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2007年10月 2日 (火)

試される理念

アフリカには50を超える国が存在しますが、その中にはいくつかの島国が含まれています。大西洋に浮かぶカーポベルデもその一つ。サルという島に国際空港があります。あまり人に知られることもないこの空港に、15年ほど前まではある航空会社のジャンボ機が頻繁に飛来していました。飛来していたのは、南アフリカ航空のヨハネスブルグと欧州を結ぶ便。1994年に南アフリカが人種隔離のアパルトヘイト政策を廃止するまで、アフリカの多くの国が南アフリカと断交しており、同航空会社の便も寄港や領空通過を拒否されていたのです。そのためひたすら大西洋上を迂回して飛ぶしかなく、この小さな空港で給油をして欧州へと向かっていました。

その頃私たちの国は、表向きはアパルトヘイト政策を批判していたものの、経済的交流に関してはかなりあいまいな方針をとっていました。一体その人種隔離政策を批判しているのか容認しているのか、表向きの説明でなく現実の態度から、日本はあいまいさを、非公式に非難されてきました。外交の理念が問われたのです。

いままた、ミャンマーで起こっている出来事に対して、日本政府がどのように対応するのか、結構注視されているのではないかと私は思っています。とりわけ、不幸なことに日本人のジャーナリストが凶弾に倒れるという事件もあり、この事件を巡って日本政府がどのような対応をとるのか、アジアにおけるリーダーを目指す大国が、果たして理念を持って外交にあたるのかどうかが問われるのではないでしょうか。経済問題や歴史的関係などを含めて、様々なしがらみがあろうとは思いますが、外交の根本に確固たる倫理観に裏打ちされた理念を持って取り組んでいただきたいと思います。

教皇様は日曜日のお告げの祈りの際に、次のように呼びかけておられます。

「わたしは大きな不安をもって最近ミャンマーで起こっている事態を見守っています。そして、今悲しむべき試練を経験している愛するミャンマーの人々に心を寄せていることを表明したいと思います。わたしは彼らと連帯し、深い祈りをささげることを約束します。また、わたしと同じことをしてくださるよう全教会にお願いします。わたしはミャンマーの善のために平和的な解決が見いだされることを強く希望します」

ミャンマーのカトリック教会は、祈りのうちに平和を求めるように呼びかけています。ミャンマーの教会の方々と心を合わせ、ミャンマー全体に真の平和が与えられるように祈りたいと思います。

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