長崎教会管区支援ベースが完成@大槌
岩手県の沿岸部、釜石から少し北に上がったところに大槌町があります。昨日午後3時、津波で大きな被害をうけた大槌町の中心部に、長崎教会管区が今後の被災者支援の拠点とする施設が完成し、開所式が行われました。正式名称は「カリタスジャパン大槌ベースキャンプ」といいます。三陸沿岸各地で支援に取り組んでいるカトリック教会派遣の方々は、カトリック教会の救援団体である「カリタスジャパン」の名称のもとで活動をされております。
今年の司教総会以降、九州の教会・長崎教会管区は岩手県の中央部から北部を対象に支援を集中させることに決まっておりました。また司牧支援として岩手県の久慈に司祭を派遣してきました。現地を視察する過程で、釜石と宮古の間にある大槌で、盛岡のおられる信徒の方が運営されていたビジネスホテルが、津波の被害を受けたものの残されているのを見いだし、所有される信徒の方の積極的なご好意で、ボランティアのベースとして活用することが決まりました。(上の写真、左手がベース。右手は取り壊しが始まった医療施設)
長崎教会管区は早速、長崎教区の事務局で働くサレジオ会の古木師を派遣し、ホテル建物の改修に当たらせました。しかし、現地では工事のために働いてくださる方々が引く手あまたで、工事はなかなか進まず、古木師は長期にわたって泊まり込んで陣頭指揮。ほぼ工事が終了したのはほんの一日前。もう少し修復が必要ですが、津波の被害を受けた階も利用できるようになっています。電気や上下水道も回復しつつあります。(上の写真、ベース4階から海方面を望む。被災地には9ヶ月前に破壊されたそのままの姿で残される建物が多くあり、復興という言葉とはほど遠い現実がわかります)
昨日は長崎教会管区の支援担当責任者である大分教区の濱口司教がミサを司式し、仙台の平賀司教と私、さらに各地から駆けつけた12名以上の司祭の共同司式でミサを捧げました。その後、私が一階、平賀司教が二階と三階、濱口司教が四階に聖水を撒き、建物を祝福をいたしました。またミサ後には、改修された一階のホールで茶話会が催されました。会場には近隣の教会関係者など60名以上が駆けつけられました。宮古で働いている札幌教区のボランティアの方々も、こられていました。(左手平賀司教の奥が、古木師)
すべてが終わって外へ出ると、夕方の5時近くになってもう真っ暗。その中で、大槌ベースが光を放っていました。ベースの周囲は、写真で見られるように、多くの建物が失われています。真っ暗な町の中で光を放つベースの建物は、象徴的でした。
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