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2012年1月23日 (月)

カリタスインド創立50周年記念式典@ニューデリー

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カリタスインドの創立50周年記念式典が、1月20日と21日に首都ニューデリーで開催されましたので、カリタスアジアとカリタスジャパンを代表して参加してきました。

式典には全国に展開している地域事務所の関係者や教会関係者が集まり、インド政府からも前環境大臣で現在は農村開発大臣と飲料水と公衆衛生担当大臣のジャイラム・ラメシュ氏をはじめとして副大臣が二人も参加するなど、カリタスインドという組織がインドにおける開発プログラム推進の上でどのような評価を得ているのかがはっきりとする催しでした。(上の写真、左端がカリタスインドのヴァルギース事務局長、その横は4月から後任となるフレデリック師、そしてランチ教区のトッポ枢機卿、カリタスインド委員長のレミジウス司教、そしてラメシュ大臣)

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教会からは、さすがに教区が多いだけあって、ラテン典礼以外も含めて165教区もあるそうですから司教もたくさんおり、その中から枢機卿2名と30名を超える司教が参加されました。

式典会場はカリタスインドが事務所を構えるインド司教協議会事務局の隣にある高校。司教協議会とはデリーのカテドラルを挟んで建っている、これまた巨大な学校です。式典は学校のホールで。そして朝食から始まって3食が提供されましたが、食事は学校正面前の庭にしつらえた臨時の青空食堂で。インドだから青空食堂でも問題ないだろうと思われるでしょうが、この時期のデリーは寒い。私も日本にいるときとほとんど同じ格好で、コートにくるまりながら、皆で外での食事でありました。

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インド政府を代弁する形でラメシュ大臣はカリタスインドの功績を称え、政府はカリタスインドを宗教団体だとはみていない。それはインドの発展にとって重要な社会活動団体であり、たまたまキリスト者によって運営されているだけである。したがって、特に先住民族の発展のために、自分の役所とカリタスとの間で提携関係を持ちたいと、公の場でスピーチされていきました。これは報道されたので、今後の展開が期待されます。

同時にラメシュ大臣は、教会が開発発展に反対するような社会的立場を明確にすることを批判されました。スピーチの中で、私の方をみながら、ここにおられる日本の方は異なる意見でしょうが、しかし原子力発電の推進に教会が反対の立場を公にすることは、インドの発展に反対する団体だというイメージを与えるので止めてほしいと述べられました。

さすがにこれに対しては、その直後に挨拶にたった国際カリタス事務局長のミシェル・ロワ氏が、教会の社会教説の立場と原子力の利用に関する考えかた(人間の知恵で制御できない技術よりも他の自然エネルギーへ転換すべきだ)を強調せざるを得なくなりました。

とにもかくにも、演説あり、カリタスが関係して出版された学者さん達の論文の出版お披露目があったり、講演があったり、ミサがあったりと盛りだくさんのプログラムでしたが、驚くべきだったのは、ほとんど予定の時間通りに終了したことでしょう。

一日目のミサはトッポ枢機卿(ランチ教区)が式典会場で、二日目はカテドラルでグラシアス枢機卿(ムンバイ教区)が司式され、インドらしいリズムの聖歌で盛大に捧げられました。

私も二日目に挨拶する機会がありましたが、カリタスジャパンが、まだ私が援助関係を直接担当していた頃に決めたブロックグラントの契約をしてから、今に至るまで、そのプログラムを通じてカリタスジャパンがどれほどのことを学んできたかについて、まず感謝しました。同時に今回の東日本大震災のために、国内で献金を集めてくださったことにも感謝しました、。カリタスアジアとしては、当然一番力強く貢献してくれるカリタスの一つですから、感謝すると共に、今後はさらに貢献を強めてくださるようにお願いしておきました。いやそれにしてもニューデリーはとにかく寒かった。

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