ここ数日は年度末特有の「ばたばた」が続いており、ちょっとくたびれております。
さて、教皇様はアフリカへ出かけられました。現教皇様にとっては初めてのアフリカ訪問です。昨日ローマを出発し、今回はカメルーンとアンゴラを訪問され、来週の月曜にローマへ戻られる予定です。教皇様の司牧的訪問の成功をお祈り下さい。今回の目的を15日のお告げの祈りの際に教皇様は次のように語られました。(翻訳は中央協HPより)
『 わたしはカメルーンの首都ヤウンデに行きます。ここバチカンで10月に開催される第2回アフリカ特別シノドスの「討議要綱」を示すためです。その後わたしはアンゴラの首都ルアンダに行きます。アンゴラは長い内戦の後、再び平和を見いだし、公正のうちに自らを構築するよう招かれています。わたしは今回の訪問によって、精神的な意味で、アフリカ大陸全土を抱くことを目指しています。その数千の異なる民族と深い宗教的精神。古代からの文化と、発展と和解に向かう労苦の多い道のり。深刻な問題と、痛ましい傷と、大きな可能性と希望を含めてです。わたしはカトリック信者の信仰を強め、キリスト者のエキュメニカルな取り組みを励まし、復活した主が教会にゆだねた平和のメッセージをすべての人にもたらしたいと思います』
カメルーンはHIV/AIDS問題でも苦しんでいる国ですが、すでに途上の機内でそれに関する教皇様の発言があったようです。またアンゴラ訪問では、すぐ近くにあるジンバブエの政治的混乱に関して、カトリック信者でもあるムガベ大統領に対して、これまでと同様に厳しいメッセージを発せられると予想されています。ジンバブエは今年に入ってコレラの蔓延をコントロールすることができず、この数年続いている政治経済の混乱からすさまじいインフレともなり、これまで以上の悲惨な状況であることが伝えられています。それから今回が二回目となるアフリカ特別シノドスで、何が中心的な議題となるかも、興味深いところです。いずれにしろ今回の教皇様の訪問は、アフリカの教会にとって力強い励ましとなることは確実です。
それから教皇様は、パウロ年が6月に終了するに当たり、次の一年を「司祭年」とされることを発表されました。再び中央協のHPから引用です。
『3月16日(月)、教皇ベネディクト十六世は、教皇庁聖職者省総会参加者への謁見において、「アルスの司祭」聖ヨハネ・マリア・ビアンネ(1786-1859年)の没後150年を記念して、2009年6月19日から2010年6月19日まで特別聖年の「司祭年」を開催することを発表しました。「司祭年」のテーマは「キリストと司祭職への忠実」です』
私たち司祭は現代社会にあってさまざまな生き方をしていますし、それぞれの時代の要請にしたがって、また聖霊の導きにしたがって、活動していくことが肝要です。しかし同時に、司祭として忘れてはならない「柱」をしっかりと心の中心に持っていることも不可欠でしょう 。それがなければ単なる活動家になってしまいます。自分の生き方の中心をしっかりと貫く柱を持っている司祭の模範を、アルスの聖なる司祭ヴィアンネが示しています。パウロ年にあたって私たちは福音宣教への取り組みについて黙想していますが、司祭年にあたり、司祭のよって立つ柱を見つめ直したいと思いますし、司祭のためにもお祈りをお願いしたいと思います。『正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします(ヤコブ5章16節)』
ところで来日中のマンベルティ大司教は、昨日夕方、外務省飯倉公館で、中曽根外務大臣と会談されました。明日は東京近辺の司教さんたちとの会合ですが、私は先約のため参加できません。