秋田へ
昨日は午後から潮見でHIV/AIDSデスクの会議。10年以上前に出した啓発パンフレットをそろそろ改訂して新しくしなければと現在作業中です。この10年くらいで状況にも変化があり、まだ根治とは行かないが感染した方々の発症リスクを減らす療法も発達してはいるが、しかしまずは感染リスクに警鐘を鳴らさなくてはなりません。全体数では少ないものの先進国において感染者数が増加傾向にある国は日本くらいですし、世界的にはやはり生命への脅威になっています。教会は生命の危機に瀕している人々、ことに病気に苦しむ人々と常に共に歩むことをやめません。
会議が終わり羽田を夜8時に出る飛行機で秋田へ来ました。今日が秋田カトリック学園という秋田県内の小教区と一緒にあるカトリック幼稚園の法人の理事会。明日が聖園短大の卒業感謝ミサ。日曜が秋田教会で東日本大震災の一年の追悼ミサ。月曜が聖霊短大の卒業式と、数日の間は秋田です。
ちょうど秋田に来ようとしていると聖体奉仕会の会長から会員が亡くなったとの連絡が。今年94歳になる聖体奉仕会会員のヨセフィーナ山里百代姉妹が昨日7日の朝に亡くなられたとのこと。このところ入院中でした。葬儀は私が司式して金曜日の午後に行うことにしました。
亡くなられた山里姉妹の昔を私は昨日まで知りませんでしたが、終戦直前に当時の日本産業経済新聞社(現在の日本経済新聞社)に入社し、戦後は同新聞初めての女性記者に。その後洗礼を受け、新聞記者もやめてボーイズタウンで働くようになり、聖体奉仕会の会員となりマリア様の御像が涙を流す超自然的な出来事にも遭遇し、70歳の時に秋田の本部修道院で生活をするようになったのだそうです。(聖体奉仕会の会員には修道院の外の社会の中で生活する使徒職もあります)20年くらい前に朝日新聞がボーイズタウンのルポを掲載したとき、山里姉妹の波瀾万丈の人生を記事にしていたのを昨日見せて頂きました。
神がいったい何をよしとされるかは、神の目にとって何が価値があるものかは、私たちにはわかりません。なるべき神の価値観に近づいて生きるようになりたいと思います。そして神のよしとされる価値観は、たぶん人間がよしとするそれとは対極にあるような気がしてなりません。今朝、山里姉妹の亡骸を前にして聖体奉仕会聖堂でミサを捧げながら、福音でラザロの話を読みそう感じました。R.I.P.
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