東京教会管区会議@山形
東京教会管区会議が、新潟教区内で開催されました。7月8日と9日の二日間、会場は山形市の隣のかみのやま温泉。一日目は遠く蔵王まで見渡せる晴天でしたが、二日目は近づく台風に梅雨前線が刺激され、福島から山形そして新潟までが大雨の日となってしまいました。台風の被害を受けられた沖縄地方の方々、そしてそれに伴う豪雨被害を受けられた新潟や山形、そして長野の皆様にお見舞い申し上げます。
東京教会管区とは日本に三つある教会管区の一つです。教会は司教を責任者とする一つの地方の教会共同体が『教区』と呼ばれますが、その教区はそれぞれが独立した単位であると同時に、管区大司教を中心とした『教会管区』という単位で教会行政上区分されています。管区大司教(メトロポリタン)は、そのしるしとして教皇から頂いたパリウムを典礼の時に着用することが許されています。日本では、東京、大阪、長崎の三大司教が管区大司教で、それぞれの地域の教会を管轄して『教会管区』と呼ばれています。東京教会管区は東京の大司教を管区大司教としていただき、横浜、さいたま、新潟、仙台、札幌、そして東京の6教区によって構成されます。
東京教会管区では一年に一度、それぞれの司教と、総代理や事務局長を一堂に集めて、情報交換や共通する課題に取り組むための会議を開催してきました。四年に一度開催される管区司祭大会を企画するのもこの会議です。
この数年、東京教会管区では必ずどこかの教区が空位となっています。昨年までは札幌が空位でしたが、現在はさいたまが空位。なかなか司教全員が揃いません。今回の会議には16名が参加し、新潟教区からは私と大瀧事務局長、そして山形地区長の本間神父が参加しました。話し合った内容は多岐に及び、最終日は時間切れで終わらざるを得ないほど、熱を帯びた話し合いになりました。最後に開催地である新潟教区の私が司式して、ミサをささげ、9日の昼過ぎに会議は終了。激しく降る雨の中を、新潟へ戻りました。
ところで会議の間、パソコンもタブレットも持って行かなかったのですが、いろんな事が起こりました。ブラジルが大敗したのもそうですが、もう一つは、私の母校でもある南山学園が、神奈川県の藤沢にある聖園学院(みそのがくいん)と法人合併の協議に入ったというニュースが、一般紙で報じられていました。南山学園のプレスリリースもあります。聖園学院とは、藤沢に幼稚園や聖園女学院中学・高校を擁する学校法人で、聖心の布教姉妹会が経営母体です。もちろん南山も聖園もカトリックのミッションスクールであります。名古屋と神奈川では何かかけ離れたイメージもありますし、かたや男子修道会である神言会が経営母体で、もう一方が女子修道会で、これまたかけ離れています。
この二つの学校法人には、実は大きな共通点があります。それは神言会員であり、初代新潟教区長であった、ヨゼフ・ライネルス師の存在です。ライネルス教区長は、1920年秋田において聖心の布教姉妹会を創立した人物です。単に当時の教区長であったと言うだけではなく、その創立に大きく関わりました。22年から名古屋知牧区長を兼任し、その後名古屋に移ったライネルス師は1932年に名古屋において南山中学を創立するのです。つまり、二つの学校法人は、ライネルス神父という人物で結ばれていることから、必ずしも全く異質の学校法人が一つになると言うことではありません。
とはいえ、この合併は、少子高齢化のなかで存続をかけ、単に経営面での存続だけではなく、カトリック学校としての存続を模索し努力を続ける多くの学校に、少なからぬ影響を与えることでしょう。
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