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2011年12月29日 (木)

良い年をお迎えください

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まもなく2011年も終わりです。皆様今年一年本当にありがとうございました。特に今年は私自身の司祭叙階銀祝でもあり、多くの方からお祈りとお祝いをいただきました。心から感謝いたします。70名近い方々と一緒に、ルルドやアシジを巡礼することができたのも、忘れることのない出来事です。もちろん3月11日の大震災以降、今に至るまで、心におもくのしかかるものは消えていません。私自身はカリタスジャパンや司教団の復興支援担当の責任者として、名前ばかりで申し訳ないと感じつつ、それでも通常の務めに加えてしばしば仙台に出かける機会をいただき、少なからずとも復興支援に関わらさせていただいています。現場で全力で働いてくださる方々には、本当に感謝しています。来年はよい年でありますようにお祈りいたします。また今年多くの人が再発見した人間の絆が、来年はさらに太い絆に成長しますように。

皆様、どうぞ良い年をお迎えください。

大晦日の深夜零時から、新潟教会では私司式でミサがあります。過ぎし一年に感謝し、新しい年への祝福を祈りながら、どうぞどなたでも、ご一緒にお祈りください。

写真は、午後に出かけた新潟古町交差点で、アーケードの下に新年を迎えるために掲げられた書です。「ふるまちモール6」と書かれた下に掲げてあります。東京学館新潟高校書道部の方々が書かれたのだそうです。「昇龍」と記され、その横には、「諦めなければ道は拓ける。苦しみ悲しみ乗り越えて、少しずつ歩いて行く。たった一つの未来を信じて」と力強く記してありました。

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2011年12月24日 (土)

主の降誕、おめでとうございます。

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新潟教区と札幌教区の皆様。さらにいつも「司教の日記」を訪れてくださる皆様。

主の降誕、おめでとうございます。

多くの方々からクリスマスカートをいただいています。申し訳ありません。特に札幌も担当している関係で、札幌教区内の修道院からもたくさんのカードをいただきました。本当にありがとうございます。司教館の食堂に飾ってみました。27日には司祭団のクリスマス会があるので、そのときにじっくりと司祭達にみて貰います。忙しいことを口実にはしたくないのですが、今年もまた昨年に続いて2年連続で、クリスマスカードも年賀状も出せそうにありません。ほんとうにいただくばかりで申し訳ありません。不義理をお許しくださいませ。

新潟は荒れた天気のクリスマスとなりました。市内ではそれほど雪は激しくないものの、風が強い。これからミサに来られる方々、どうぞ気をつけて。

新潟の司教館には、神言会のガーナ出身会員、Martin Dumas神父が昨日から来ております。年末年始を一緒に過ごす予定です。半年ほど日本語を勉強していますが、まだまだこれから。

それでは皆様、暗やみに輝く光である主の降誕が、不安のうちに時を過ごしている多くの人、とりわけ東日本大震災からの復興を目指して進んでいる方々に、希望の光となりますように。

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2011年12月22日 (木)

クリスマスには教会へ

間もなくクリスマスです。今年はイヴが土曜日、25日は日曜と重なりました。クリスマスは、言うまでもなくイエスの誕生を祝う日です。『主の降誕』の祝日には、3回のミサが捧げられます。夜半、早朝、日中の三回です。夜半のミサがいわゆる『クリスマス・イヴ』になったものと思いますが、もともとは24日の真夜中、つまり日付的には25日になったところで捧げられるミサでした。現在では多くの人が参加できるようにと、24日の夕方から晩に時間を移して行われるのが一般的になりました。どうぞクリスマスには教会へ足を運び、ミサに与ってみてください。24日の晩、または今年は日曜ですからクリスマス本番(?)の25日の午前中に、教会に集う信徒と一緒に祈りを捧げてみませんか。

新潟市の大畑にある新潟教会は、秋田県、山形県、新潟県を担当するカトリック新潟教区の中心となるカテドラル(司教座)です。12月24日は午後8時から私が司式するミサが行われます。またそのあと深夜0時からもミサが行われます。さらに12月25日は午前10時からミサがあります。いずれのミサも1時間ほどかかります。

