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2008年5月30日 (金)

ちょっとは品格を見せつけた国、日本

イエスのみこころの祭日です。みこころへの信心については、以前「初金(はつきん)」について書いた記事があるので、ご参照下さい。秋田や新潟で働いて下さる「聖心の布教姉妹会(本部は藤沢)」の創立記念日にあたるそうです。もともとは初代の新潟教区長ライネルス師(神言会)によって創立された修道会です。新潟教区のために献身して下さるシスター方の働きに感謝いたします。

さてそんなお祝いの日に、日本政府がクラスター爆弾の全面禁止に同意したというニュースが報道されました。一部の最新型を除いての禁止だと言いますが、それでもこれまで大きな問題とされてきた不発弾による紛争や戦争後の長期にわたる市民への被害が少しは減ることが期待されます。特に知らずに不発弾に触れた子どもが被害にあったなどという話を聞くにつけ、こういった人道にもとる兵器は、徐々になくしていく方向へ人類が進むことを祈ります。残念ながら、この兵器を大量に保有しているといわれるロシア、中国、合衆国が今回の協議には参加していないのだそうですが、日本政府の倫理的気高さをちょっとは見せつける格好になった今回の決断が、それらの国へも何らかの影響を及ぼすことを願わずにはいられません。対人地雷禁止条約の時の小渕恵三外務大臣の決断と共に、今回の福田首相の決断も歴史に名を残すすばらしい決断であると思います。

昼前に閉会したTICAD(アフリカ開発会議)でも、日本の貢献がいろいろと賛美されていました。もちろん援助と引き替えの賛美ですから額面通りには受け取れないものの、例えば昨日夕方に演説したコロンビア大学のジェフリー・サックス教授による日本政府賞賛には、多少は素直に喜んでも良いのかもしれません。MDGs(ミレニアム開発目標)実現を通じた貧困撲滅の旗手とも言うべきサックス教授は、02年から06年まで自らが責任者を務めたミレニアム・プロジェクトの中で、日本の貢献を高く評価していました。特に、日本政府が10億を超える資金を拠出したミレニアム・ビレッジと、07年版ODA白書でも外務省が民間との協調の例として掲げる住友化学の薬剤を塗り込んだ蚊帳のを、サックス教授、盛んに称えておりました。「私たちはすでに計画を手にしています。何をするべきかも分かっています。後はそれを実行するだけなのです。道具は用意されています。後はそれを使うだけなのです」と、政治リーダーの決断を、サックス教授は促しておりました。

住友化学のオリセットネットと呼ばれる蚊帳は、マラリア対策として高く評価されているようです。適度に風邪を通すのに編み目を抜ける蚊はしっかりとやっつけてしまう。私がガーナにいたときに、こんな蚊帳があったら良かったのにと思ってしまいます。当時は、年に最低でも2回はマラリアにやられておりましたので。ODA白書には次のようにあります。

『2005年7月、G8グレンイーグルズ・サミットにおいて小泉純一郎総理大臣(当時)は、アフリカにおいて多くの子どもが犠牲となっているマラリア対策として、2007年までに殺虫剤が浸漬した蚊帳1,000万張りをアフリカ諸国で配布する方針を打ち出しました。2007年8月末現在で、主に無償資金協力により国連児童基金を通じて、アフリカ27か国に対して約950万張りの蚊帳(総額約67億円相当)を配布しました」

このうちの約690万張りが、住友化学の製品だと言います。こういう人々の印象に残る援助を行ってこそ、アフリカに本当の友好国が誕生していくのだと思います。この数日、日本はちょっとは国の品格を醸し出すことに成功したのかもしれません。

P.S.

クラスター爆弾の禁止条約に関しては、アイルランドのダブリンで今回の国際会議が始まる前日の十八日、ジェノバを訪問しておられた教皇様も、禁止を強く訴えておられました。CNSによれば、バチカンは長年にわたってクラスター爆弾の禁止を訴えてきており、今回の国際会議で参加各国が責任ある態度で協力で信頼できる枠組みが成立することを希望すると述べられたと言うことです。

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