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2009年10月12日 (月)

上尾教会で講演

Ageo02 昨日の日曜日、朝9時から、埼玉県の上尾教会で主日のミサを捧げる機会をいただきました。生まれて初めて出かけた土地でしたが、主任の中村師も、駆けつけて下さった同教会出身の斎藤助祭も、以前からのお知り合いでしたので、心やすくミサを捧げることができました。実は私は子どもの頃から、見知らぬところへ出かけていくのがとても苦手なのです。上尾教会はそのむかし谷司教様がまだ主任司祭だった頃、そして斎藤助祭が信徒会長だった頃に建てた教会ということで、こぢんまりとしていながらも、100人は充分に収容できる、住宅街の狭い土地を有効に使った教会でした。

当日のミサは、子どもとともに捧げるミサ。というわけで、入堂する前に侍者の小学生が私の方を見つめて、「子どもにも分かる楽しい話をして下さいね」とのリクエストでプレッシャー攻撃。これは困った。子どもミサといっても福音のメッセージが紙芝居で告げられたくらいで、あとは他のミサと変わりません。つまり説教がとても重要となります。必死に頭の中の引き出しを開けて、アフリカの話を一つ引っ張り出してきて、お話しさせて頂きました。子どもにも分かる楽しいお話だったかどうかはわかりません。

さて日曜日に他教区の教会まで出かけたのは、土曜から月曜まで開催された正義と平和協議会のさいたま大会において、日曜日の第8分科会で、カリタスジャパンからのお話をするようにと依頼を受けていたからでした。テーマは教皇様の世界平和の日メッセージから、「貧困と闘い平和を築く」。参加申し込みをされた、各地からおいでいただいた方々と、上尾教会から参加下さった方々、おおよそ60名ほどの方が分科会に参加して下さいました。「分科会」という名称がちょっと堅苦しい印象を与えたのかもしれませんが、要は講演による勉強会でした。参加下さった方々、ありがとうございます。

分科会では、まず私が1時間をいただいて、途上国の現実と貧困の原因、そして発展と開発について、特に教会の考え方を示しながら、基本をお話しさせて頂きました。教会の考えは、特にヨハネパウロ二世の回勅「新しい課題」から多くを引用させて頂きました。そのあとに、カリタス職員の稲江さんが、現実の援助プログラムから、バングラデシュ、カンボジア、ウガンダでの実例を、写真を交えて1時間話しました。質疑応答を経て参加者全員で昼食をいただき散会となりました。

質疑応答の中で、アフリカはさまざまな対立を越えて一つになれないのか、という質問をいただきました。アフリカに長く関わってきた人間として、現実は厳しいけれども、できればそうであって欲しいと私も考えています。かつてアフリカ諸国が第二次世界大戦後に次々と独立を遂げていった時代、タンザニアのジュリウス・ニエレレやケニアのジョモ・ケニヤッタ、そしてガーナのクワメ・エンクルマといった独立運動のリーダーたちは、パンアフリカにズムを理想に掲げて、究極的にはアフリカ合衆国を目指して燃えていました。しかしその理想は、東西冷戦の波に巻き込まれて夢と消えてしまいました。かろうじて1963年に誕生したアフリカ統一機構も力を発揮できずに時は流れ、東西冷戦が終結しても地域紛争や民族対立は深刻さを増し、統一などは夢物語となっていきました。このアフリカ統一機構も、2002年にはEUをモデルにしたアフリカ連合に衣替えしています。かつての独立の父たちの理想には届かないけれど、アフリカの声を一つにする場として、アフリカ連合がさらに力をつけてくれればと、影ながら応援しております。

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