また新潟教区内の各教会のミサの時間については、新潟教区のHPをご覧ください(こちらから)。

今日は新潟市内の清心女子高校でクリスマスの集いが行われました。朝8時半頃から宗教を担当する吉田先生の聖書の話で始まり、その後体育館に移動して、私と新潟教会の坂本神父が司式してミサを行いました。ミサ後には同じ体育館で、各学年代表の奉仕活動報告、キャンドルサービス、ハンドベル演奏、クリスマス・タブローの披露などが行われ、例年通り、厳粛なひとときを一緒に過ごすことができました。新潟は荒れ模様の天気で、昼間には建物が震えるほどの大音響の落雷が続きました。新潟の冬らしくなってきました。どうぞ善いクリスマスをお迎えください。

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2011年12月20日 (火)

カリタスアジア地域委員会終了@バンコク

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カリタスアジアの地域委員会が、昨日と今日の二日間、バンコクにある事務局で開催されました。カリタスアジアの地域委員会は、Presidentの私と、Regional Coordinator(いわば「事務局長」)、そして東アジア(香港)、東南アジア(インドネシア)、南アジア(スリランカ)の代表で構成されています。通常はローマの国際カリタスからもアジア担当者が出席しますが、今回は都合で不参加となりました。

さて今回の主な議題は来年の予算を決めることと、すでに今年の5月に任期を迎えていたRegional Coordinator(RC)の後任を採用することです。RCについてはすでに5月から募集を始め、8月に一度面接を行いましたが残念ながら採用に至りませんでした。そこでもう一度募集を行い、10月末に面接を行う予定でしたが、バンコクの洪水のために会議は中止になっていました。そこで今回の臨時の会議で、是が非でも後任を採用することを目指しておりました。アジアに限らず世界中からの多数の応募者の中から書類選考で3名に候補者を絞っておりました。昨日、月曜の午前中に面接を行い、最終的にカリタスフィリピンで働いているエリアザル・ゴメス氏(Mr. Eleazar Gomez)を採用することに決定しました。「Zar」のニックネームでカリタスの中ではよく知られているゴメス氏は30代後半の好青年です。すでにカリタスフィリピンの一員として、カリタスアジアの様々なプログラムにも関わってきており、今回の職務には最適な人物だと考えました。カリタスフィリピンでの職を辞する必要がありますので、カリタスアジアでの職務は2月1日から開始を予定しています。(12月21日附記:一番上の写真がGomez氏です)

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これまでのRCであったパキスタン出身のボニー・メンデス神父には、教区司教の寛大な許可もありましたが、予定を大幅に超えて務めて頂きました。感謝しています。豊富な経験を持つメンデス師には今後もカリタスの枠組みの中でお願いすることがたくさんあると思います。(12月21日附記:すぐ上の写真がMendes神父です)

昨晩は即座にカリタスフィリピンの責任者から、ゴメス氏の採用を祝福するメールを頂きました。快く彼をカリタスアジアに派遣してくださるカリタスフィリピンに感謝します。

というわけで予定通りに会議は終了し、今晩のタイ航空便で帰国します。

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2011年12月16日 (金)

司教研修会終了

昨日午後から今日昼にかけて、社会司教委員会主催で司教研修会が開催されました。ここ数年は、各地へ出かけ現場で学ぶ研修会を開催していましたが、今年は潮見で集まりじっくりと話を聞いて意見交換となりました。8名の司教が参加しました。

今年のテーマは「聖職者による未成年者への性虐待に対応するためのガイドライン作成に向けて」という長いものに。この十数年、欧米の教会を中心に聖職者による未成年者への性虐待は大きな社会問題となり、とりわけ伝統的キリスト教国においては教会の権威を失墜させることにつながりました。また教会の対応に関して、その隠蔽体質が指摘されてもいます。このような事態に対応するために、教皇庁は教理省が中心となって対応することに定め、同時に世界中の司教協議会にそれぞれの国の事情に応じた対応ガイドラインを来年5月までに作成して提出することを求めています。日本の司教団も、社会司教委員会が中心となってガイドラインを作成しています。これについては来年の臨時司教総会での決議を経て、聖座に提出されるスケジュールとなっています。今回の研修会はその原案を読んで意見を交換することと、現場の声を聞かせて頂くことを目的にしていました。

