仙台教区サポート会議@大槌
岩手県の大槌にある長崎教会管区が担当のボランティアベースを会場に、第19回目となる仙台教区サポート会議が3月22日(金)に開催され、被災各地で全国からの教会の支援活動に携わっている活動の責任者など、20名近くが参集しました。
大槌ベースは津波にさらわれた大槌の町の中心部に残った「寿ホテル」の建物を、オーナーである信徒の方の協力もあり改装して。ボランティアのベースとして活用しているものです。主に長崎教会管区(長崎、福岡、大分、鹿児島、那覇の各教区)の復興支援の拠点となっており、これまではサレジオ会の古木神父が、そして新年度からは鹿児島教区の川口助祭が現場の責任者としてとりまとめに当たっています。
大槌にはこのベースの開所式(2011年12月)に訪れて以来の再訪です。参加者は朝9時半頃に現地到着。私は前日が東京でカリタスジャパン委員会でしたので、他の委員会参加者とともに会議後に新花巻まで新幹線で移動。花巻に宿泊しました。そして当日の朝、復興支援担当の神田神父(大阪教区)の運転するレンタカーで2時間ほどかけて大槌へ。
現地到着後すぐに大槌の中心部と港を見下ろすかつてお城のあった城山公園へ。途中で車を駐車してさらに階段を上り頂上へ。日頃の運動不足がたたり、足の痛いこと。山頂の展望台は、大槌川と小槌川にはさまれた町の中心部を一望できる場所です。津波の後には火事が迫り、この山頂の展望台付近も激しく燃えたとのことでした。地震と津波から2年が経過した大槌の町は写真の通りです。
その後ベースに戻り、大槌商工会の会長である菊池良一氏から、復興への課題についてのお話をいただきました。そのお話で、私はこの寿ホテル前の何もなくなっている通りが、かつて賑やかな商店街であったことを知らされました。様々な課題を前にして、地元の合意形成を尊重しながらも、できる限り早く街を復興させていきたいという熱意を感じるお話でした。
お弁当をいただいて午後からは平賀司教が議長を務める定例の会議。中央に座る平賀司教の背後の壁には、このベースで活動したボランティアの皆さんの様々な心意気と想いをを感じさせる寄せ書きが一面に貼られています。
この席では、これまで神言会から仙台教区に派遣されていた成井神父が、修道会本部での役目を担うことになったため、3月末を持って退任し、後任の仙台教区サポートセンター事務局長には仙台教区の司教総代理でもある小野寺神父が就任することが発表されました。もちろん教区事務教区長である小松神父はこれまで通り中心的な関わりを持ちます。成井神父にあっては、11年3月16日に私や谷司教と一緒に山形から峠を越えて仙台に入り、そのまま、当初はカリタスジャパンの秘書の立場で仙台教区サポートセンターの立ち上げにかかわり、その後、神言会から仙台教区への派遣として、仙台教区の一員となってサポートセンターの運営に留まらず、被災地全体における教会の復興支援活動の調整役として大活躍をしてくれました。感謝しています。今後は司教協議会の復興支援担当の一員として、異なる方面からの関わりを継続していただくことも、今回の会議で確認しました。
仙台教区の復興支援の全体的調整をするこのサポート会議では、カリタスジャパンから多くのメンバーが出席しているのですが、実はそれぞれが異なる立場で参加しています。私はカリタスジャパンの責任司教ですが、会議には司教協議会の復興支援担当として。幸田司教はカリタスジャパン担当司教ですが、会議には東京教会管区の担当司教として。成井神父はカリタスジャパンの秘書でしたが、会議にはサポートセンターの代表として参加をしていました。それぞれ、立場を考えて発言することになるあたりにも、難しさを感じております。ちなみにカリタスジャパンは、事務長の田所氏が代表して、また仙台教区の担当者としてミゲル神父が会議に参加しています。
会議は3時過ぎに終了。東京へ戻る幸田司教と田所氏、そして新潟へ戻る私は、ミゲル師の車に同乗して一路盛岡へ。出発前に大槌湾に浮かぶ蓬莱(ほうらい)島を間近から眺めてきました。あの「ひょこりひょうたん島」のモデルで、近頃はトヨタのCMにも登場しています。
被災した沿岸部の町の多くは、まだまだ長い時間を費やさなければ「普通の」生活は取り戻すことはできないと実感します。日本の教会はこれからも地元の方々と一緒に歩みながら、復興支援に当たっていきたいと思います。現地で活動してくださる皆さん、ボランティアに駆けつけてくださる皆さんに、本当に感謝いたします。
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