心の高まりの宗教・文化の側面での社会現象で、欧米を中心に80年代から盛んに見られるようになったのだといいます。同書によれば、「かつて社会の中心を占めていた要素が、今や信用できなくなったり、真の意味での権威を失いました。このことは、人々が自分の内面、すなわち自分自身の中に意味や力を求める傾向を造り出しました」と指摘しています。

先頃教皇様はブラジルを訪問されて、伝統的な教会から離れ、スピリチュアルな新興の教会に移っていく人が増えていることを指摘して、教会の信仰の土台を再確認することの大切さを説かれましたが、そういった傾向、すなわち伝統的な宗教よりもオカルト的な現象へ多くの人が興味を持つという点では、日本も同じような傾向のうちにあるといえるでしょう。また代替的な何かを求める傾向は、昔を懐かしんだり昔に戻ろうとする行きすぎた伝統主義をも生み出しているとの指摘もあります。確かに、そのようなことを主張するグループが、教会においても「境界線上」に位置しているのは知られたことです。そういった社会を目の前にして、同文書は、教会に二つのことを求めます。「自分たちの信仰の基盤にいっそう堅固に根ざすこと、そして、人々の心の中のしばしば声を発することのない叫び声を理解することです。」

現代社会の宗教的傾向を理解するために、是非一度、「ニューエイジについてのキリスト教的考察」をお読みになることを勧めます。(カトリック中央協議会発行、1,600円です)

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