講師にお願いをしたのは、社会福祉法人「カリヨン子どもセンター」理事長で弁護士の坪井節子さんとNPO法人レジリエンスの代表でDVコンサルタントの中島幸子さん。私は遅刻したので坪井さんのお話を伺うことはできなかったのですが、中島さんのお話は、ご自分の体験に基づいた強烈なものでした。お話しくださったことに感謝したい内容でした。

私はこの数年HIV/AIDSデスクの担当を務めておりますが、その体験からも、教会の中で性の問題について語ることの難しさと、倫理的に裁こうとする立場をとりやすい教会のあり方に困惑を感じることがあります。自死の問題にしてもそうですが、その立場に追いやられる方々、様々な暴力の支配下に置かれた方々に寄り添うことのできる教会になりたいと思います。

新潟は本日大雪で、市内でも今年初めて雪が降っている模様です。新潟空港の便もかなり欠航になったようです。私は明日からバンコクに出かけるので、今日は新潟に戻りませんので、まだ雪をみていませんが、本格的な冬の到来です。水曜日には帰国します。カリタスアジアの会議のための出張です。

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2011年12月14日 (水)

長崎教会管区支援ベースが完成@大槌

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岩手県の沿岸部、釜石から少し北に上がったところに大槌町があります。昨日午後3時、津波で大きな被害をうけた大槌町の中心部に、長崎教会管区が今後の被災者支援の拠点とする施設が完成し、開所式が行われました。正式名称は「カリタスジャパン大槌ベースキャンプ」といいます。三陸沿岸各地で支援に取り組んでいるカトリック教会派遣の方々は、カトリック教会の救援団体である「カリタスジャパン」の名称のもとで活動をされております。

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今年の司教総会以降、九州の教会・長崎教会管区は岩手県の中央部から北部を対象に支援を集中させることに決まっておりました。また司牧支援として岩手県の久慈に司祭を派遣してきました。現地を視察する過程で、釜石と宮古の間にある大槌で、盛岡のおられる信徒の方が運営されていたビジネスホテルが、津波の被害を受けたものの残されているのを見いだし、所有される信徒の方の積極的なご好意で、ボランティアのベースとして活用することが決まりました。(上の写真、左手がベース。右手は取り壊しが始まった医療施設)

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長崎教会管区は早速、長崎教区の事務局で働くサレジオ会の古木師を派遣し、ホテル建物の改修に当たらせました。しかし、現地では工事のために働いてくださる方々が引く手あまたで、工事はなかなか進まず、古木師は長期にわたって泊まり込んで陣頭指揮。ほぼ工事が終了したのはほんの一日前。もう少し修復が必要ですが、津波の被害を受けた階も利用できるようになっています。電気や上下水道も回復しつつあります。(上の写真、ベース4階から海方面を望む。被災地には9ヶ月前に破壊されたそのままの姿で残される建物が多くあり、復興という言葉とはほど遠い現実がわかります)

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昨日は長崎教会管区の支援担当責任者である大分教区の濱口司教がミサを司式し、仙台の平賀司教と私、さらに各地から駆けつけた12名以上の司祭の共同司式でミサを捧げました。その後、私が一階、平賀司教が二階と三階、濱口司教が四階に聖水を撒き、建物を祝福をいたしました。またミサ後には、改修された一階のホールで茶話会が催されました。会場には近隣の教会関係者など60名以上が駆けつけられました。宮古で働いている札幌教区のボランティアの方々も、こられていました。(左手平賀司教の奥が、古木師)

すべてが終わって外へ出ると、夕方の5時近くになってもう真っ暗。その中で、大槌ベースが光を放っていました。ベースの周囲は、写真で見られるように、多くの建物が失われています。真っ暗な町の中で光を放つベースの建物は、象徴的でした。

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2011年12月12日 (月)

「絆」はやっぱり今年の漢字に

毎年恒例の今年の漢字が発表されました。やはり「絆」が選ばれたと言うことでした。大震災のあと、多くの人が被災された方々のためにそれぞれの場所から関わりを持っていった現実をみれば、まさしくどこに行ってもこの言葉が繰り返されてきたのですから、選択されて当然だと思います。

この数年、特に自死を選択せざるを得ない方々が毎年3万人を超えてきた現実を前にして、社会共同体における人間関係の崩壊を指摘し、「絆」が失われていると繰り返してきたなかに、私たち宗教者もおりました。私自身、今年の年頭司牧書簡の冒頭には次のように書きました。

