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2014年9月 1日 (月)

スリランカで研修会

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シンガポールを終え、8月26日から28日までは、今度はスリランカの首都コロンボで開催された、カリタスアジア南アジアサブリージョンの反人身売買に関する能力向上プログラムに参加。英語のタイトルはCaritas Asia Sub Regional Capacity Building on Anti Human Traffickingです。

南アジアのサブリージョンとは、スリランカ、インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタンのカリタスで構成され、今回はこれに加えてマレーシア、オーストラリア、タイからも参加者がありました。スリランカ以外から参加者が20名、スリランカ国内の教区で活動している参加者が30名近くの、ほぼ50名ほどの参加で、カリタススリランカの立派で巨大な本部事務所を会場に行われました。

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最初の日は荘厳な開会式が。スリランカ司教協議会の難民・移住者担当のアントニー・ペレラ司教の挨拶に始まり、政府を代表して外務副大臣(Deputy Minister of External Affairs)のメオマール・ペレラ氏が挨拶。同副大臣は熱心なカトリック信徒で、開会ミサから参加してくださいました。9月の安倍首相の訪問に期待していると話されておりました。

その後私も挨拶し、政府の海外雇用促進担当大臣からのメッセージなどもありました。

その後は三日間、各メンバーの取り組みの分かち合い、課題についての話し合い、今後の取り組みへの提言、カリタスアジアの取り組みについての説明、実際の現地での施設の見学などが行われました。下の写真は、国際的な定義や課題について、二日にわたって話してくださったUNDPや法務省で働くMs.Chandrika Karubaratnaさん。すばらしくシャープなかたで、専門的なことを詳しく簡潔に教えてくださいました。

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人身売買はなにやら遠い世界のことのように感じられる言葉ですが、日本とてその例外ではありません。様々な甘言をもって人を移動させ、予想もしていなかった労働などの従事させるような詐欺行為は、国境を越えて、また国内でも、様々に起こっていると言われます。国境を越えている場合は、時に被害者が結局はその国での不法滞在として逆に犯罪者のように扱われるケースもあり、一人ひとりの被造物を大切にする神の前で、何を私たちがするべきかは明らかです。

国際移住機関(IOM)のホームページには次のように記載されています

人身取引」(トラフィッキング)とは、何らかの強制的な手段で、弱い立場にある人々を別の国や場所に移動させ、搾取することを言います。

一般的に、送り出す国は貧しく、受け入れ国は比較的裕福な国の場合がほとんどです。第三国を経由する場合や国内で取引される場合もあり、世界のほとんどの国が人身取引のプロセスの一部になっていると考えられています。

多くの場合非合法的なルートを通じて行われるため、正確な数字は分かりませんが、毎年80万人が国境を越えた人身取引の犠牲となっており、被害者は世界中で常に245万人いると推計されています

スリランカでは、特に中東地域への家庭のお手伝いさんとして出かけていった女性たちが、筆舌に尽くしがたいような扱いを受けて、時には生命さえも失うケースが相次ぎ、社会問題化しています。経済的に力を持っている日本も、受け入れ国として以前から厳しい指摘を受けていますが、ともすれば不法在留の問題として片付けられることもあり、根本的な対策は遅れているのではないでしょうか。

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なおカリタスアジアでは、このような研修会を、南アジアだけではなく他の地域でも開催してきています。これは反人身売買プログラムが、カリタスアジアの重要な課題の一つになっているからです。上の写真はタイでの活動について報告する、Sr.Janthana Jantorn.

最終日には日本大使館を訪問し、粗信仁大使に会っていただきました。ありがたいことに、カリタスジャパンの名前をご存じで、とりわけ東日本大震災後の活動を評価していただきました。またスリランカの内戦後の平和構築にも日本政府が関心を寄せていると表明され、同行したカリタススリランカの責任者ジョージ・シガモニ神父と、今後の協力関係について意見を交換されました。

今回の研修会を準備してくださったカリタススリランカのジョージ・シガモニ神父とシスター・ウシャニほかスタッフの皆さんに感謝します。

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