« 新潟教会堅信式 | トップページ | 名古屋といえば・・・? »

2007年11月28日 (水)

サミット議長国の面目

来年、2008年7月7日から三日間、北海道の洞爺湖畔を会場に、G8サミット首脳会議が開催される事になっております。すなわち日本は来年一年、サミット議長国として、国際政治の舞台で活躍の場を与えられているのです。それなりのリーダーシップの発揮を期待したいところでもあります。それでは議長国としての日本は、主な議題として何を取り上げるのでしょうか。去る11月21日にシンガポールで開催された東アジア首脳会議後の記者会見で、福田首相は次のように語っています。
「会議では、『気候変動、エネルギー及び環境に関するシンガポール宣言』というものが採択された。これは、来年のG8洞爺湖サミットにつながる大きな成果であると考えている」

確かに今年6月のハイリゲンダム・サミット後に、当時の安倍首相も記者会見で、「テーマについては、『環境立国・日本』として、環境、気候変動問題を主要な課題として取り上げていきたいと思う」と述べていました。地球温暖化をはじめとした環境問題が中心のテーマとなっていくのでしょう。環境問題が今の世界にとって重要な課題である事に疑いはありません。しかし同時に、アフリカを中心とした最貧国の課題も、人類の未来のために、忘れて欲しくはないと願うものです。今回シンガポールで採択された「東アジア協力に関する第二共同声明」でも、僅かにこう触れられています。

 「社会文化・開発に関する協力については、貧困撲滅、東アジアにおけるミレニアム開発目標の達成、・・・といった社会的な課題への取り組み、並びに、社会問題への取り組みにおける市民参加及び国家・市民社会間のパートナーシップの推進に向けたNGOとの政策協議及び調整の促進に一層努めていくことで一致した」

ここで触れられている「ミレニアム開発目標」こそは、夢物語だという人もいれば、実現不可能とあきらめる人もいる中で、世界のかなりの数の人たちが希望の星と考えている存在です。2000年9月の国連ミレニアム・サミットにおいて、二十一世紀の国際社会の目標として、「国連ミレニアム宣言」が採択されました。平和と安全、開発と貧困、環境、人権と良い政府統治(グッド・ガバナンス)、アフリカへの特別な支援などを課題として掲げたこの宣言によって、国際社会は明確な方向性を持って二十一世紀への第一歩を踏み出したかに見えたのです。このとき達成目標として掲げられたのが、「ミレニアム開発目標(MDGs)です。国連開発計画によれば、「先進国と開発途上国双方を含む世界中の指導者が人間開発を推進する上で最も国際社会の支援を必要とする喫緊の課題に対して、2015年という達成期限と具体的な数値目標を定めて、その実現を公約した」画期的な目標であったと言います(UNDPのパンフレットより)。

ミレニアム開発目標は、「極度の貧困と飢餓の撲滅」などを含む八つの目標とそれに伴う十八のターゲットを定めています。ミレニアム開発目標は、誇大妄想の産物ではありません。大袈裟な数字の羅列でもありません。控えめな、物足りないほどの僅かな改善です。あとは、政治と経済のリーダーたちの意志の問題です。

日本政府が環境問題だけにシフトしていくのかと思われた矢先、珍しく(失礼)高く評価されなければならない発言が、日本の外務大臣からあったのです。高村外務大臣は、11月25日に東京フォーラムで開催された「国際シンポジウム、二十一世紀の医療と医療システムを求めて」において政策演説を行い、その中でサミットに向けてMDGsの重視と国際保健協力での日本政府の主体的取り組みを強調されました。演説で高村大臣は、現状ではミレニアム開発目標の達成は困難であるとしながら、次のように述べています。

「G8をはじめとする主要先進各国や国際機関は、途上国の努力をパートナーとして支援するという政治的意志を明確にする必要があります」

来年5月末には横浜で、第四回アフリカ開発会議(TICAD)も開催されます。日本政府がUNDPや世銀と協力しながら主導権を握って開催してきたアフリカのための会議です。加えてここ数年、外務省は21世紀型の国際協力の理念として「人間の安全保障」を強調してきました。その意味で、今般、国際医療や保健分野に限られているとはいえ、ミレニアム開発目標の達成の一助として日本がイニシアチブをとることを内外に宣言した意味は非常に大きいと思います。高村外務大臣は。演説の締めくくりに次のように述べています。

「来年のTICADIV、G8サミットは、様々な関係者の連携を強化し、21世紀にふさわしい全員参加型の協力の枠組を構築する絶好の機会です。我が国は、議長国としてその実現を目指したいと思います」

その言葉を忘れず、積極的にリーダーシップをとることは、軍事力を持って国際貢献をするより何十倍も、世界の人たちに日本の名前を知らしめ、尊敬を集めるものとならしめるのです。

|

« 新潟教会堅信式 | トップページ | 名古屋といえば・・・? »

司教の日記」カテゴリの記事