『私たちが生きるこの日本において、毎年の自死者数が三万人を超えるようになってからすでに十二年以上が経過しています。経済問題の解決支援や心理的な支援など、全国的に様々な取り組みが多くの善意の方によってなされているとはいえ、安堵できるような割合でこの驚くべき数字が減少する気配はありません。昨年は、高齢者の所在不明問題も全国的な注目を浴びました。昨年九月の法務省の調査によれば、「戸籍が存在しているのに現住所が確認できない百歳以上の高齢者は全国で二十三万四千人に上る(時事通信)」とまでいわれています。同じ頃、NHKの特集番組を通じて、「無縁社会」という言葉をしばしば耳にするようになりました。社会全体を覆う様々な要因が積み重なったことでかつてのような地域社会共同体の枠組みは崩壊し、地域の構成員同士が互いに協力する意識も希薄になり、一人孤立して生きる人たちの孤独感はますます深まっていく社会を称している言葉です。人と人との絆が失われています。深まる孤立感を補うかのように、日本を含めた多くの国々で、ことさらにナショナリズムをあおり、そこに団結を見いだそうとする傾向もしばしば見られるようになりました。
 こういった社会の現実を前にして、教皇ベネディクト十六世は昨年の世界宣教の日メッセージで、次のように呼びかけられました。

「憂慮すべきさまざまな孤独と無関心にますます苦しむ多民族社会にあって、キリスト者がなすべきことは、希望のしるしを与える方法とすべての人の兄弟姉妹になる方法を学び、歴史を変える偉大な理想を育てること、そして誤った思い込みや無用な恐れを持つことなく、この地球をすべての民族が住まうひとつの家とするよう全力を尽くすことです」

 教会は、「神との親密な交わりと全人類一致のしるしであり道具」です(教会憲章一)。私たちの集う教会共同体は、地域社会において「神との親密な交わりと全人類の一致のしるしであり道具」となっているでしょうか。孤立感を深め不安におののく社会の現実に対して、真の交わりの場は教会共同体にあると自信を持って宣言できているでしょうか。教会共同体のよりふさわしいあり方を、この一年を通じて見つめ直してみましょう』

絆が失われてしまった事への危機感を表明し、教会共同体が社会の中で豊かな絆に満ちあふれたしるしとなることを呼びかけました。その直後に大震災が発生したのです。その中で確かに、人と人とのつながりの大切さ、尊さ、優しさ、厳しさが日を追う事に明らかに浮き彫りにされてきました。震災という緊急事態だから「絆」が注目されるのではなく、これを通じて社会全体に「絆」がしっかりと復活することを祈らずにはおられません。

「絆」という言葉は英語に翻訳しにくい言葉です。大震災以降、英語でのインタビューを受ける機会がしばしばありましたが、そのたびに頭の中では「絆」という言葉が浮かんでいるのに、言いたいことをぴったりと現す英語の単語が浮かんでこない。辞書を引けば「BOND」が絆の翻訳語になっていますが、何となくしっくりこない。目に見えない糸で人と人はしっかりと結びあわされている、それを断ち切っては生きていけないという、共同体の中で生かされる私たちを結ぶものを、「BOND」は表現し切れていないと思うのです。このさい、「ツナミ」という悲劇的な言葉だけでなく、「キズナ」という言葉も、そのまま英語の単語になってくれないものかと思います。

明日、13日は午後3時から岩手県の大槌町で、長崎教会管区のボランティアベースの開所式があります。これから息の長い支援を継続していくのだという、九州のカトリック教会の明確な意志表示です。明日は朝から新幹線で出かけて新花巻まで行き、そこからレンタカーで何とか3時までには大槌に到着し、開所式に一緒したいと考えています。

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2011年12月11日 (日)

というわけで堅信式@秋田教会

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というわけで、本日は秋田教会での堅信式でした。15名の方、おめでとうございます。朝から雪の降る寒い秋田でしたが、昼前には雪も降り止み、午後4時半の秋田発新潟行きの特急「いなほ」も、今日は完璧に時間通りの運行。

