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2019年11月28日 (木)

教皇様訪日が終わり、新しい一歩がはじまりました

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教皇フランシスコの訪日が無事終了しました。26日火曜日の昼頃に全日空(ANA)の特別機で、羽田を出発してローマに戻られた教皇様は、なんとその翌日水曜日午前中に、サンピエトロ広場で行われた一般謁見に出席し、日本とタイの司牧訪問についてお話をされていました。教皇様のタフさには、驚かされます。

今回の訪日にあたり、教会関係者のみなさんは言うに及ばず、行政や警察、さらには教皇様が立ち寄った施設の近隣のみなさん、交通規制でご迷惑をおかけしたみなさん、ロジを担ってくださった電通の方々に、心から感謝申し上げます。みなさま、本当にありがとうございました。

司教団としての今回の振り返りは、12月に入ってからの司教総会などで行われますので、司教団としての公式の謝辞は、その際に公開されるかと思います。(一番上の写真は、到着直後、教皇庁大使館で司教たちに講話する教皇様。山野内司教から剣玉をもらって笑顔に)

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教皇様の言葉には力がありました。教皇様は、もちろんカトリックの指導者として来日されていますが、同時に国家元首としても来日されています。従ってその発言は、両者を意識してなされていますが、当然、日本国内のみを意識した発言ではなく、また国家元首として他国の内政に干渉するものでもなく、日本という場から世界に向かって発言されました。とりわけ核廃絶のメッセージは、広島や長崎という世界的に意味を持つ二つの都市から世界の政治のリーダーに向けて発信されたものです。教皇の視点は常にグローバルに広がっており、その立ち位置から、教皇の日本での様々な発言を理解したいと思います。なんといっても、教皇は世界に広がる普遍教会(カトリック)の牧者ですから。(上の写真は、東京カテドラルに入られる教皇様。@CBCJ)

もちろんすでに繰り返し述べてきたように、教皇は一番弟子の後継者として、わたしたち日本のキリスト者に福音宣教に取り組む姿の模範を示されました。わたしたちは、教皇の様々な言葉の中に、今の日本で信仰を生きる者に向けられた信仰における示唆を読み取る努力を始めたいと思います。

ですから、教皇の訪日は終わりましたが、信仰に生きるものにとって、それは新たな一歩の始まりです。教皇が語られた様々な言葉に、わたしたちは信仰におけるいのちの息吹を感じ取り、わたしたち自身の信仰を燃え立たせる努力を始めたいと思います。そうしなければ、ただの素敵で興奮した良い思い出で終わってしまいます。

といいながら、わたしもこれから教皇様が語られてことを、もう一度テキストを読んでみなくてはなりません。教皇様のスピーチや説教の公式なテキストは、順次、中央協議会のサイトで公開されていく予定です。わたし自身は、当日のその場になるまで、どの説教もスピーチも内容を知りませんでした。最後の最後まで、原稿の秘密を守るようにバチカンからの厳しい指示があったそうです。事前には原稿は配られていないのです。それにドームミサの説教にいたっては、祭壇上からはスクリーンが見えないので、何を話されているのか全くわかりませんでしたし。

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(上の写真は、教皇様カテドラル入堂の際に、キスで祝福していただいた十字架を持つ、稲川総代理)

東京での行事には、わたしは当地の司教と言うことで、皇居以外はすべてご一緒させていただき、各会場ではエスコートもさせていただきました。圧巻は、パパモービルに同乗して、ドーム内を周回させていただいたことでした。わたしはお付きですから、ただ座って見ているしかないのですが、警備担当者が後ろからよく見ていて、無線で指示を出しては車を止め、幼児を教皇様の元へ連れてきては祝福をしてもらうことの繰り返し。そのたびごとのドーム内の熱狂は凄まじい力がありました。一番前の障害者の方々のところで教皇様は車を降り、一人ひとり順に祝福をされていました。教皇様ご自身は、時間と体力がゆるせば、すべての人と握手をしたいと思うような方です。

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またドームミサでは、歌うことがない教皇様のなんと代わりに、「信仰の神秘」と奉献分の最後の栄唱をラテン語で歌わせていただくというお役もいただき、さすがにあの大観衆の前で、緊張いたしました。(写真は、ドームにてパパモービルの前で教皇様を待っているところ)

以下、東京ドームでのミサの終わりに、わたしが教皇様に述べたお礼の言葉です。

フランシスコ教皇様、この度の来日に対し、日本の教会共同体を代表して、また当地、東京の司教として、心からの感謝を申し上げます。ありがとうございます。 

この度の教皇様来日にあたり、「すべてのいのちを守るため」を、司教団はテーマとして選びました。『ラウダート・シ』に記された「被造物とともにささげるキリスト者の祈り」にあるように、わたしたちは、世界を守り、それぞれのものの価値を見いだし、美と愛と平和の種をまくために働く道具となることが、今の日本にとって大切なことだと思いました。 

わたしたちの共通の家である地球は蹂躙され、うめき声をあげています。教皇様は、この嘆き声に耳を傾け、地球を保全し、未来の世代のためにその美しさを守るように、世界の人々に呼びかけておられます。 

今日の日本は、環境、経済、近隣諸国との共存の関係、大震災からの復興、そして原発事故の影響など、さまざまなレベルで人間のいのちにかかわる問題に直面しています。人間のいのちの尊厳を踏みにじるような事件も少なからず発生し、さまざまな要因から、孤独や孤立のうちに誰からも理解されず、助けを得ることもなく、いのちの危機に瀕している方も少なくありません。 

フランシスコ教皇様、この度の日本訪問で、教皇様は日本に住む多くの人々に、神のいやしと愛と希望を示してくださいました。 

わたしたちは、小さな共同体ですが、教皇様の励ましをいただき、アジアの兄弟姉妹と手を取り合い、歩みをともにしながら、神から与えられたいのちの尊厳を守り、いつくしみの神のいやしと、希望の福音を宣べ伝えていきます。 

教皇様、あなたの力強いことばと模範を通して、わたしたちを、すべてのいのちに仕える奉仕者になるようお導きくださり、感謝申し上げます。 

最後に、もう一度、教皇様、日本を訪れていただき、ありがとうございました。

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(写真は、教皇様のバンコクからの到着を待つ、麻生副総理ほか関係者)

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(写真は、教皇様帰国の準備中の全日空特別機)

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