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2012年3月30日 (金)

仙台サポート会議も一年@仙台

3月11日以降、毎月仙台で開催されてきた仙台サポート会議ですが、今日の開催で12回目となりました。本日午後1時から仙台教区本部で、仙台の平賀司教を議長に、各管区代表の幸田(東京管区)・諏訪(大阪管区)・浜口(長崎管区)の三司教、復興支援からは私と神田神父と濱口氏、仙台教区のカリタス担当ミゲル師、カリタスジャパンの田所氏、仙台教区サポートセンターの小松師と成井師、カトリック新聞の取材、オブザーバーで宮古に関わる札幌教区の上杉師など、多くの方が参加して開催されました。

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前回の会議(私はバンコクへ出張で欠席しました)から、これまでの一年の活動の見直しと今後の展望について意見交換が行われていますが、全体の評価の必要性も含めてもう少し検討を続けることになりました。それぞれの現場での活動も順調に進んできていることから、2年目はこの会議も隔月の開催となりましたので、次回は5月です。

もちろんそれぞれの個別の支援活動について、純粋に活動自体の評価は必要だと思います。現場での状況の変化の中で様々な選択と決断をして活動を継続してきたわけですが、ある時点で客観的な評価をすることが、今後の活動の継続にとっても重要ですし、将来に対しても意味があることだからです。

同時に、今回は、しばしば言われるように、日本のカトリック教会が全体として被災地への支援に取り組んだという、これまであまり前例のない大きな広がりを持った活動となったのですから、全体について、教会の視点からの評価も必要だと感じています。福音に生きるものとして教会は、今回の大震災にあたってふさわしくあかしに生きることができたのか。福音的価値観を宣言することができたのか、評価していくことは大切だと思います。

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夕方5時頃に会議は終わり、私は車で東北道と磐越道を経由して、途中夕食もいただいたので、夜10時近くに新潟へ戻ってきました。行きと違い夜でしたので、高速の工事による渋滞もなく順調でしたが、東北道はとにかく交通量が凄まじく多い。無料措置が3月いっぱいで終わるので、4月以降は交通量がどうなるのでしょう。

上の写真は今日の会議。その下は仙台教区本部掲示板に貼ってあった復活のポスター。なかなかすてきな色合いだったので、思わず撮影。

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2012年3月28日 (水)

新潟教区宣教宣言策定に向けて

昨日の日記にも記しましたが、教区100周年の教区大会に向けて、新潟教区宣教宣言を策定したいと思います。宣教宣言という言葉自体は、何か非常に教会的な響きを持っております。いかにも、「さあ、福音宣教をするぞ」と高らかに宣言するのだろうかと思われるかも知れません。しかしながらこれは、いわゆるMission Statementの訳です。いわば企業における経営理念や社訓などにあたるものと言ったらよいでしょうか。つまり問題は「Mission」の翻訳です。私たちは教会でこれを当たり前のように「宣教」と理解しますが、これはそれだけではなくて、「使命」を意味する言葉です。米国の映画に「Mission Impossible」がありますが、あれは決して「宣教不可能」ではなく、「(スパイにとって)不可能な使命」のことです。だから「スパイ大作戦」という邦題がついたのです。

ですから新潟教区の宣教宣言を作成したいということは、私たちに与えられた使命は何なのか、それを明確に示し、教区にいる皆で共有するための宣言文書を作成したいということなのです。

昨日触れた、宣教宣言作成をお願いする文書と、それに添付した優先課題ふりかえりのための話し合いの手引き質問一覧をホームページにアップしました。こちらをクリックしてごらんください。

今日は午前中から所用で、上越市の高田教会へ出かけてきました。車で2時間です。途中、長岡のあたりではまだ行きがみられましたが、上越市内はもう春めいておりました。明日は午後から仙台へ出かけます。

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2012年3月27日 (火)

新潟教区司祭評議会開催@新潟

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今日の新潟は、これまでの真冬日よりとうって変わって、急に太陽がいっぱいのあたたかな春らしい一日となりました。

さて毎年二回開催される新潟教区の司祭評議会が、昨日26日の午後から本日の昼まで、新潟の司教館を会場に開催されました。秋田・山形・新発田・新潟・長岡の各地区長と評議員の司祭、さらには教区の顧問団がメンバーです。司祭評議会は「司教の諮問機関として、司祭団を代表する司祭の集団」であると教会法495条に記されています。教区司教が様々な重要な決定をする場合には、司祭評議会の意見を聞かなくてはなりません。また教区司教を補佐する会議ですから、司教座空位の時には解散となります。ですから現在札幌教区には司祭評議会が存在しません。

