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2015年5月10日 (日)

震災のために祈る集まり@青山教会(新潟市)

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今日の日曜日、新潟教会の青年たちが中心となって、東日本大震災の犠牲者追悼と被災者のために祈るミサを計画してくれました。ミサの会場は、教区の青年担当でもある坂本神父が主任を務める新潟市内の青山教会。せっかくの企画なので、小教区の朝9時の主日ミサで小教区の方々と一緒に祈るミサとなりました。

青山教会の信徒だけではなく市内の他教会からも参加があり、青山の聖堂はいっぱいでした。ミサはわたしが司式と説教をし、坂本神父と共同司式。聖書朗読や共同祈願の先唱、オルガンの伴奏と侍者も、すべて青年たちが担当してくれました。

青年たちが手書きで作成した趣意書にも記されていましたが、どのような災害であっても紛争であっても、巻き込まれた被災者は、時間が経過するにつれ、自分たちが置き去りにされてしまうと言う感覚を覚えてしまいます。特に将来に関する明確な展望が開けていない場合、将来への不安と相まって、物理的に関わる人が少なくなる現実が、その不安を倍増させます。

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今年の四旬節灰の水曜日の「聖書と典礼」コラムにも書いたことですが、私たちは時間の経過と共に感情の高ぶりが収まると、災害などが発生した当初の高揚した感情がなくなり、被災地の多くの方々の存在へ思いをはせることが少なくなってしまいます。その間にも、自らの感情を高揚させる他の出来事が起こってしまうことが多いのと、同時に被災地に住む人と、必ずしも個人的な人間関係が構築されるわけでもないので、面識がない人たちとの関係を持続させることが難しいからです。そのため、わたしがカリタスの仕事でこの20年の間たびたび訪れた世界の災害や紛争の現場では、「忘れられてしまった」という絶望感にとらわれる多くの方が残されてしまうのです。

物理的に長期にわたって関わり続けることは難しいですし、個人的な関係と行ってもそんなに簡単に構築できるわけでもありません。そうではあるけれど、なんとか災害に遭われた方々や紛争に巻き込まれた方々に、私たちは忘れてはいないのだという意志を明確に示す行動をとることは大切なことであると思います。その意味で、今回の新潟の青年たちの企画に、意味があることですから、その取り組みに感謝いたします。

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カリタスジャパンは仙台教区を支えながら、仙台教区と、他の教区が運営するボランティアベースを通じた東日本大震災の被災者支援をこれからも続けていきます。国内の皆様からいただいた募金と、海外から寄せられている募金を計画的に活用し、長期間にわたる被災者支援を目に見える形で続けていきます。行政機関ではないので、ボランティア団体に出来ることは限られていますが、それぞれのベースが地域の実情に応じて、その地で必要とされていることを地道に拾い上げながら、長期にわたって歩みを共にする姿勢を明確にし続けたいと思います。

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今日はミサ後に、残ってくださった信徒の方向けに、現代世界憲章について30分ほどお話をさせていただきました。主任の坂本神父が、ただの話ではおもしろくないからと、信徒の方に司会をゆだね、質疑の形で行われたので、非常に新鮮にお話しさせていただくことが出来ました。(写真すぐ上)

なお、ネパールでの大地震が先般発生しましたが、これについても国際カリタスがすでに活動を始めています。現地のカリタスネパールと、米国カリタスやカリタスインドが初期活動を行いましたが、今後、カリタスオーストラリアを調整役として、長期にわたる復興支援を行う予定です。お祈りをお願いいたします。東日本大震災の時にはネパールからも支援をいただきました。そのお返しにも務めたいと思います。

火曜日の朝から、四年に一度の国際カリタス総会議がローマで始まります。カリタスジャパンからも代表が二名参加しますが、わたしはカリタスアジアの代表として参加します。今回の総会議では任期満了となるオスカーロドリゲス・マラディアガ枢機卿に代わる新しい総裁が選出される予定です。すでにメディアにリークされていますが、第1の候補者はマニラのタグレ枢機卿。カリタスアジアの昨年の総会で推薦することを決め、水面下で本人と交渉したり、多くの方と意見を交わしてきました。その結果、アジアだけではなく、アフリカや南米などからも票が見込めることから、タグレ枢機卿が選出されることは確実だと見込んでいます。選挙は14日の予定です。

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