そこまで燃えなくても
1998年の8月、私はルワンダの首都キガリに数日間滞在していました。その時に感じた違和感を、今朝もちょっと感じてしまいました。(写真は1984年2月のホワイトハウス)
キガリでのある朝、朝食に降りていったホテルの小さなレストランでは、テレビのニュースが大音量で流れていました。当時のクリントン大統領が、その前日の大陪審での証言の後に行った米国民向けのスピーチを繰り返し放送していたのです。話題になっていたのはクリントン氏とモニカ・ルインスキーさんのスキャンダルです。このレストランにいるすべての人の注目を集めているらしく、店員さんもなかなか注文を聞きに来てくれなかった事を思い出します。このニュースに注目していたのは店員さんを始め、ウガンダから来た現地のビジネスマンやNGO関係者が主だったのですが、そんな話題より、もっと逼迫して緊急な人命に関わることが今まさに起こっている当時のルワンダの地で、あたかも世界の一大事のように皆が注目しているニュースが、まったく関係のない外国の大統領のスキャンダルだとは、とても不思議に感じました。それくらい、アメリカ合衆国というのは世界に影響力を持っているという事なのでしょう。
そして今朝も。というよりも昨年来、まるで自分たちの大統領選挙であるかのように、合衆国以外でも大いに盛り上がり、就任式に於いてもまるで世界の救世主が現れたかのように、そこここで熱狂する。それもまた不思議に感じました。
オバマさんひとりの力で何か大きく世界が変わるほど、世界は単純でないのはたぶん皆分かっているけれど、でも何かその魅力にでもすがらなければならないほどの危機感や閉塞感を感じているのが今の世界なのかもしれません。
その意味では、前日のリンカーンメモリアルの前でしたかの演説で、オバマさんが、「俺に任しとけ」ではなく「力を貸してくれ」とか「一緒に」あたりを強調したところに、ちょっとは熱狂を冷ます鍵があるのかなとも思いました。
それにしても早口でまくし立てた就任演説でしたが、良くできたスピーチでした。内容がどうのということではなく、とても上手なスピーチでした。才能のある若いスピーチライターがいるのだそうですが、その意味でうらやましいなと思って聞いておりました。
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