さて今回の司祭評議会では、教区の昨年度(教区の会計年度は1月から12月です)の教区会計報告や、教区100周年記念行事についての報告、7月に開催される宣教司牧評議会などの件が報告されたり討議されたりしました。今回報告された教区の現勢報告や会計報告については、5月頃に発行される次の教区報で詳細に報告が行われますので、細かくは是非それをお待ちください。

教区の一般会計は、昨年度は90万円ほどの赤字となりましたが、その詳細も教区報をお待ちください。また教区現勢では、2011年12月31日現在の新潟教区の信者総数は7,264人。人口比で0.16%という統計結果となっています。全体でみると昨年は、幼児洗礼が29名、成人洗礼が67名、そして109名の方が亡くなられたと記録されています。従って一昨年よりも大きく信徒数が減少したかと思いきや、実は7名しか減っていません。それは新たに創立された山形県の新庄教会で、新しいメンバーの信徒籍を起こしたことから、信徒数が増加したものです。

一番信徒数が多いのは秋田教会で861名。その次は新潟教会で750名。そして高田(妙高を含む)が746名。山形が新庄を含めて569名です。

ちょうど今、教区を十字架がリレーされています。まさしくあの十字架の元に私たちは一つに集められているのだという意識を共有することが大切ですし、どうじにその意味をしっかりと社会に向かって伝えていこうとする決意を新たにしていただきたいとも思っています。飾りではない、十字架の真の意味を伝えようではありませんか。

ところで教区100周年に関連して、私から一つの提案をさせていただきました。教区100周年記念行事に関しては、信徒の方々が委員会を構成し、様々な部会に別れてすでに十字架リレーや記念ストラップ作成など、様々な取り組みを行ってくださってます。私もこの行事に何か一つ教区の福音宣教に資することを加えたいと思い、いろいろと考えていましたが、新潟教区宣教宣言を作成して教区大会の時それを宣言することを考えました。

本日文書を作成して各小教区に配布しましたので、ご一読くださるとさいわいです。かいつまんで説明いたしますと、現在宣教司牧評議会で教区優先事項の見直し作業に入っています。7月の宣教司牧評議会までに各地区での意見を集約していただくことになっています。まずそのための話し合いの手引きとなる質問を用意しました。

その意見を元に、新しい優先課題を策定すると共に、教区の福音宣教に取り組む姿勢を明確にする宣教宣言を作成します。短いものにします。宣教宣言と優先事項を書き出しても、A4の用紙一枚に収まる程度にします。そしてそれを教区全体に配布しますので、教区大会までにお一人おひとりがそれを手に取り、自らもそれを実行するという意思表示をしていただきたいと考えています。

具体的にどのような形で意思表示をしていただくかはまだ検討中です。私の頭にあるイメージは、例えばその宣教宣言と優先事項が記載された用紙の一番下にそれぞれご自分の名前を記入して、それを集めて教区大会の時に奉献するとか、別途小さなカードを用意してそれに名前を書いて教区大会で奉献するとか。いずれにしろ、教区大会をお祭りに終わらせないために、それを契機にして次の100年の新潟教区の福音宣教の歩みに自分も参画するのだという決意を自分自身が感じることのできるものにしたいと思うのです。宣教司牧評議会までにはアイディアを明確に形にしておきます。

4月から新潟教会の助任司祭に任命されている神言会のエディ神父(Edelbertus Ngaji)が、打ち合わせのため新潟へ来られ、司教館に一泊されています。エディ神父はインドネシアはフローレス島の出身です。一番上の写真は、今日の夕方、司教館でエディ神父と。

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2012年3月24日 (土)

新潟地区信徒大会開催

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本日午前10時半から午後3時半まで、新潟市内の亀田教会を会場に、新潟教区の新潟地区信徒大会が開催されました。今回のテーマは、「新潟教区創立100周年と今後の100年」。今年2012年は、新潟教区が知牧区として独立してから100年の節目の年です。教区は創立100周年をお祝いしている特別な年ですが、それに合わせていろいろな催しが一年を通じて行われています。10月には記念の教区大会も予定されています。そこで今回の地区大会も同じく教区100周年にあたってこれまでをふり返り、今後の展望を開く一つの契機にしたいと計画されました。

