カリタスアジア会議と平和祈願ミサ@バンコクと新潟
カリタスジャパンもその連盟の一員ですが、バチカンに本部を置く国際カリタスは世界に165のメンバー団体を擁しています。そして世界を7つの地域に分けて、それぞれに地域カリタスを構成しています。
アジアには現在23のメンバー団体が存在し、バンコクに事務局を置いてカリタスアジアを構成しています。すでにこの日記でも紹介しましたが、国際カリタスは去る5月にローマで総会を開き、全体の総裁にマニラの大司教、タグレ枢機卿を選出しています。また3月にはバンコクでカリタスアジアの総会が開催され、アジアの総裁に私が再選されています。任期は4年です。
それぞれの地域カリタスは構成メンバーから選出されたメンバーの代表と地域総裁によって地域委員会を構成して、フルタイムの地域コーディネーターと共に地域カリタスを運営しています。
現在のカリタスアジア地域委員会は5月の総会で選出された、マカオ、ミャンマー、パキスタンと今回から中央アジアとして加わることになったモンゴルの代表で構成されています。通常は3月と10月に地域委員会を行い、6月に地域総会を開催しています。
これから4年間の活動についての基本方針を話し合うために、この7月に臨時の地域委員会をバンコク市内のホテルで開催しました。二日間の会議は、モンゴル代表が急病で入院するというハプニングもありましたが、予定通りに話し合いが終了。これから4年間のカリタスアジアの全体的方向性が決まりました。
これまでと同様、カリタスアジアは各メンバーを支援する役割を中心としますが、なかでもまだ若いカリタスの組織作りを支援していきます。そしてこれまでも行っている、持続可能な農業、人身売買撲滅、地域共同体主体の防災といったプログラムを、メンバー団体と一緒に実施していきます。なかでも、先般教皇様が気候変動について積極的な取り組みを呼びかけられたこともあり、持続可能な農業プログラムは、気候変動への対応も含まれることから、今後4年間の最重要なプログラムです。
また国連の諸組織と連携して、持続可能な人間開発に関して政策提言をしてきましたが、今後それも強化していきます。そのためのセミナーも各地で実施していきます。
カリタスアジアのプログラムには、アジア以外のカリタスから資金的支援を頂いていますが、近年は特に韓国カリタスが積極的に資金支援を行っており、アジアの中からの支援と言うことで、経済的に今でも大きな力であるカリタスジャパンの支援への役割も期待されるところです。
会議には成田発火曜の全日空で出かけ、金曜の羽田便で戻りましたが、どちらも機内の寒いこと。帰り便で軽い風邪を引いてしまいました。鼻と喉の夏風邪はなんとも気分が優れません。
さて今日の日曜日は、新潟教区の平和祈願ミサでした。日本のカトリック教会の平和旬間は8月6日に始まり15日まで続きますが、新潟では毎年、7月の最後の日曜日にミサを捧げることにしています。
またミサの前に、様々な講演をお願いしてきました。今年は新潟市内の片桐和子・昭吾ご夫妻にご講演頂きました。70代後半のお二人は、退職後にインドの子どもたちの支援活動を始められ、『教育と環境の爽企画室」としてNGO活動を続けておられます。
インドのアンドラプラデシュで、主にストリートチュードレンのために宿舎と学校を設立して、その運営を地元のNGO「ニューホープ」と共に続けておられます。98年にお二人であるNGOのスタディーツアーに参加して初めて訪れたインドの子どもたちの現実に大きなショックを受けて、この活動を始められたと言うこと。現在はストリートチュードレンだけではなく、地元の人たちの教育にも役に立ち始めていると言います。
力強い体験のお話を聞かせて頂きました。凄まじく暑い日中の新潟でしたの、残念ながら20名ほどの方にしか参加して頂けませんでしたが、力の出るお話でした。
お話後3時半から聖堂で私が司式して平和祈願ミサを捧げました。こちらは30名を超える方が参加。このミサの説教は、ホームページに掲載しましたが、特に私としては、教会が主張している『平和』とはいったい何か、そして開発も環境保護も教会の言う「平和の活動」であることを強調したいと思います。
その視点から見ますと、確かに今般の安保法案で同盟国の戦争に参加できるようになることも大きな倫理的問題ですが、それ以上に、その前に決まってしまっていた、武器輸出三原則の大きな変更の方こそが、人の生命に関わる大きな倫理的問題をはらんでいると感じています。
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