SIGNIS Japan第43回日本カトリック映画賞@なかのZERO
「ぼけますから、よろしくお願いします。」というかなり衝撃的なタイトルの映画が、43回目となる日本カトリック映画賞を受賞することになり、その上映会と授賞式が、6月22日土曜日の午後に「なかのZERO」の大ホールで開催されました。
この映画賞を出しているのは、SIGNIS JAPANというカトリックの世界的な団体の日本支部で、東京教区の晴佐久神父が顧問司祭、そして私が顧問司教を務めています。その関係で、普段はあまり映画を見ないのですが、会場に出かけてきました。
SIGNIS JAPANのホームページには、自らの団体について次のような紹介が掲載されています。
「SIGNISは、バチカンの教皇庁広報評議会の下に活動する世界的団体で、80年を越える歴史があります。
本部はベルギーのブリュッセルにあり、ローマに技術サービスセンターを持つほか、全世界140ヶ国に支部があります。教皇ヨハネ・パウロ2世の強い思いで、 2001年に、OCIC(映画・視聴覚)とUNDA(ラジオ・テレビ)の2つの組織が統合され、新しく”SIGNIS”が誕生しました。
各国・地域により活動形態は様々ですが、映画、TV・ラジオ、インターネットなど様々なメディアを通して福音を宣べ伝えています。日本では、SIGNIS JAPAN (カトリックメディア協議会)として、聖職者、信者、求道者が連携して活動しています。全員がボランティアの小さな集まりですが、それを支えて下さる賛助会員の方と共に、私たちが出会った福音を多くの方に告げ知らせていきたいと思います。」
当日は、監督であり撮影をされた信友直子さんも来場され、上映後に授賞式、そして晴佐久神父と信友さんの対談が行われ、集まった千人近い皆さんは、最後まで楽しんで行かれたことと思います。私も、上映中はその映像と内容に魅了されて、目が離せなかったですし、はじまる前にお会いした信友監督も素晴らしい女性で、笑顔の中に生きることへの力強さを感じさせる方にお会いしたと感じました。
「ぼけますから、よろしくお願いします。」と言う映画は、信友監督が高齢となったご自分のご両親の日常を撮影されたドキュメンタリーで、主役はお父さんとお母さん。監督自身もその中で重要な役割を果たされます。90を遙かに超えたお父さんが、80代で認知症を発症されているお母さんと共に生きていく姿。その日常に、二人の長年の夫婦愛の絆と、それに基づく監督との親子愛の絆を目の当たりにして、感動しました。
同時に、いまの日本の現実である高齢者が高齢者を介護せざるを得ない、いわゆる「老老介護」の問題点とそれを克服するための課題について、いろいろなことを考えさせられる内容です。単に外側の制度を整えればすべてが解決するわけではなく、やはり人間の関係性が重要であることを感じさせる映画でした。
素晴らしい映画を選択してくださったことに、SIGNIS JAPANの皆さん、ありがとうございます。
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