東日本大震災で亡くなられた方のために祈り、また一日も早い復興を祈願する日
まもなく3月11日で,東日本大震災が発生して4年となります。新潟教区では,本日3月8日の主日を、東日本大震災で亡くなられた方のために祈り、また一日も早い復興を祈願する日として、それぞれの教会や修道院のミサを,この意向で捧げて頂きました。
新潟教会では午後から,青年たちが中心になって祈りの集いが行われたはずです。私は秋田にいて不在でしたので,その集いのために書いたメッセージを掲載します。
東日本大震災発生から四年を迎えて祈る
カトリック新潟教区 司教
菊地功
あの大震災の日から四度目の3月11日が、まもなく巡ってきます。あの日以降、私たちは幾度にも渡って、すさまじい自然の力である津波の恐ろしさと、人類の英知の結晶であったはずの原子力発電所の夢が崩壊する様を、映像を通じて目の当たりにしました。
さらには、実際に被災地へ出かけていって、または報道を通じて、避難生活を続ける多くの方々の姿や声に触れ、被災地の現状を痛いほど感じてきました。
今年二月末の段階で、復興庁の統計によれば、いまだに22万9千人の方々が、避難生活を送り、普通の生活を取り戻すことが出来ずにいます。
残念ながら、様々な希望的観測とは裏腹に、原子力発電所の事故の収束は、予定通りに進んでいるとは言いがたく、福島のこれからにはまだまだ不透明な部分があります。
日本のカトリック教会は、被災地が主に仙台教区に集中していることから、発生直後から仙台教区本部にサポートセンターを設置し、仙台教区の平賀司教様を中心として、復興支援活動を行ってきました。全国の教区が、それぞれの力に応じて、出来る範囲での側面支援を続けています。被災地各地に設置されたボランティアベースは、現在では避難生活を続ける方々を中心に、それぞれの地域で生活する方々と歩みをともにする出会いの場を提供するようになってきています。日本のカトリック教会は、まだまだ被災地とともに歩み続ける決意です。
人間は時間がたつにつれて、記憶を勝手に整理し始めます。起こった出来事をすべて記憶しているわけにはいかないからです。いまの自分の生活の優先事項に合わせて、私たちは過去を取捨選択していくのです。大震災から時間が経過するにつれ、被災地での当事者でない私たち多くは、四年前のあの衝撃を徐々に忘れつつあるように思います。もちろんいつまでも悲しんでいる必要があるなどと言うことではありません。そうではなくて、被災地にあって、いまもなお希望ある未来を生み出そうとして戦っている多くの方々と、心の絆をもってつながり、歩みをともにする姿勢を意識しながら保つことは、大きなエネルギーを生み出すのです。希望は、多くの人の連帯の心からいただいたエネルギーで大きく育っていきます。
新潟教区からは、東京などのように組織的にボランティアを派遣するようなことはしていませんが、その出来る範囲で、連帯の心を持ち続けたいと思います。どうかこの祈りの集まりを通じて、新潟教区からの連帯と希望のパワーを被災地に送り届けることが出来ますように。一緒に祈り続けましょう。
私は今朝、秋田の聖体奉仕会で、会員と一緒にこの意向でミサを捧げ、祈りの時を共にしました。(写真は今朝のミサ)この数年間、3月の頭の頃には秋田でも山の上で雪の多い聖体奉仕会では、建物が雪に覆われていることが普通だったのですが,今年は全く雪がありません。新潟市内もそうですが、内陸部は以上の大雪なのと,それから全体的に早く(12月に)降雪が始まったのですが、沿岸部の新潟市や秋田市内では,例年よりも雪は少ないのではないかと感じます。
明日は聖園短大の卒業感謝ミサを秋田教会で10時から行い,新潟へ戻ります。
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