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2011年7月26日 (火)

司教の研修会

昨日午後は東京で、司教たちの勉強会が開催されました。テーマは原子力発電所について。今回の福島での事故を受けて、様々な立場が表明されており、全体像を客観的に、また正確に把握することは容易ではありません。

「反原発などと言うのは時代遅れだ」という立場で話をされたのは、田中三彦氏。かつて日立で働き、福島第一原発4号機の原子炉設計に携わった人物です。いわゆる「反原発派」と目される彼が、「反原発は時代遅れだ」というのでした。原発に反対だとか賛成だとか言っているようなそんな狭い範囲での議論はいらない。それよりも、いわば「エネルギー依存症」に罹っているような生活スタイルを見直さなければ、何も意味がないというお話でした。

福島の4号機を設計された立場から、今何が起きているのかを細かく説明してくださり、またご自分がいわゆる「反原発」になっていった経緯もお聞きしました。そしてさらに、現在のライフスタイルを維持するために原発を選択することによって背負うリスク、同時に同じ方向性のままで再生可能エネルギーへシフトすることの無意味さ。それよりも、ライフスタイルを見直しエネルギーにあまりにも依存した生活のあり方から脱却することが正しい道ではないかというお話には、考えさせられました。ライフスタイルを今のままにして、太陽光などのいわゆるクリーンな発電にシフトしたところで、違う形での問題が社会には発生するとの指摘です。

宗教者の立場からは、倫理的に考えてやはり生活のあり方を見直して行くことを強調していかねばならないと思います。将来に残してしまう負の遺産に対する今の世代の倫理的責任にも触れなくてはならないでしょう。先日のイタリアでの国民投票前に教皇様ご自身も表明されましたが、技術への過信を戒め、よりクリーンなエネルギーを考慮し、そしてなによりも現在の私たちの生活のあり方全般を見直すことが大切だと思います。

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