2006年度の定例司教総会は、潮見のカトリック会館で6月12日から16日まで、全国の17名の現役司教の参加を得て、開催されました。12日(金)のお昼で、無事すべての議事が終了し、閉幕となりました。詳細については中央協議会のホームページやカトリック新聞に掲載されることになるかと思いますので、参照下さい。
今回の会議でも、典礼の翻訳については重要な議題のひとつでした。ご存じのようにローマミサ典書(バチカンの発行するミサのための規範版)は、2002年に第三版が発行されており、現在は世界中の司教団が、自国語に翻訳する作業に取り組んでいます。英語やスペイン語やフランス語などは、複数の国で使用されるために、共同作業の委員会などが設置されて、そのため各国から大勢の専門家が参加できますが、日本語などのようにひとつの国でしか使われない場合、専門家の人数も限定されるため作業には時間がかかってしまいます。もちろん原本はラテン語ですから、出来る限り忠実に、そして意味するところを正しい日本語で、しかも格調を持って、置き換えていくのは、楽な作業ではありません。さらに今回の議題のひとつにもなりましたが、他の教会の公式文書との間で、使用される訳語に統一がとられていなければなりません。それは特に教会用語において、必ず守られなければなりません。現在、第二バチカン公会議の公文書の再翻訳作業が進んでいますが、ラテン語の日本語への翻訳において、それとの整合性を図ること自体が、簡単な作業ではありません。作業にあたってくださっている多くの専門家の方々に、感謝しなければなりません。
今回の会議では受難の主日に始まって、聖土曜日までの典礼文を取り上げました。まだまだ先は長いのですが、日本中の多くの教会で、数年前に発行したミサ典書がぼろぼろになってきているのは良く目にするところですから、何とか早くすべてを翻訳し、バチカンの認可を受けて、発行にこぎつけたいと思います。今回の議論の中で、典礼文の翻訳認可は典礼秘跡省だけでなく、特に秘跡の制定句においては、教理省の認可と教皇様の直接の裁決が必要であることをはじめて知りました。日本での独自の適応についても、典礼秘跡省は良く研究しておられるとのことで、今後はしっかりと対話しながら、早い段階での認可を受けたいと思います。
それ以外には列福の決定が待たれるペトロ岐部と187殉教者の列福式準備に関する議題もありました。列福に関してはすでに列聖省からのゴーサインが出ており、残すのは枢機卿会議での決定と教皇様の裁可です。今年中の決定が期待されており、来年には日本で列福式が行われる予定です。今後、準備委員会を設置したり、「殉教者を想い、共に祈る週間」を2007年2月4日から11日に開催するなど、いろいろな行事が行われていくことになりました。列福式の開催地はまだ未定ですが、新潟教区ではこの188人のうち53人と、一番多い殉教者が山形県の米沢で殉教していますので、新潟教区のお祝いも別途行うことを、これから考えて行かなくてはなりません。米沢教会の方々だけでなく、全教区を挙げたお祝いにしていきたいと思います。
今回は水曜日の夜に参加司教全員が教皇庁大使館に出かけ、大使と夕食を共にしました。私にとっては初めての体験でした。また大使は初日の開会メッセージだけでなく、木曜日の午後にもおいでになり、司教団と様々な点で意見を交換して行かれました。そのうち新潟教区にも、公式訪問をしていただかねばなりません。