残念ながら事前の調整がうまくいかなかった模様で、地区内の小教区では四旬節の黙想会を同じ日に予定していたり、そのほか地域の行事もあったりなどで、参加者は50名ほどでした。10時半から私が司式してのミサ。地区長の山頭師と寺尾教会主任の町田師との共同司式ミサとなりました。ミサ後には参加者全員で食卓を囲み、弁当の昼食。さすがに1カ所には入りきれず信徒会館の1階と2階に別れての食事となりました。その後1時から私の講話。

数年目に教区宣教司牧評議会での話し合いを通じて設定した新潟教区の三つの優先課題についてお話をさせていただきました。そして現在、100周年を契機に新たな優先課題を模索しているのですが、それについて話し合いを進めていただきたいことをお話しさせていただきました。

講話後の質疑応答の時間では、いろいろな意見が出されました。やはり教区内のコミュニケーションと情報の共有をさらに進めることの必要性が指摘されました。教区報を充実させることや、ホームページをさらに充実させる必要性を感じています。私自身もこの「司教の日記」などインターネットの上に書き込むことで情報を提供していたような気になってしまい、それ以上の努力をしていないことも気づかされました。私を含め教区から全体に対して、もっときめの細かい情報の提供を心掛けなければと思います。

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ところで教区100周年を記念したストラップとキーホルダーが完成しています。一個500円です。100周年のロゴがデザインされています。各小教区には企画した100周年の記念事業の部会からすでにサンプルと申込用紙が送付されているとのことですから、どうぞお買い求めください。

また先日もご案内しましたが、100周年の事業として進められている十字架リレーについては、現在どこでどうなっているか、詳細なブログが公開されています。こちらをクリックください。現在、寺尾教会での十字架リレー関連の諸行事に取り組む積極的な取り組みが写真と共に詳細に記されています。どうぞご覧ください。

なお本日の地区大会は、最後に新潟地区信徒使徒職協議会の総会で幕を閉じました。亀田教会の皆様、準備などご苦労様でした。

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2012年3月21日 (水)

佐藤神学生の認定式@札幌

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昨日は全国各地の教区で叙階式などが行われました。叙階を受けられた皆さん、おめでとうございます。札幌教区でも、パウロ佐藤謙一神学生の助祭・司祭候補者認定式が、カテドラルの北一条教会で、10時から執り行われました。

認定式ミサには福岡から日本カトリック神学院の牧山強美院長も駆けつけてくださいました。私が司式し、地主司教も一緒してくださいました。ミサには雪の中を函館からも信徒の方が参加してくださり、20名を超える司祭団の共同司式となりました。

佐藤神学生はこれまで2年間で、東京のキャンパスでの哲学課程を終え、4月からは3年間の予定で福岡キャンパスで神学課程に入ります。順調にいけば、3年を終えて助祭になり東京へ戻ることになりますから、司祭叙階まではあと4年。もっともミサの説教でも申し上げましたが、司祭にはなろうと思えばなれるという性質のものではありません。じっと息を殺して堪え忍び、時間が過ぎるのを待てば司祭に自動的になれるものではありません。第一に神様からの呼びかけが必要であり、それに答える自分の意志と、さらには多くの方の祈りによる支えが必要です。どれが欠けても無理です。ですから、どうぞお祈りください。お願いいたします。

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ミサの後に双子の高一に出会いました。この春から長崎の神言会の小神学院に入学が決まったと言うことでした。おめでとう。先は長いけれど、がんばって!

北海道はまだ冬です。バンコクから帰って札幌に直接来たのですが、雪が降っていてびっくり。体も、37度から氷点下に、かなりびっくりでした。さて新潟は、そろそろ春?

