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2008年5月29日 (木)

緒方貞子さんの美しい英語

昨日から横浜で、第四回目となるTICAD(アフリカ開発会議)が開催されています。外務省はインターネットで会議場を中継していますから、リアルタイムで様々な方の演説を聴くことができて、興味深い時間を過ごしています。今ちょうど(会議二日目の午後2時から)JICA理事長の緒方貞子さんが演説をされました。いつもながら、なんと美しく流暢な英語であることかと、感じ入りました。ただ、テーマと時間が限られたため、報告演説のようで、緒方さんとしてはもっと言いたいことが個人的にもあっただろうなと想像します。勝手な想像です。

さてそもそもTICAD とはなにか、先日の「家庭の友」に書いた拙稿の一部引用から。

『そもそもTICADとは何なのでしょう。外務省は国内向けに「アフリカ開発会議」と称していますが、英語略称の「T」は「東京」の頭文字ですから、本当は「アフリカ開発東京国際会議」という名称の会議です。第一回目は一九九三年十月五日と六日。「アフリカ諸国(四十八か国)、援助国(十二か国)、EC、国際機関(八機関)及びオブザーバー多数、延べ約千名の参加」を得て開催され、「東京宣言」が採択されました。
 「東京宣言」は、アフリカ支援の必要性を強調しつつも、援助だけではアフリカの問題が全て解決されることはないと指摘し、さらに援助のためにはアフリカ諸国の対応(民主化、良い統治等)が必要であることも指摘しています。その上で、アジアにおける経験をアフリカ開発に生かす可能性にも言及していました。
 つまりTICADとは、日本政府が音頭をとって、国連諸機関や世界銀行とともに、アフリカ諸国のリーダーや援助国の代表を一堂に集め、アフリカ開発のための諸課題を話し合い、さらには国際社会にその重要性を訴えようという場なのです。
 日本政府がこのような会議の主催に踏み切った背景には、もちろんいくつもの前向きな動機もあったと想像しますが、その時代の流れも見逃せません。九〇年代初頭という冷戦終結後の世界にあって、ソ連がアフリカ支援の主役から姿を消した後、欧米諸国はアフリカ援助に疲弊感を感じ始めていました。そこで、国連安保理常任理事国問題など、いわゆる日本の大国化政策の一環として、数の多いアフリカ諸国を味方に引き入れようという思惑もあったのではないかという指摘もあります(以上、『家庭の友』6月号より一部引用)

昨日の開会演説で福田首相はかなり思いきった約束を連発しました。90年代初めからかなり強烈に資源外交を進めてきたお隣の中国に、かなり後れをとったことは間違いありません。そういう意味では次々と登壇するアフリカの首脳が、やたらと日本を賛美し感謝する演説をするのは、今回の日本政府の約束へのリップサービスなのか、本心の表れなのかよく分からないところがあります。長期的にアフリカの支持を国際社会で取り付けておきたいのなら、現時点での政権を喜ばせることばかりでなく、やはり広く一般市民が日本に対して良いイメージを持つことができる援助をしていく必要があると思います。その点で、中国が成功しているとは言い難いところがあります。日本政府には、やはり高い倫理規範を掲げ、人道的視点から、地道であっても継続して広く市民社会へ浸透する援助を続けていくことが、長期的には国益に適う結果が得られるであろうと思います。

明日発表される最終宣言にも注目したいと思います。

カリタスジャパンでは国際カリタスなどと協調しながら、G8サミットに向けた葉書キャンペーンを始めています。(詳しくはこちらをクリック)カトリック新聞の次号でも取り上げて頂いています。以前のサミットで行った公約をサミット諸国が捨て去ることのないように、議長国としてリーダーシップを発揮して欲しいと、福田首相に訴える内容です。ご協力頂き、現代世界におけるG8サミットの位置づけなどにも興味を持って頂けると幸いです。少なくとも今回のアフリカ開発会議での公約を通じて、日本政府はアフリカ支援に関して自信を持って発言できる立場を確保したと言えるのではないでしょうか。是非、サミットの場で、他の首脳たちにもアフリカ支援を呼びかけて下さればと思います。

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