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堅信式の終わったあとには、信徒会館で茶話会でした。写真は、上が夜の秋田教会。秋田駅から歩いてくると、真っ正面に教会が見えるようになりました。そしてその下が、今朝のミサ前に、堅信式について説明する永山主任司祭。

短い時間でしたが、歓迎してくださった皆さん、ありがとございます。

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これから堅信式@秋田教会

12月11日は秋田教会で堅信式。この時期に秋田までやってくるのは実は珍しい。雪や風の時期なので、自分で5時間近く運転するのも厳しいし、かといって電車もどうなるかわからない。なんといっても現在は、新潟と秋田を結ぶ特急電車は一日に「いなほ」が3本のみ。これが止まると、「こまち」で大宮へ。大宮から上越新幹線で新潟へ出るしか方法がない。

しかしながら今年は、震災関連で日程がずれたこともありますが、それ以上に、高松と大分、そして広島と三つの司教叙階式が舞い込み、しかもそのうちの二回が日曜日と重なったため、いくつかの堅信式を移動してもらうことになってしまいました。というわけで今日は朝から雪降る秋田で堅信式。昨日は雪の予報でしたが、思いの外風も弱く、日も射したりして、時間通りに秋田に到着。夜は秋田教会ヨゼフ会(壮年男子の会)の忘年会に合流。

さて9時半から、15名の堅信式です。お祈りください。

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2011年12月 9日 (金)

無原罪の聖母の祝日@天使大学

昨日12月8日は無原罪の聖母の祝日でした。教皇様は例年通り福音宣教省正面玄関前、スペイン広場にあるマリア像の前(高い柱の上にマリア様が)で祈りを捧げられたようです。記憶では、ヨハネ・パウロ二世は高所作業車か何かで像の前まで上がり花輪を掛けられたことがあったような気がしますがいずれにしろマリア様はかなり高いところにおられます。

さて私は昨日、札幌にある天使大学におりました。天使大学はいまや看護栄養学研究科と助産研究科を擁する学校として知られるようになっています。とりわけ助産研究科は日本で唯一の「助産師のための専門職大学院(大学案内から)」としてその存在を誇っております。カトリックの大学として、神からのたまものである生命への尊厳を最重要視する教会の立場を具体化するものとして、この助産研究科の存在はとても大切であると思います。その天使大学は12月8日を創立記念日としており授業はお休み。それを利用して教職員の修養会が開催されました。

昨日は私が「カトリック大学のミッション」と題して、集まった教職員の皆さん70名ほどを対象に、90分間に渡りカトリック大学とはいったい何なのかについてお話をさせて頂きました。ご存じのように、学校などの教会関連の施設が「カトリック」といわれるためには、その地の司教の認可が必要です。勝手にカトリック学校と称することは許されていません。かといって、これとこれがそろいさえすれば自動的に名称が許されるなどという要項があるわけでもありません。カトリックの精神に基づいて教育が行われているのかどうかを、明確に示す存在であることが重要であると思います。

その意味で、たとえば天使大学のように創設母体の修道会がその運営から手を引き、すでに学内には修道者の姿が見られないようになっている場合、いったい何を持ってカトリック精神を呈した教育というのかは、非常に難しい問題となります。ですからこういった修養会の場で、いったいカトリックとは何なのかを皆で共有することは重要だと思います。天使といえば、お隣にある天使病院もすでに修道会がその運営から撤退し、さらにカトリック施設であることも数年前から辞退されています。新潟においても、清心高校中学からは数年前に修道会が撤退しています。県内に一つしかないカトリック学校ですから、何とか存続してほしいと私も理事会に関わっていますが、教会外の方々による経営はカトリック教育の保持に積極的な理解を頂いているものの、しかし同時になかなか容易なものではありません。

さて、12月8日といえば、私がかつて働いていたガーナの教会のマリア祭。例年通りなら今日の金曜日から日曜日までの3日間、祈り、学び、そして歌い踊る巡礼が繰り広げられているはずです。日本は寒くなってきました。札幌は今日も朝から雪です。歩道などの路面は完璧に凍結。新潟も雪が降る様相で、冬も本番です。さあ今日は新潟へ戻り、明日の午後は秋田へ移動です。

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2011年12月 5日 (月)