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2012年3月19日 (月)

カリタスアジア地域委員会は終了。

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カリタスアジア地域委員会は、昨日の日曜日に予定通り終了。事務局長のフィリピン出身Zar Gomez氏以外の地域委員会メンバーはすべて神父です。まずは主日のミサから会議を始めました。もちろん新しい英語の典礼文で。私が司式でしたが、互いに慣れていないので、プリントアウトした式文とにらめっこしながら、慎重なミサとなって、それはそれでよかったかと。大方の式文は暗記しているため、気をつけないと、特に奉献文の細かな変更を見落とす危険があります。

今回の会議の主な議題は、6月に台湾で開催される地域総会に向けて、そのテーマを考えたり、討議するための提案を用意したりというあたりでした。特にこの数年、総会を開くたびに決着がつかない、国際カリタス分担金の各国の分担割合をどう振り分けるかに、今回はできるだけ決着をつけたいと、かなり細かい話し合いをしました。できればこの6月に長年の争点にピリオドを打ちたいと期待しています。

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昼過ぎの遅い昼食で終わった会議後はしばらくホテルで待機。夕方7時頃に、ローマの本部から来ていたアジア担当者と一緒にバンコクの空港へ移動。そのまま深夜まで待って、夜行便に乗って帰国しました。そのまま札幌へ移動して、明日、20日は、札幌教区の神学生認定式です。写真は上がバンコク市内の移動に便利な高架鉄道、下が真夜中のバンコク、スワンナプーム国際空港の中。

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2012年3月17日 (土)

カリタスアジア地域会議、一日目終了。

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カリタスアジアの地域委員会の第一日目は午後4時半頃終了しました。午後5時にはUCAN (Union of Catholic News Asia)の責任者、イエズス会員のMike Kelly師に面談。そのまま近くにある(市内鉄道の駅が二つ先)UCANの事務所に出かけ、先日新潟の司教館では音声を取り損ねたので、インタビューをもう一度収録。東日本大震災の一年目に当たり、カリタスジャパンとして取り組んだことについてです。

インタビューの事前に内容を準備しているわけではないので、その場で彼のインタビューに答えました。いやはや、元々日本語でもこういったインタビューには、答えた後で思いっきり後悔する人間ですから、英語でも一緒です。しゃべった後に、ああ、こう話せばよかったなどと後悔します。こういうときにぺらぺらしゃべれる人が、ポピュラーになるのでしょう。

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かつてガーナで働いて半年目くらいに、英語でまともにしゃべるには日本語で考えずに、とにかく英語でしゃべり出すことと気がついて以来、基本的にとにかく英語のセンテンスでしゃべり出してからその続きを考えることにしています。しかしこの頃はほとんど日本語の世界で、通常は英語を使っていないのですから、こういった稲tびゅーの時に肝心の単語が出てこない。出てこないと思考が日本語に戻ってしまい、思い切り混乱します。しどろもどろでインタビューに答えました。いやはや。

写真は今日のカリタスアジア地域委員会とカリタスアジアの事務局の入り口で。

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2012年3月16日 (金)

バンコクでカリタスアジア地域委員会

週末の土曜日と日曜日に、現在私が責任者を務めているカリタスアジアの地域委員会があるため、木曜の夜からバンコクに来ています。日本からは夕方便で飛んできて、木曜の遅くにいつものホテルにチェックイン。今年に入って経営者が変わり名前が変わりましたが、こじんまりとしていて便利なホテルです。そして今日、金曜日はバンコク郊外(中心部から車で1時間)にあるバンコク大司教区の司牧センターへ。噂には聞いていましたが、初めて出かけたその司牧センターは、カトリックが少数のタイで、ちょっと考えられないような巨大な施設でありました。

門から入って玄関までかなり距離のあるすばらしく広い敷地に、8階建ての巨大なリゾートホテルのような研修所が。裏にはこれまた巨大な池やらプールまで。同じ敷地にはサッカー場やら神学院や高校も。引退された前バンコク大司教のミチャイ枢機卿の主導した大プロジェクトだとか。引退された枢機卿はこの敷地にある引退司祭の家にお住まいと伺いました。残念なことにカメラを忘れていったので、写真はなしです。

今回で掛けていったのは、この研修所でCRS(米国カリタス)のアジア地域会議が開催されていたためです。毎年一回、ここで、アジアに駐在する米国カリタスのスタッフやバルティモアの本部からのスタッフも加わり、一年間の活動を振り返り次の一年の計画をするのだそうです。ここに近隣のカリタス責任者も招かれて数日間の話し合いが行われたとのこと。カリタスアジア地域委員会のメンバーであるインドネシアとスリランカの責任者も参加していましたし(その日程に合わせて、地域委員会も土日に開催することになったのですが)、それ以外にもバングラデシュ、インド、ベトナム、カンボジア、モンゴルなどから責任者が参加。

