
火曜日の朝から始まった国際カリタスの代表者会議(Representative Council)の第一回目の会議が、本日、木曜日の午後に終了しました。この会議は、いわば国際カリタスの理事会に当たるものです。私はカリタスジャパンの代表ではなく、カリタスアジアの総裁として参加しました。アジアからは他にスリランカとインドネシアの代表が参加し、カリタスアジアの事務局長もオブザーバーで参加します。(写真上はアジア代表団とマラディアガ枢機卿)
この代表者会議は、前回までは「執行委員会(Executive Committee)」と呼ばれていましたが、5月2日付で国際カリタスの憲章と規則の改訂が教皇様から認可されたことに伴い、新しい憲章に従って名称が変更になりました。私自身は以前この執行委員会に、司教になる直前まで7年ほど東アジアの代表として参加していました。

代表者会議は4年ごとの総会の間に、毎年一度開催されて、国際カリタス事務局の業務や国際カリタス全体の活動計画などについて決定していく機関です。さらに全体の活動を円滑に進めるために、総裁と2名の副総裁、さらに会計、代表者会議から選任された1名、教皇様が任命した3名を加えて、「執行委員会(executive board)」が設けられ、年に4回ほど集まって事務局長とともに業務を支えていく体制となりました。加えて新しい憲章と規則では、事務局長を支援するための支援委員会が聖座によって任命されるtこや、全体として開発援助促進評議会(Cor Unum)がカリタスを管轄することも決まりました。教皇様は5月2日付でこの執行委員会に3名の司教(キプロス、ブルキナファソ、米国)を任命されています。なお現在の国際カリタス総裁はホンジュラスのマラディアガ枢機卿、第一副総裁はルクセンブルグ教区のギレン師、第二副総裁がモザンビークのシロタ司教です。

これまでは7つある各地域の地域カリタス総裁が全員、国際カリタスの副総裁でしたが、新しい憲章では2名に限定することになりました。従って、私もこれまでは国際カリタスの副総裁でしたが、今回からはカリタスアジアの総裁として、代表者会議のメンバーとなりました。(写真上は最終日の会議場。右端ギレン師、左隣へマラディアガ枢機卿、ロワ事務局長、クルメナッハ会計)
国際カリタスは2004年に教皇ヨハネ・パウロ2世によって、教会法上の法人格を与えられていましたが、それに伴って、憲章や規則を改定し、具体的に聖座の中の立場を明確にする必要がありました。この数年間はそのための作業が、国務省と共同で行われてきました。今回の憲章と規則の改定は、昨年に行われた総会で承認された改定案に基づいて、国務省と作業を続けてきた成果です。これで国際カリタスはバチカンにおける立場を明確に確立し、教会を代表して、また教会の名で、活動や発言をすることが公式に認められました。またそのために、教会の考えから逸脱することがないよう、開発援助促進評議会がしっかりと監督することになりました。
同時にバチカンはイタリアにあるので、当然EUの様々な規則が関係してきます。資金洗浄への対応にも注意が必要です。国際カリタスも、特に金銭のやりとりに関して、EUの基準に見合うシステムにすることが求められ、それについても今回話し合いがもたれました。
昨日の水曜日は一般謁見に全員で出かけ、教皇様からも英語のメッセージでカリタスの活動への祝福を頂きました。私も教皇様に直接挨拶をすることができましたが、カリタスジャパンから来たと伝えると、急に教皇様の顔がほころび、「カリタスは日本でよくやっている」とのお言葉を頂きました。