カリタスジャパンの黙想会@東京、無事終了
カリタスジャパンは国際カリタスと連携して貧困撲滅キャンペーン『五つのパンと二匹の魚』を展開中ですが、このテーマをもって、四旬節の黙想会を企画しました。その第一回が昨日、3月21日に、東京で無事開催され、60名を超える方が参加してくださいました。なお第二回目は4月5日に大阪のサクラ・ファミリアで行われます。
昨日の黙想会は、四谷のニコラ・バレを会場に、私がキャンペーンのテーマについてお話しさせていただきました。
まず10時頃から一時間の講話。ヨハネ福音にしるされた『五つのパンと二匹の魚』の物語を取り上げ、そこから、『自ら手を差し伸べる主』、『現実の壁を前に諦める弟子』、『少しも無駄にならないように』、『しるしによる証しの力』の四つのポイントを取り上げて、お話をいたしました。
主は誰か任せにすることなく、自ら手を差し伸べるために行動されます。それは受肉の神秘それ自体が、まさしく愛のために自ら行動される主の姿そのものを教えています。同時に主は、従う者に、同じようのすること、つまり安住の地に留まっているのではなく、そこを捨てて積極的に行動することを求めておられます。
しかし行動しようとする時、そこには現実の壁が立ちはだかり、思わず諦めてしまうことが多々あるでしょう。今回の飢餓撲滅キャンペーンで言えば、まさしく世界の食糧事情の現実は、一体自分一人に何ができるのだろうかと思わせるほどの大きな壁として立ちはだかります。
その壁は例えば、八億四千二百万人が飢餓に苦しみ(八人に一人)、そのうちの98%が途上国にいるという現実。さらに先進国にも千五百七十万人の栄養不足に苦しむ人がいるという現実。さらにはサハラ以南のアフリカでは、四人に一人が栄養不足に苦しんでいるという現実。世界の飢餓人口の65%は、インド、中国、コンゴ民主共和国、バングラデシュ、インドネシア、パキスタン、エチオピアという七カ国に集中している現実。途上国では栄養不良により、五歳になる前に亡くなる子どもの数が年間五百万人という現実。
しかし中でも、世界の七十億人が必要とする穀物の二倍近くが、毎年生産されているにも関わらず、飢餓が発生するという現実。おおよそ二十四億トンが生産されています。そのうちの四割近くは家畜の飼料となるので、何らかの形で食糧増産に貢献する部分ですが、それでも七十億人に充分な穀物があるはずです。
そこに「少しもむだにならないように」といわれた主の言葉が響いてきます。ある資料によれば、日本では年間五千五百万トンの食料を輸入して、そのうち千八百万トンを捨てていると言います。
キャンペーンにあたっての教皇フランシスコの言葉からです。
「地球上には、すべての人を養うのに充分な食糧があります。意志さえあれば、私たちのものはつきることがなく、むしろ豊富にあり、むだになることもありません。パンと魚を増やす話が教えているのは、まさしくこのことなのです」
こういった現実を前にして、そして『少しもむだにならないように』という主の呼びかけを耳にする時、私たちは一体どんなしるしをもって、その福音を証ししていくのでしょう。
もちろん、一人ひとりのできることには限りがあるし、それだけですべてが変わるとは思いません。大きなシステムの問題でもあり、経済界における倫理観や政治における倫理観の問題でもあるからです。両方が不可欠です。個人レベルでの努力と、社会への働きかけです。宗教にできることは、まずもって社会に対してそういった倫理観が必要であることを説き続けることであろうと思いますし、一人ひとりのレベルでも小さいながらも『しるし』をもってあかしを続けていくことであろうと思います。
各地から参加してくださった方々に感謝。昔、盛岡で一年間通った白百合幼稚園の先生シスターにも再会できました。お元気そうで何よりです。
大阪の黙想会では、幸田司教がお話しされます。どうぞお出かけください。黙想会は、昼食をはさんで、午後の派遣のミサで終了です。
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