教皇庁開発援助促進評議会(Cor Unum)の総会に参加するために、ローマに来ております。第29回目になる今回の総会では、通常のメンバー以外にも世界中の主だったカトリック系援助団体の責任者も招待を受け、総勢で80人を越える会議となりました。
昨年末に教皇様が自発教令をだされ、カトリック教会の開発援助活動において、他の団体や政府や国際機関とどのように関わるかを定められました。今回の総会はこれに関して学び、また意見を交換するための機会とされていました。もちろんすでに発表されているのですから、教令は変わりません。
自発教令では、特にカトリックの教えに反するような方針を掲げたり活動をしていたりする団体や政府や国際機関との協働を禁止する条項がありますが、現実的にそれを教皇庁はどう解釈し何を求め得ているのかが今回の会議の中心テーマであったように思います。全体のテーマは英語で、「Charity, Christian Anthropology and New Global Ethics」とされていましたが、つまり教会は人間をどのように考えているのか、激しくグローバル化され、かつ世俗化された世界を支配する倫理観とどのように対峙するのかというあたりが、与えられた課題です。
16日の水曜夜にローマ市内のVilla Aureliaに集まり、会議自体は木曜日の朝のサラ枢機卿(評議会議長)のスピーチで始まりました。今回の会議を企画するにあたり、企画に加わった国際カリタス事務局長の意見で、単に話を聞くだけではなくグループワークをするべきだと言うことになり、参加者の言葉にしたがって、英語、
スペイン語、イタリア語、フランス語のワーキンググループが設けられました。私が参加した英語グループにはオブライエン枢機卿やスーダンのワコ枢機卿等が参加しておりました。
総会自体は土曜日朝の全体会でサラ枢機卿が締めくくりのスピーチを行い終了。そのまま雨のなかバスで聖ペトロ大聖堂まで移動。大聖堂脇の小聖堂でミサ。その後、教皇宮殿の中の謁見広間で参加者他80名ほどで教皇様とお会いしました。ちなみに教皇様のスピーチはイタリア語でしたから、その場ではちんぷんかんぷんでしたが、またあとでネットなどで翻訳が読めることと思います。
というわけで会議は終了。今日の日曜日はイエズス会本部聖堂で行われた当地の日本人会のミサを司式させていただき、その後集まった司祭、シスター、信徒の方々と、カレーライスを美味しくいただきました。