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2008年12月 6日 (土)

サンタクロース

12月6日といえば、教会では聖ニコラオ司教の祝日です。毎日の読書には、「リュキア(現在のトルコ)のミュラの司教。四世紀半ばに死去。彼に対する崇敬は、特に十世紀から全教会に広まった」とだけ簡単に記されていますが、よく知られているように、サンタクロースの起源の聖人だといわれています。

サンタクロースの服装が赤いのは、聖ニコラオ司教にあやかって赤い司教服を着ているからだと聞いたことがあります。あの赤い帽子も、ミトラから派生したものだとか。そういえば、先日の長崎での列福式で、教皇代理を務めたサライバ・マルティンス枢機卿は、その赤い司教服姿でした。「赤」といっても、司教の赤はどちらかというと「明るい紫」で、枢機卿は「真紅」。共同司式をしないでミサに与る場合の正装が、先日のマルティンス枢機卿の装いでした。それこそバチカンにでもいればしばしば目にする姿かもしれませんが、日本ではかなり珍しかったのではないでしょうか。赤いスータンに白のスルプリ(正式にはスルプリではないらしい)を着て、その上にモゼッタとか呼ばれる肩掛けのようなものをまとっております。英語ではchoir dressと呼ぶのだそうです。自分自身もその中にどっぷりと浸かっているはずなのですが、別に「司教服装の手引き」が存在するわけでもなく、伝統として誰かの頭の中に残されて伝えられている知識ですから、いまもってまったくよく分からない世界が、この教会の服装の伝統であります。知りたければ自分で知識は盗めとでも言わんばかりの、伝統の世界であります。

こういった伝統的な正装は、第二バチカン公会議まではかなり細かく規定されて、いろいろと機会に応じて揃えられていたようです。海外にはそれを研究している人もいるみたいですね。この執念には脱帽。マーケットが小さい世界ですから、結構スータン(カソック)とかは、お高いのですよね。採寸から始まる完全なオーダーメイドですから、ワンセット揃えると、並のオーダースーツには負けないお値段になります。

それで話を元に戻すと、たしかに枢機卿の赤い服とサンタクロースの赤い服には類似点もあるけれど、しかし聖ニコラオ司教から一足飛びに今のサンタクロースには結びつかないなと思っておりました。そしたら、まあ、サンタクロースだけでいろいろと調べておいでの方が、この世界にはおられるのです。サンタクロースで検索しただけで、いろいろなサイトに行き着きました。中には初めて聞くような「伝説」もあって、深い。ヨーロッパ各地の伝統では、別に服装は赤だけではなかったとか、実はコカコーラの宣伝のイメージで赤が定着したのだとか、時間をかけて生み出されたサンタクロース伝説の世界は、本当に深いものがありそうです。

それはともかく、聖ニコラオ司教の祝日に当たり、困難に直面する人々に手を差し伸べた聖人の姿にならい、私たちは与えることによってさらに豊かにされるということを心に再び刻みたいと思います。(下左は先日の列福式でのマルティンス枢機卿。右はハバロフスクでロシア正教カテドラルを訪問した際の、故濱尾枢機卿の姿)

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