ロザリオの祈り、そして新しい典礼日本語訳の実施
10月はロザリオの月です。10月2日の司教の日記に記した内容を、あらためて記しておきます。
教皇レオ13世によって、10月は聖母マリアにささげられた「ロザリオの月」と定められました。そもそも10月7日のロザリオの聖母の記念日は、1571年のレパントの海戦でのオスマン・トルコ軍に対する勝利が、ロザリオの祈りによってもたらされたとされていることに因んで定められています。歴史的背景が変わった現代社会にあっても、ロザリオは信仰を守り深めるための、ある意味、霊的な戦いの道具でもあります。
教皇パウロ六世が1969年に発表された使徒的勧告「レクレンス・メンシス・オクトーベル」は、冒頭で、「諸民族の心と精神の和解によって最後には真の平和が世界に輝くよう、幸いなるおとめマリアの助けを願うために、十月にロザリオを唱えることを強く勧めます」と記しています。
この困難な状況に立ち向かう今だからこそ、神の母であり、教会の母であり、そしてわたしたちの母である聖母マリアの取り次ぎによって、世界に、そしてわたしたちの心と体に、神の平和が取り戻されるよう、共にいてくださる主イエスと歩みをともにしながら、命の与え主である御父に祈り続けましょう。
感染症の状況の中で、オンラインでの祈りの時をともにする機会が増えました。これは今までにない新しい祈りの形です。もちろん聖堂に皆で集まることが一番大切ですし、それに勝るものはありません。特にミサに関しては、実際に聖堂で秘跡にあずかることとオンラインであずかることは同じではありません。(現時点では、特別な状況ですから、主日のミサにあずかる義務を、教区すべての方を対象に免除しています。オンラインのミサで、主日のミサにあずかる義務を果たすことは出来ないのですが、霊的な成長のため、また霊的聖体拝領の機会とするために、オンラインミサは活用していただければと思います)
しかしせっかく見出したオンラインを活用した学びや祈りの機会ですので、今後もフルに活用したいものだと思います。
ロザリオの月に一緒にロザリオを唱えるために、オンラインの祈りのひとときを作成し、教区のホームページで公開しています。また東京教区のyoutubeアカウントからもご覧いただけます。秋田の聖母を囲んで、いろいろな方に参加していただいて、それぞれの場からオンラインで、栄えの神秘の一環を唱えた模様を録画してあります。皆様のお祈りの助けとして、活用いただければと思います。
ところで、すでにお聞き及びだと思いますが、典礼の新しい翻訳が認可され、来年2022年の待降節、2022年11月27日から実施されることになりました。認可を受けるには長いプロセスがあったのですが、現時点ではミサの式次第と第一から第四までの奉献文の翻訳が認可されているに過ぎません。それ以外のいくつも箇所は、まだ認可をいただいていません。なお今回の認可には、これまで翻訳がなされていなかったミサの終わりの荘厳な祝福や、ミサの始めの回心の祈りのところで行われる灌水式の式文が含まれていますので、これは今後ミサの時に活用されることを期待しています。
大変面倒なことなのですが、しかしこのまますべてのが認可を受けるのを何年も待つこともふさわしくありません。というのも、現在のミサ典書は、2002年にラテン語規範版の第3版がバチカンから公表され、一日も早くその第3版に沿った典礼でミサを捧げるようにとされているからです。
そのため、祈願や叙唱などはこれまでのミサ典礼書に記されているものを併用して、来年から実施することになりました。今年からすぐではないのは、司祭も信徒も準備が必要だからです。司祭もこれから、何回か研修会を開催して、学んでいきます。
信徒の方にも一緒に学び備えていただくために、日本カトリック典礼委員会から『新しい『ミサの式次第と第一~第四奉献文』の変更箇所」という小冊子が用意され発売されています。一冊税別で260円です。
これまでの翻訳の経緯などが記されていますし、翻訳を変更した箇所についてはその理由が丁寧に解説されています。今後、小教区なでも学びの機会が準備されますので、どうか時間を掛けて学んでいただき、来年待降節の実施に備えてください。全体の翻訳が認可されて、新しいミサ典礼書(赤表紙のあの厚い本)が出来るまでには、まだまだ時間がかかるものと思います。歌ミサのための式次第のメロディーもどうなるかまだ未定です。皆様のご協力をお願いいたします。
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