聖母被昇天修道会でお話@大阪箕面
大阪箕面市にある聖母被昇天修道会でお話をするため、大阪へ行って参りました。日本には聖母被昇天修道会が二つあるんですね。一つは青森で青森明の星短大や中高の運営に関わる聖母被昇天修道会でこちらは略称がSASV。もう一つが、今回わたしが出かけていった大阪の箕面で聖母被昇天学院小中高の運営に関わる聖母被昇天修道会で、こちらの略称はRA。ちなみに聖母被昇天学院は、2017年度から校名を「アサンプション国際」に変更し、男女共学になるのだそうです。
今回は、その聖母被昇天修道会のアジアで働く会員の代表による集まりがあるので、その中でアジアの現実や、移民、難民などの現実を踏まえて、福音宣教について話をして欲しいとのリクエストを頂戴したからです。アジアでは、インド、フィリピン、タイ、ベトナム、日本で会員が活動をしており、その代表と、パリにある総本部の代表も来られて、会議参加者の総勢は12名。(上の写真が参加者)
残念ながら日本のこの修道会の方とは、これまであまり面識がなかったのです。今回は、以前から知り合いの、インド人のシスターが、何ともありがたいことに、わたしを講師の一人として推薦してくださったとのこと。上の写真でわたしの向かって右に座っているシスターRekha Chennattu。彼女は2010年に、インドで女性として初めて大神学院の教授に任命された聖書学者です。神言会も大神学院を設置しているインドのプネ(Pune)で教えておられます。難関である教皇庁立聖書研究所(Biblicum)で修士号を取得し、米国カトリック大学で博士号を取得した秀才シスター。あるときマニラで開催された研修会で一緒になって以来の再会です。
日本だけではなく、フィリピンを除けば、アジアではどの国でもキリスト教は少数派です.そんな中で、例えばインドのように改宗が非常に困難な国もあり、また日本のように宗教自体があまり興味を持たれない国もあります。その現実の直中で、現代の教会は主から与えられた福音宣教の使命をどう生きるのかは、難しい課題です。これまでも教会は第二バチカン公会議以降、様々な機会に、福音宣教とはどういうことなのかについて語ってきました。究極的には一人ひとりの信仰者が、自らの生きる姿、日々の言葉と行いを通じて、福音を「あかし」して生きていくことしか道はないと思います。いまはその「あかし」をどういう方法で行っていくことがふさわしいことであるのかを、考えるときでもあると思います。
教皇ベネディクト16世も「神は愛」の中で強調され、また教皇フランシスコも「福音のよろこび」の中で強調されていることですが、そしてそれはすでに第二バチカン公会議の「宣教教令」でも触れられていることですが、教会は常に世界に向けた愛の奉仕のわざに生きることを放棄してはならないのだと、これまでのカリタスジャパンなどとの関わりの中で実感しています。愛の奉仕のわざほど、力強い福音の生きたあかしはありません。そしてそれは相手に何も強制することなしに、ただただひたすらに、神の愛を「あかし」し続けるのです。そんなことを、これまで何度もお話しさせていただいている内容と合わせて、1時間半ほど話、その後さらに1時間ほど質問や対話の時間がありました。
今日は主の昇天を祝う日曜日でした。父のもとに帰られた主が最後に弟子たちに命じられたことを、わたしたちも心に刻み、福音を広く告げ知らせるわざに真摯に取り組みたいと思います。
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