私はこの集まりの閉会ミサを司式しました。ミサにおいては特に、今回の地震と津波への支援、特にCRSの支援に感謝する機会を頂きました。特にCRSはスタッフを何度も日本に派遣して、英語で書かなくてはならない緊急アピール作成を手伝ってくれたり、報告書作成を手伝ってくれたり、カリタスジャパンの事務局スタッフの手が回らないところを大いに助けて頂いています。また支援金もたくさん頂いています。

ミサ後に、研修所の食堂で、すばらしいたい料理の昼食を一緒に頂きました。さて明日と明後日の会議は、通常の議題に加えて、今年6月末に初めて台湾で開催際することになったアジア地域総会の内容について、詰めなくてはなりません。特に今回は国際カリタス総裁のマラディアガ枢機卿(ホンジュラス)も参加することになり、台湾政府の強力な支援を頂けることになって、50人以上が参加する大がかりな催しになりそうです。

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2012年3月14日 (水)

ハバロフスクとの交流継続

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ご存じのように新潟教区ではお隣にあるハバロフスクのカトリック教会と、以前から交流関係を構築しています。昨年は日本に来ていただく予定でしたが、大震災や原発の事故のこともあり、交流会は中止となっていました。今年は新潟教区の100周年でもあることから、10月の教区大会に合わせて、何名かの方をハバロフスクから招待しようと計画中です。その打ち合わせのために、新潟教会の坂本耕太郎神父が、この数日間、ハバロフスクまで出かけてきました。

以前は新潟からハバロフスクへ直行便が飛んでいましたが、経済状況や災害、さらには成田に乗り入れが認められたことなどから、直行便は成田空港へシフト。新潟便は運休となっています。今回の坂本師は新しいルートを確認するために、成田からアシアナ航空便でソウルへ飛び、そのまま乗り継いでアシアナ航空でハバロフスクへ。

もちろんシベリアは真冬です。写真はどこかわかりますか?大雪原に立っている写真に見えますが、実はこれがウスリー川の上。この時期、ハバロフスクを流れるアムール川やウスリー川は完全に凍結。その上を自動車が通れるくらいになります。といっても写真に撮ると、このように雪原にしか見えないのが残念ですが、あしもとは氷。

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もう一枚の写真はハバロフスクの助任司祭イワン神父と。ロシア正教が絶大な力を持つロシアでは、カトリック教会は小さな共同体です。もっとも司祭達のこれまでの努力で、ハバロフスクに限って言えば、ロシア正教とは良好な関係を築いており、私自身も何度かロシア正教の神学院に招待を受けたことがあります。

というわけで、この寒い中でかけた坂本師の努力で、今年の10月にハバロフスクからも参加していただく話も前進したようです。

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2012年3月11日 (日)

3月11日

あの日から一年が過ぎました。人生の中で、ある特定の日、自分がどこで何をしていたかを明確に覚えている日なんて、数えるほどしかありません。その中で、2011年3月11日は決して忘れ得ない日となりました。あらためて、あの日の大地震ととてつもない巨大津波によって命を絶たれてしまった多くの方々を思いながら、その安息を心から祈ります。愛する人を力尽くで奪い去られてしまった、その悲しみのうちにある多くの方々に、慰めと守りがあるように祈ります。復興を目指して新たな歴史を刻んでおられる多くの方々に、力が与えられますように祈ります。

あの日から今に至るまで、国内や世界中の多くの人が、現地に駆けつけて手助けをしたり、それぞれの力祈りを捧げたり、募金に協力したり、様々な形で支援に取り組んでこられました。その思いやりの心に、神が豊かに祝福を与えてくださるように祈ります。

私自身も司教団の復興支援担当やカリタスジャパンの責任者として、被災地の復興支援活動に関わらせて頂いていますが、まだまだその活動には時間が必要だと感じています。カトリック教会ができることには限界がありますし、その活動は被災地全体から見ればごく一部に限られていますが、しかしその地に住まわれる方々が、心から安心して生活できる日常を一日でも早く取り戻すことができるように、全国の、いや世界中の善意ある人たちの力をお借りして、できうる限りのお手伝いをさせて頂きたいと思います。

カトリック教会は目に見える形で、三陸沿岸部の各地にボランティアの拠点を築いております。それは一時的な支援ではなく、地元の一部としてじっくりと支援に取り組む決意を示しているものです。各拠点では「カリタスジャパン」というカトリック教会の支援NGOの名称を掲げております。どうぞ様々な活動を行うカリタスジャパンの拠点を、遠慮なくご利用ください。

