朝食後に勇んで出かけました。医者へ。これでもいろいろと、がたが来ておりまして、もう長いこと血圧の安定のために毎月一度は内科医院へ通っております。名古屋でお世話になっていた先生の友人の先生をこちらで紹介していただきまして、はい。海底トンネルを渡った先ですので車で行きましてね、医院の駐車場が目に入りましたら空っぽ。「ラッキィー!」なんて思いましてね、車を乗り入れるとどうも雰囲気がおかしい。玄関のシャッターが閉まっているんですよ。「えぇぇぇぇ!いつの間にかやめちゃったの?」と真剣に思ってしまいました。しばらく理由が分からなかったのですが、通りかかったバスが国旗をなびかせていたので、旗(しゃれのつもりです)と気がつきました。そう言えば本日は祝日ではないですか。いくつかの祝日が月曜日に移動したりしてますでしょう。ついつい祝日は月曜になってしまった気もしましてね。月曜になった祝日もあれば、そうでないのもあるんでしたね。「く、薬が切れるぅぅぅ」と焦りましたが、幸いまだ月曜の朝の分まではある。まだ生き延びられそうです。
で、2月11日といえば、もちろん「ルルドの聖母」の祝日です。1858年2月11日に、無原罪の聖母がベルナデッタにご出現された日です。そしてそれにちなんで1993年以来、前教皇ヨハネ・パウロ2世によって、世界病者の日とも定められております。カトリック中央協議会のホームページに、本日のための教皇様のメッセージが掲載されていますから、是非ご一読下さい。
さて、それにちなんで、マリア様について少し書いておきたいと思います。といいますか、マリア様がいかに、(言葉を選んでいるつもりですが)、私を離さないかということを。
本当に正直に言えば、私は神学生の頃、ロザリオにはあまり興味がありませんで、出来ればそう言った信心を避ける口実を探しておりました。ところが司祭になって初めて派遣された教会は、ガーナのオソンソンという村にある「ルルドの聖母教会」でした。写真はこの教会の庭にある、立派なルルド(グロット)であります。毎年12月8日前後の週末、2泊3日で、この地域の部族の信徒が集まり、大巡礼を繰り広げる教会、その責任者になったのでありました。しかも毎週土曜日には、早朝5時頃からレジオ・マリエの面々が集まり、ルルドの前でロザリオを捧げる。神父が寝ているわけにはいきません。しかも近くの村から来る不思議な治癒力を持った女性までそこにはおりまして、不思議な土を額に塗って、病気を癒すのですね。全部が治るわけではないですけど、治ることもある。7年間にわたって、マリア様にはいろいろと不思議な体験をさせていただきました。
で、日本に戻ってきたら、今度は召命のために祈ってくださるおばあちゃん達のグループに毎月一度ミサをするように呼ばれました。ちょうどその頃神言会の「召命募集」担当をしていたためです。(「召命募集」とかいた名刺を普通の人が見たら、驚くでしょう)その集まりが、ミサと食事とロザリオでした。しっかり毎月一回、マリア様は私にロザリオを唱えさせるのでした。
そして言わずもがなですが、新潟教区の司教になっても、当然その縁は切れるわけもない。昨日も書いた「月曜会」であります。司教館の目の前にはルルドもあります。秋田もあります。もうこうなってくると、ヨナの気分でして、マリア様からは逃げられない、という本当は至極当たり前のことを、分かりました。もちろんそれ以前に、神様から逃れられるはずはないのです、私たちは。