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2021年5月21日 (金)

第16回通常シノドスへの道

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第16回目となるシノドスは、当初来年の10月開催の予定でしたが、感染症の状況を考慮して、2023年10月に開催となることが発表されています。(上の写真は、2017年4月にバチカンのシノドスホールで行われた国際会議にて。ここがシノドスの会場になります。)

今回のこのシノドスのテーマは、“For a synodal Church: communion, participation and mission"(『シノドス性ある教会のために:交わり、参加、ミッション』:バチカンニュース仮訳)と、昨年すでに発表されていました。

ご存じのようにシノドスとは世界代表司教会議のことで、中央協議会のホームページにこう記されています。

『「シノドス」とは、「ともに歩む」という意味のギリシア語で、一定時に会合する司教たちの集会のことです。教皇と司教たちとの関係を深め、信仰および倫理の擁護と向上、規律の遵守と強化のための助言をもって教皇を補佐するために開かれます。またそこでは、世界における教会の活動に関する諸問題を研究します。・・・シノドスは、提起された問題を討議し、教皇に意見を具申しますが、決定機関ではありません。会議に関する権限は、すべて教皇にあります。会議の招集、代議員の指名・任命、会議要綱の決定、会議の主宰、閉会、延期、解散などは教皇の権限によって行われます。』

今回のシノドスについて、事務局の責任者であるマリオ・グレック枢機卿から発表がありました。今回はまさしく、「ともに歩む」事を最重点課題として、教会全体の声に耳を傾けたい。その声は、司教たちだけの声でなく、司祭、信徒、修道者の声である。そのために、2023年10月の会議だけに終わるのではなく、シノドスのプロセスを、今年2021年10月から開始するというのです。

シノドス事務局といえば、教皇様は責任者である事務局長にマルタのゴゾ司教であったマリオ・グレック師を2019年に任命し、その後枢機卿にされています。そして今年2月には二人の次官を任命し、そのうちの一人が初めての女性次官(バチカンで初めて)であるシスター・ナタリー・ベカーです。フランスの司教協議会で、青年司牧と召命促進の担当者を務めていたシスター・ベカーは、「発見が沢山ある新たな冒険の入り口に立った気持ちです」とバチカンニュースのインタビューに答えておられました。(リンク先はYoutubeのEWTNのインタビューで英語ですが、シスター・ベカーの人となりを知ることが出来るビデオです

さて、そのシノドスのためにグレック枢機卿は世界中の司教宛てに書簡を送付し、その中で、教皇様が前回の通常シノドス(2018年に「若者、信仰そして召命の識別」をテーマに開催)で強調されていたシノドス的教会のあり方を、今回はなおいっそう重視し、実践に移したいと強調されています。

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シノドス的教会については、2018年10月の前回の通常シノドス閉会にあたり、教皇様がお告げの祈りで述べられたメッセージの言葉を思い起こしたいと思います。その中で、教皇様は、次のように言われます。(上の写真は、2017年4月のシノドスホールでの会議で、タクソン枢機卿と話す教皇様)

「それは「いやしと希望」のときであり、何よりも「傾聴」のときでした。傾聴するためには、時間、注意力、さらには心と気持ちを開け放つことが必要です。しかしその行程は、日々、いやしに変わっていきました」

互いの話に耳を傾け合うことの重要性です。その上で、

「傾聴というこの基本的な手だてを通して、わたしたちは現実を解釈し、現代のしるしを把握しようとしました。そして、みことばと聖霊の光のもとに、「共同体としての識別」が行われました。それは、主からカトリック教会に与えられたもっとも素晴らしいたまものの一つです。つまり、まったく異なる状況にある人々の発言や表情を集め、つねに福音の光のもとに、その現象の利点と複雑性を考慮に入れながら解釈しようとしたのです」

神の求める道はどこにあるのかを、識別するのです。それも一人でそうするのではなく、共同体としての識別です。そして、

「書面の文書を作成することを第一の目的としない「シノドス様式」です。書面の文書も貴重で有益なものですが、それ以上に、現状に即した司牧的選択をするために、老若男女が集まり、協力しながら傾聴と識別を行う方法を推進することが重要です」

「シノドス様式」と訳されている「シノダリティ」。実は先般発表した東京教区の宣教司牧の方針を定めるにあたっても、わたしとしてはその『シノドス様式』を多少なりとも尊重して、互いの意見に耳を傾けあい、共同体としての識別を重ねたいと思いました。コロナ禍もあり完全には実施できなかったものの、宣教司牧方針の策定には多くの意見をいただき感謝しています。

さてというわけで、今回の第16回通常シノドスです。グレック枢機卿は、今回のシノドスをまさしく『ともに歩む』道程とするために、まず2021年10月にその道程を開始すると発表されました。

2021年9月頃には、最初の課題集が公表されます。そして、10月9日と10日に教皇様はバチカンで、さらに世界中の各教区でも10月17日に、シノドスの始まりを祝うミサを捧げるようにと指示がされています。また、世界中の各教区には意見をとりまとめるための担当者かチームを任命して、教区全体から課題集に対しての意見を募るようにとの指示がありました。

その上で教区の回答を集約し、翌2022年4月までに、各司教協議会がとりまとめます。その世界各地のまとめをさらに集約して2022年9月には最初の文書がシノドス事務局によって作られます。さらに今度は、各大陸別の司教協議会連盟(アジアはFABC)で議論を深め、それに基づいて、2023年6月までに、シノドスの作業文書がシノドス事務局によって作成され、10月の会議となります。

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感染症の状況がどのように推移するのか、推測するのは難しいことですが、できる限り、神の民の一員として、この『ともに歩む』道程に、東京大司教区全体として加わることが出来るように、努めたいと考えています。(上の写真は、2017年4月の会議後、シノドスホール出口に向かうところで、皆に囲まれる教皇様)

シノドスはこれまで、事務局から文書が送られてきて、それに文書で司教団が回答し、それをもとにして委員会が作業文書を作成し、本番の会議が進められてきました。そのため、地域教会の現実を十分に反映していないと、さまざまな方面からシノドスのプロセスに懸念を表明する声がありました。今回の、教皇様の意向を取り入れた、時間をかけた事前の準備プロセスがうまく機能するならば、シノドスは変化するでしょうか。わたしたちもそれに加わりながら、シノドスプロセスを注視したいと思います。

 

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