また同時に、全国から駆けつけてくださっているボランティアの皆様に、心から感謝申し上げます。皆様の力がなければ、私たちの支援したいという思いは空回りしたことでしょう。皆さんの献身的なお働きがあってこそ、カリタスジャパンとカトリック教会の支援活動は継続してくることができました。感謝いたします。

今回の大震災と原発の事故は、様々なことを私たちに教えているのではないかとも、考えています。一つには大自然の力の前で人間が如何に小さな存在であるかと言うことを今一度心に刻み、その大自然を管理するようにと神から与えられた使命を再確認する必要です。自由奔放に大自然を利用してしまってよいのではなく、その前で謙遜に生きていくすべを探さねばなりません。さらには、人間の知恵と知識の限界を今一度わきまえ、科学や技術を過信することなく、生命を脅かすような危険をおかすことのないように努める責任です。

今回の大震災を通じて、日本では人間の絆が回復しつつあると言われます。それはすばらしいことであろうと思います。しかしながら同時に、今でも各地で孤独死の事例が報道され、自死に追い込まれる方々は97年以来3万人を超えています。被災地から始まった人間の絆の回復が、そこに携わった多くの方々を通じて、日本全国に広がっていくのならば、すばらしい希望の光がそこから生まれるのではないでしょうか。被災地にともった希望の光が、全国へと波及していくことを祈ります。

本日午前9時半から、秋田教会において、秋田と土崎の教会の信徒の方々と一緒に、追悼のミサを捧げ、また復興のために祈りました。全国の教会で同じように祈りが捧げられました。また午後には、震災発生の時刻に合わせ、秋田市郊外の聖体奉仕会聖堂で祈りの集いを行いました。こちらには聖体奉仕会会員とともに秋田ダルクの兄弟たちが参加してくれました。

被災された皆様。教会は祈っています。これからも祈り続けます。希望の光をともすことができるように努力を続けて参ります。教会の皆は、被災された方々と一緒に歩いて行くようにこれからも心して参ります。生命を未来に向かって豊かにつないで行かれますように。

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2012年3月 8日 (木)

秋田へ

昨日は午後から潮見でHIV/AIDSデスクの会議。10年以上前に出した啓発パンフレットをそろそろ改訂して新しくしなければと現在作業中です。この10年くらいで状況にも変化があり、まだ根治とは行かないが感染した方々の発症リスクを減らす療法も発達してはいるが、しかしまずは感染リスクに警鐘を鳴らさなくてはなりません。全体数では少ないものの先進国において感染者数が増加傾向にある国は日本くらいですし、世界的にはやはり生命への脅威になっています。教会は生命の危機に瀕している人々、ことに病気に苦しむ人々と常に共に歩むことをやめません。

会議が終わり羽田を夜8時に出る飛行機で秋田へ来ました。今日が秋田カトリック学園という秋田県内の小教区と一緒にあるカトリック幼稚園の法人の理事会。明日が聖園短大の卒業感謝ミサ。日曜が秋田教会で東日本大震災の一年の追悼ミサ。月曜が聖霊短大の卒業式と、数日の間は秋田です。

ちょうど秋田に来ようとしていると聖体奉仕会の会長から会員が亡くなったとの連絡が。今年94歳になる聖体奉仕会会員のヨセフィーナ山里百代姉妹が昨日7日の朝に亡くなられたとのこと。このところ入院中でした。葬儀は私が司式して金曜日の午後に行うことにしました。

亡くなられた山里姉妹の昔を私は昨日まで知りませんでしたが、終戦直前に当時の日本産業経済新聞社(現在の日本経済新聞社)に入社し、戦後は同新聞初めての女性記者に。その後洗礼を受け、新聞記者もやめてボーイズタウンで働くようになり、聖体奉仕会の会員となりマリア様の御像が涙を流す超自然的な出来事にも遭遇し、70歳の時に秋田の本部修道院で生活をするようになったのだそうです。(聖体奉仕会の会員には修道院の外の社会の中で生活する使徒職もあります)20年くらい前に朝日新聞がボーイズタウンのルポを掲載したとき、山里姉妹の波瀾万丈の人生を記事にしていたのを昨日見せて頂きました。

神がいったい何をよしとされるかは、神の目にとって何が価値があるものかは、私たちにはわかりません。なるべき神の価値観に近づいて生きるようになりたいと思います。そして神のよしとされる価値観は、たぶん人間がよしとするそれとは対極にあるような気がしてなりません。今朝、山里姉妹の亡骸を前にして聖体奉仕会聖堂でミサを捧げながら、福音でラザロの話を読みそう感じました。R.I.P.