五島巡礼へのお誘い

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来年2012年は、新潟教区の創設100周年ですが、同時に日本の教会も大きな節目の年を迎えます。それは日本再宣教150周年と26聖人列聖150周年。日本が開国して外国人の入国が一部地域とはいえ認められ、パリ宣教会が宣教師を送り、横浜に現在の山手教会の前身となる聖堂が建立されたのが150年前の1862年です。同じ年の6月、パウロ三木をはじめとする26殉教者が聖人の位に上げられました。来年はそれに合わせた行事も横浜や長崎で計画されています。

さてその記念すべき年の26聖人の祝日、2月5日は日曜日にあたります。そこでこの日を起点として5日間の巡礼を計画しました。行き先は五島です。すでにカトリック新聞にも宣伝が掲載されましたが、パラダイスの企画で、2月5日の西坂での殉教記念ミサ参加に始まり、五島へ渡ってゆっくりと教会巡りをいたします。

参加費用は148,000円。間もなく12月末で閉めきりです。もちろん私も一緒に出かけますので、おいでになりませんか。

詳しい内容のお問い合わせは、直接『パラダイス』までどうぞ。電話は<045-580-0023>。メールはmary@junrei.co.jp

どうぞご一考ください。  

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十字架リレーが動き始めました。

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教区100周年の記念行事として先日の王であるキリストの主日に新潟教会で出発式を行った十字架リレーですが、さっそく実際にリレーが始まりました。昨日、待降節の第二主日にあたり、十字架一本が新潟教会から花園教会へとリレーされたとの報告をいただきました。

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当日は新潟教会の江部主任司祭と一緒に25名ほどの信徒の方々が花園教会を訪れ、江部神父と花園教会のフェルナンド神父の司式するミサの中で十字架をリレーし、ミサのあとには交流会を行ったと言うことです。

そして十字架と一緒にノートがリレーされますが、下の写真は新潟教会の皆さんが記入したページです。

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十字架をリレーしながら、共同体同士の交流も深めていただければと思います。100周年を機に、教区の親交と信仰を深めていきましょう。

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2011年12月 3日 (土)

北広島教会献堂式

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札幌教区の北広島教会の新聖堂が完成し、本日11時から落成献堂式ミサを行いました。400名近い方々が参加。10名の司祭団の共同司式。普段でも100名を超える信徒のミサ参加がある中堅の小教区です。新聖堂の工事は8月に始まり、なんと3ヶ月で完成。本当に数日前に引き渡しがあったばかり。フランシスコ・ザビエルに捧げられた小教区なのでこの日の献堂式を目指して準備が進められたと聞きました。

長年にわたって積み立ててきた建築資金を、この3月の大震災を目の当たりにして信徒会で話し合い、その10分の一を被災者のために献金することに。その分を借金としておいながらの建築推進となりました。

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北広島市の上野市長もミサ後の祝賀会に顔を出してくださり、お祝いの言葉を頂きました。北広島市は広島からの1884年の入植から歴史が始まり、教会も115年前からこの地に存在しています。1996年に市制を施行。広島市となりましたが、即座に北広島市と改名したと市長さんから教えて頂きました。

北広島教会の皆さん、おめでとうございます。

さて祝賀会が終わる頃全日空からメールが。今日中に新潟に戻るため、いったん夕方6時半の飛行機で羽田へ戻りそのまま新幹線で新潟へ行く予定でした。ところがその6時半の便が欠航になったとのこと。祝賀会が終わって即座に新千歳空港まで送って頂きましたが、携帯で4時半の便に変更。空港について時間通りに搭乗。安心して一眠りして目覚めると、出発から40分以上たっても誘導路にいるではありませんか。しかもそのまま滑走路をゆっくりと走り出して、出発から1時間後にもといた新千歳のターミナルへ。もう一度除雪をするとのアナウンスが。そのまま激しくなる雪の中、出発から2時間後に「欠航となりました」のアナウンスが。すでに6時半を回っているので、今から仮に東京へ飛んでも最終の新幹線には間に合いません。申し訳ない。明日の長岡・福住教会での堅信式をキャンセルせざるを得なくなりました。すかさず高橋主任司祭に連絡。申し訳ない。1月中に必ず堅信式に行きます。荷物を待つ間(これがさらに1時間)、携帯で明日の東京便に予約を。午後までいっぱいで入らないので、これはどうも明日の夕方にソウルに行く予定でしたが、ちょっと無理に。残念。

