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2015年9月12日 (土)

FABC気候変動セミナー@香港

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9月9日と10日の二日間、香港のカノッサ会黙想の家を会場に、40名ほどが参加して気候変動セミナーが開催されましたので、参加してきました、移動日がそれぞれ前後につきますので、9月8日から11日までの旅でした。(上の写真は、レポートを発表するカリタスマカオのポール・プン氏)

この気候変動という問題についてアジアの教会は、すでに教皇フランシスコの新しい回勅「ラウダト・シ」が発表される以前から、アジア各地における気象災害の巨大化という現実に鑑み、気候変動について理解を深め行動を促すために何らかの対応が必要だと考え、アジア司教協議会連盟(FABC)の中に気候変動デスクを設置してきたところです。今回は教皇フランシスコの回勅を受けて、さらに理解を深めようと言うことで、アジア各地の地域ごとに開催されてきたもので、香港のセミナーは東アジアが対象でした。

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参加呼びかけは東アジアの司教と、各司教協議会の正義と平和、カリタスの担当者向けに行われました。今回の参加者の中で司教は、韓国と台湾がそれぞれ2名ずつ。日本と香港がそれぞれ一名ずつの6名。日本からは私以外にカリタスジャパンの田所事務長と、社会司教委員会の顧問などを務めるシーゲル神父の三名が参加。香港からは、教会の様々な部署で働く多くの方が、聴講に訪れました。(上の写真は参加者の一部)

アジア以外からも、オセアニアや太平洋諸島司教協議会連盟事務局長のローチェ神父(同じ神言会の神父でした)と、アフリカ・マダガスカル司教協議会連盟事務局長のコマコマ神父(ザンビアの方)も参加し、各大陸の司教協議会連盟の連携を話し合いました。

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9月9日の朝7時に、香港教区補佐司教夏(ハー)司教の司式ミサで始まり、初日はFABC気候変動デスクのアーヴィン・ダシルバ神父の「ラウダト・シ」についての講演、香港大学のガブリエル・ラウ教授による気候変動についての解説。フィリピン政府の顧問を務め、気候変動に関する世界的交渉にも関わるマニラアテネオ大学のアントニオ・ラ・ヴィーニャ教授とのスカイプでの質疑応答。今年末に開催されるUNFCCC(国連気候変動枠組み条約)の締約国会議(COP21)にむけて、世界各地で各国政府への働きかけが行われており、今回何らかの合意を見ることが出来るかどうかは、将来に向けて重要な意味を持っているとのお話。そしてマレーシアのクラレンス・デバデス神父(FABC神学局秘書)による神学から見た環境問題についての講義とつづきました。

二日目は、まず私がカリタスアジアがアジア各地の11のカリタスと協働で行っている持続可能な農業のプログラムについて解説。その後、各国からのレポート(日本はシーゲル師が担当)。世界的にこの問題に取り組んでいるNGOのOne Voicesのアジア担当者キアラ・シャノンさんからの講演。香港のアントニー・チェン師による香港での取り組みについての講演と続き、夜7時頃にすべてが終了しました。(下の写真は夏司教に資料を渡す、カリタスジャパンの田所事務長)

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ちょうどこのセミナーの間に、日本では栃木県や宮城県を中心に甚大な被害をもたらした集中豪雨が発生しました。被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。

同じように強烈な豪雨の例は、アジア各地で頻発し、各地で本当に多くの方が洪水の被害に遭っています。海面の上昇は多くの国で人々の生活に大きな影響を及ぼし始めています。確かにこの十年間くらいは、過去の記録と比較しても年間の平均気温の記録を毎年塗り替えるほど地球は暑くなっており、今年もその記録は更新されそうです。

気候変動だけからではなく、被造物としての全体をどのように守っていくのかを考えることが、神から与えられた人間の使命ではなかろうか。いまいちど、創世記の冒頭にある創造物語における神から人間への命令の意味を、神学的に考察し直すときではないか。そう考えさせられました。

教皇様はすべての教会に行動を求められています。まもなく米国に渡り、米国議会や国連の場で、教皇様は世界に呼びかけられます。いわゆる先進国に生きている私たちが、生活全体を見直すことは避けては通れないことになろうかと思います。それは個人の努力というレベルもあろうかとは思いますが、それ以上に国家全体としてどう考え行動するのかに大きな課題があろうと思います。教皇フランシスコが回勅で述べているように、そのときには今の私たちの生活だけではなく、将来の世代への責任という倫理的な側面を決して忘れてはならないのではないでしょうか。将来の世代に負の遺産を残さないような社会のあり方。それを考える国であってほしいと思います。

カノッサ会の黙想の家は、香港島の西の外れにありました。中心街の喧噪から離れ、大型船が行き来する海を眺める素晴らしいところでした。

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