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2012年3月 4日 (日)

東日本大震災から1年の報告書

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間もなく東日本大震災が発生して1年になります。カリタスジャパンでは全国、いや世界の多くの方々からこれまでにない多くの募金をいただき、被災者の方々の支援を行ってきました。今回は特に3月16日に私と谷司教が仙台へ出かけた際に、秘書の成井神父と職員の稲江さんが現地に入り、その日から今に至るまで、仙台教区の側面支援に当たってきました。仙台教区サポートセンターを設置し、多くのボランティアの方々と一緒に、各地での支援活動の調整にあたっています。数多い現場で多くの方がカリタスジャパンの名前を背負って活動してくださっています。全体としてどんな団体であってどんな活動をしているのかを明確にするために、そしていただいている募金をどのように活用しているかを明確に報告するために、この一年の活動報告書を作成いたしました。

すでに募金をいただいた方々や、全国のカトリック教会にはコピーを送付いたしました。もし必要であれば、東京のカリタスジャパン事務局へお問い合わせください。なお英語版も作成してあります。

まだまだ多くの方から募金をいただいております。もちろん活動は一年や二年で終了するものではなく、これからも被災された方々の復興の歩みに合わせて息の長い活動を予定しております。これからも多くの方の募金をお願いすると共に、節目には今回のような報告書をお届けいたします。

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2012年3月 3日 (土)

3月の予定

3月がすでに始まっています。教会では伝統的に3月は聖ヨゼフの月です。また全国各地の教区で助祭や司祭の叙階式も行われる季節です。同時に年度末にあたり、復活祭以降の人事異動が発表される季節でもあります。新潟教区でも3月2日付で、第二次にあたる人事異動を発表いたしました。小教区などでも発表になると思いますので、ご参照ください。加えて卒業式シーズンです。様々な立場で新しい人生のスタートを切る方々のために、特にお祈りください。

しかし私たちが忘れることができないのは、間もなく発生から1年を迎える東日本大震災です。一年を迎えるにあたり亡くなられた方々のために祈り、また復興を目指して歩んでいる方々に力づけがあるように、特に祈りましょう。新潟教区としてはすでにお願いしているとおり、3月11日の日曜日に、主日のミサの中でこの意向でミサを捧げてください。また秋田教会において、主日ミサをこの意向での司教ミサとして、私が司式いたします。

加えて3月11日の午後3時からカトリック新潟教会を会場に、超教派の祈祷集会が開催されます。私は秋田にいるためこの集会には参加できませんが、お近くにお住まいの方は、是非お出かけくださり、同じ信仰を持つ兄弟姉妹と祈りを共にしてくださいますようにお願いいたします。

3月の主な予定です。

  • 3月5日(月)・6日(火) 新潟教区司祭静修 (新潟)
  • 3月6日(火) 新潟カリタス会理事会 (新潟)
  • 3月7日(水) HIV/AIDSデスク会議 (東京)
  • 3月8日(木) 秋田カトリック学園理事会 (秋田)
  • 3月9日(金) 聖園短大卒業感謝ミサ (秋田)
  • 3月11日(日) 東日本大震災1周年の特別意向ミサ (秋田教会)
  • 3月12日(月) 聖霊短大卒業式 (秋田)
  • 3月13日(火)カリタスジャパン会議 (東京)
  • 3月15日(木)~19日(月)カリタスアジア地域委員会 (バンコク)
  • 3月20日(火) 札幌教区神学生司祭助祭候補者認定式 (札幌)
  • 3月24日(土) 新潟地区信徒大会 (亀田教会)
  • 3月26日(月) 月曜会ミサ (新潟教会)
  • 3月26日(月)・27日(火) 新潟教区顧問会、司祭評議会 (新潟)
  • 3月30日(金) 仙台教区復興支援会議 (仙台)

どうぞ3月11日には必ず大震災のことを覚えて、ミサの中で、また個人として、集いとして、お祈りくださいますように。エマオへ向かう弟子とともに歩まれた主に倣い、私たちもこの道をともに歩むことをお忘れになりませんように。

 

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