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明日は昼過ぎの便でいったん羽田に飛んで、新幹線で新潟へ戻る予定にしていますが、札幌は月曜まで大荒れの天気予報。果たして戻れますか。水曜日にまた来る予定なのでそのままいればよいのですが、ちょっとどうしても戻らなくてはならない理由が。本当に人間の予定なんて未定であることを思い知らされました。

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2011年12月 2日 (金)

寒い@札幌

明日の土曜日は、北広島教会の新聖堂献堂式のため札幌へ来ています。北広島という地名は北海道の地名です。私も含めて、道外の人間にはどうも即座にはピンと来ませんが、札幌のすぐ隣にある北広島市。札幌地区長を務める勝谷師が主任として担当する教会の聖堂ができあがったので、クリスマス前に献堂式をということで明日です。今年の初めには、古い聖堂で一度ミサを捧げさせて頂いています。どんなに変わったか、明日が楽しみです。

というわけでやってきた札幌は寒い。昨日の東京も寒かったが、札幌はいっそう寒い。空港から電車で札幌駅に到着し、そこから地下鉄を乗りついで司教館近くのバスセンター前駅で降りるのですが、そこからほんの5分ほどの距離を歩きます。その歩道が見事に凍結。車道にも雪。一応新潟から冬の靴を履いてきたのですが、それでも転倒しないように慎重に歩かなくてはなりません。何年か前、まだ神父だった頃に、冬の札幌の歩道で滑ってひっくり返った経験があります。

12月と言えばこの時期は毎年、翌年の予定表を使い始める時期です。いつも使っているのドン・ボスコ社のカトリック手帖。前年の12月分から始まるので、ここらを書き写して使い始めますので、気分はもう翌年です。小型の手帖はなくしてしまうそうなので、いつも使うのは大判。実は司祭に叙階してガーナへ行ったとき、神言会のガーナ管区では合衆国からこのサイズのカトリック手帖を取り寄せて、全会員にクリスマスプレゼントで配布してくれていました。そしていまでも、1986年から始まって今に至るまでの25年間、その手帖のすべてをとってあります。もちろん予定が変更になったこともしばしばでしたが、司祭生活25年の毎日、だいたいどこで何をしていたかがすべてわかります。ガーナ時代は細かく支出や教会訪問時の献金までもメモしていたので、それもわかる。何か自分の歴史を振り返るようで、たまに出して眺め、懐かしんでおります。

教皇様は数日前にローマのトラステベレに本部を構える聖エディジオ共同体のメンバーに話をなさり、その中でこの共同体が世界各国に死刑廃止を呼びかけていることを賞賛されたとUCANの報道にありました。もう少し注目されてもよい話だと思っています。

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2011年12月 1日 (木)

12月の予定です

今年も残すところあと一月になりました。そろそろクリスマスや新年のお祝いについて考え始める時期となりました。今年一年、成し遂げるべき事を成し遂げていなくて、またまた来年に先送りかと悩むことがちらほら。しっかりと締めくくりたいとも思います。というわけで、今月の主な予定を記しておきます。

  • 12月1日 常任司教委員会 (東京)
  • 12月3日 北広島教会献堂式ミサ (札幌)
  • 12月4日 長岡堅信式ミサ (長岡・福住教会)
  • 12月5~6日 国際カリタス会議 (ソウル)
  • 12月7日 HIV/AIDSデスク会議 (東京)
  • 12月8日 天使大学教職員研修会 (札幌)
  • 12月11日 秋田教会堅信式ミサ (秋田)
  • 12月12日 月曜会ミサ (新潟)
  • 12月13日 長崎教会管区大槌ベース開所式 (岩手)
  • 12月14日 仙台サポート会議 (仙台)
  • 12月15~16日 社会司教研修会 (東京)
  • 12月17~20日 カリタスアジア地域委員会 (バンコク)
  • 12月22日 新潟清心中学高校クリスマス会 (新潟)
  • 12月24日 御降誕祭夜半ミサ (新潟教会)
  • 12月25日 御降誕祭日中ミサ (新潟教会)
  • 12月27日 新潟教区司祭クリスマスの集い (新潟)
  • 12月31日(1月1日) 平和祈願深夜ミサ (新潟教会) 

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