今週は、火曜日と水曜日にタイのバンコクで、カリタスアジアの理事会にあたる地域委員会(Regional Commission)が開催されたので、出かけてきました。
カリタスアジアの地域委員会は、アジアに四つある地域の代表(現在はミャンマー、マカオ、モンゴル、パキスタン)と総裁であるわたしで構成され、今回の会議には、国際カリタスからアジア担当と、カリタスアジアの事務局長が参加しました。(上の写真は19日から開催された中央アジアの研修会参加者)
今回の会議はバンコク市内のビルにあるカリタスアジアの事務局で行い、火曜日朝9時のミサで開始。現在事務局には、フィリピン出身の事務局長と、5名のスタッフ(タイ出身2名、インドネシアとカンボジアからそれぞれ1名ずつ。そしてプロジェクト関連でドイツ人スタッフが一名)が常駐しています。現在はタイの司教協議会の協力で、その一部として運営しタイ国内では登録されていますが、現在、タイの法律に従って、NGO法人としての登記を目指して各方面との調整が続いています。今回の理事会ではそのあたりの対応と、会計や今後の活動計画について話し合いが行われました。
カリタスアジア自体は独立して活動する団体ではなく、アジア各地に24あるそれぞれの国のカリタスの調整と研修の提供、その他の地域のカリタスとの協調プロジェクトの調整にあたっていますが、近年、国際カリタスの方向性に合わせて、組織としての能力強化に関連する研修プログラムが多数組まれており、その企画実施が主な仕事になっています。アジアに24あるそれぞれの国のカリタスは、カリタスジャパンもその一つでですが、資金的にも規模的にも異なっており、それぞれがカリタスの名称を背負って責任を持って活動するためにも、組織能力の強化は不可欠になっています。(上の写真はカリタスアジア理事会)
今回は、この理事会直後の19日木曜から21日土曜まで、中央アジア地域のカリタスのためのワークショップも開催され、わたしは時間の都合もあったので、19日の部分にだけ顔を出してその晩の深夜便で帰国しました。
中央アジアにはカザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、モンゴルの5つのカリタスがあり、現在キルギスが国際カリタスのメンバーとなるための最終的な手続きを進めているところです。それぞれが教会自体が小さな国ですので、カリタスもまだできたばかりで、これからの能力向上と組織強化のために研修と、他のカリタスからの協力が欠かせません。
今回の研修には、モンゴルから司教さんが、そしてキルギスとタジキスタンからは教区管理者が参加してくださいました。
教会にとって愛の奉仕は付け加えではない、というのは、ベネディクト16世が「神は愛」の中で強調されたことです。「神は愛」にこうあります。
「教会の本質はその三つの務めによって表されます。すなわち、神の言葉を告げ知らせること(宣教とあかし)、秘跡を祝うこと(典礼)、そして愛の奉仕を行うこと(奉仕)です。これらの三つの務めは、それぞれが互いの前提となり、また互いに切り離すことのできないものです。教会にとって、愛のわざは、他の人に同じように任せることのできる福祉活動の一つではありません。それは教会の本質の一部をなし、また、欠くことのできない教会の本質の表現です。(「神は愛」25)」
多くの国で、教会に生きるすべての方々が、このベネディクト16世の言葉をかみしめ、困難に直面する人々に福音のあかしである愛の奉仕のわざの心をもって、手を指しのべる勇気を持つことが出来ますように。(上の写真は中央アジア研修会の様子)