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2008年9月 9日 (火)

スリランカ訪問記その3

Srilanka0811 古都キャンディを後にして、スリランカの南部の町ゴール(Galle)に向かいました。そう、あの、ゴキブリに噛まれた町です。この町はかつてヨーロッパとアジアを結ぶ交易の拠点港の一つとして栄えた町で、旧市街と要塞群はこれまた世界遺産に登録されています。南部の一帯は2004年12月の津波で大きな被害を受けました。私たちがニュースなどでもしばしば目にしたバスなどが流されていく光景。たまたまバスターミナルのある町の中心部で、ホテルの上の階から撮影されたのだそうですが、そのビデオの全体を今回カリタスゴールの事務所で見せて頂きました。津波が押し寄せ、バスやしがみつく人々を引きはがして流していく様が、克明に記録されていました。ほんの一部を切り取って流されたニュース映像ではわかり得ない津波の威力の恐ろしさを感じました。もっともゴールの旧市街は、世界遺産ともなっている要塞群の城壁が盾になって、大きな被害を免れたのだといいます。カリタスの事務所もカテドラルも、そして司教館も、この城壁の中にありました。(写真はカテドラル)

ゴールの町へ向かう主要道は美しい海岸線に沿って走ります。津波で破壊された家々が、今でもそのまま残されています。その脇を鉄道が併走しているところがありました。道路脇に大きな記念碑が建っていました。あの津波の日、押し寄せる波に驚いて、通りがかった列車に地元の人も避難したといいます。ところが列車は無残にも波に飲み込まれ、分かっているだけで(つまり遺体が発見されただけで)列車からは1270人、村の人が249人犠牲になったのだというのです。犠牲者を悼んで建立されて記念碑でした。

Srilanka0810 ゴールでは諸宗教の代表との会合に参加しました。ゴール教区のハロルド・ペレーラ司教をはじめ、仏教やヒンズー教、イスラムのリーダーたちが定期的に集まり、和平構築のための相互信頼醸成に努めていたのですが、これが津波の被災者支援のためにも役に立ったのだとか。カリタスが支援して建て直された教室のあるイスラムの学校にも、その日の朝に出かけました。こうやって宗教の壁を乗り越えてお互いに協力しながら復興にあたったことが、互いの信頼醸成には大いに役に立ったのだそうです。そしてすでにコロンボでの宗教者の会合の記事でも触れましたが、全国的な和平構築にこういった相互信頼と協力が大いに寄与するのです。ところでこの学校の外壁に「5S」としてこう記してありました。「SEIRI, SEITON, SEISO, SEIKETSU, SHITSUKE」。そう日本語の「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」です。どこから引いてきたのか知りませんが非常に興味深く拝見させて頂きました。

さあ、あとはゴキブリに噛まれてコロンボに戻っただけです。ちなみにその傷もそろそろ良くなりました。すでに書いたのですが、近頃は段々と先進国ではない海外での生活の勘が鈍ってきており、先日のアフリカ行きではパスポートの次に大事なイエローカードを忘れていくし、今回の噛まれた原因も、以前なら寝る前に気をつけて肌の露出部分に虫除けを塗ってから就寝していたのを忘れてしまったのでした。だんだんと現場向きではなくなってきているのが寂しい限りであります。

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