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2008年3月30日 (日)

ストレスの源は

朝日新聞のウェブサイトを見ていて気がついたのですが、IMFは28日に行われた理事会で投票権に関する改革を実行したとのこと。1944年にブレトン・ウッズで創立されて初めての画期的出来事です。さっそくIMFの資料を見ると理事会への報告書が掲載されていました。20頁以上ありちょっと時間もないのでまだ全文を読み切れていませんし、投票権を定める数式は素人にはちんぷんかんぷんなので、まともな解説ができるわけではありませんが、確かに朝日新聞の言うように多少は「途上国の発言力増す」と言うことも外れではありません。GDPをはじめとしたいくつかの要素を加味して出資比率に応じて複雑に計算された一覧表を見れば、一位にある合衆国は17.023%から16.732%に減少し、第二位の日本は6.108%から6.227%へと上昇しています。最下位に近い方を見てみれば、例えばアフリカのチャドは0.037%から0.056%へ、最下位のパラオは0.013%から0.031%へと上昇しているのは確かで、数字的には大きな変化ですが、それにしても第一位の16%と最下位の0.031%には大きな開きがあります。実際にはすべての国が理事会に出席して票を投じているわけではなく、ごく少数の任命理事国と一部の国が単独で出席する以外はグループを結成して票を投じているのです。

そもそもIMFや兄弟である世界銀行(IBRD)は中立的国際機関なのではなく、先進諸国が自由主義市場経済システムの維持強化を図るために設けた組織に過ぎません。ですから1944年に構築されたブレトンウッズ体制は、決して貧困救済機関なのではありません。

IMFと世銀の理事会はそれぞれ24名の理事で構成されますが、出資比率の高いアメリカ・日本・ドイツ・フランス・イギリスが任命理事として常にポストを確保し(国連で言うところの常任理事のようなものです)、その他の国々はグループを形成して地域代表を選出しています。しかもそれぞれの国の投票権は、先に挙げた比率のように、IMFや世銀への出資比率に応じて決められているのです。任命理事国以外で自分の国だけを代表して票を投じることができているのは、中国、ロシア、サウジアラビアだけで、それ以外、例えばルワンダ選出の理事は、そのほか23カ国を代表しています。理事会にはもちろん全員が参加できるわけではないので、代表を選出するということは当然に見えるかもしれませんが、それは例えば(拒否権が一部にあるものの)国連の安保理事会では、出席する理事国には平等の1票が与えられています。常任理事国でも地域などを代表する非常任理事国でも、同じ重さを持った一票を投じることができるのです。しかしIMFの場ではそうではない。明らかに決定権には格差が存在します。

間違えて欲しくはないのですが、決してすべて平等にするべきだと主張しているのでは実はありません。世銀もIMFも、理事会では参加理事国がすべて平等の投票権を持つべきだと主張したいのではないのです。そうではなくて、結局今私たちが生きている世界の経済は、そういうシステムで回っているということを知っておくのは大切だと強調したいのです。加えて、この度日本で開催されるG8と同様、世界の流れを決定づける主要なことは、結局は「主要」な国の意志によって決定されていることを、そしてそれを前提にして私たちは今を生きていることを心しておくべきだと思うのです。

こんな事もあんな事もあり、いろいろ考えているとストレスがたまるのでしょう。お客さんを連れて行った観光地に、右手の中指を入れてストレスを測定する器械がありました。100円を入れて計ってみたら、なんとストレス度は100のうち96。とてもストレスを感じているといわれてしまいました。

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