週刊大司教第134回:年間第16主日A
年間第16主日です。暑い毎日が続いています。大雨の被害を受けられた多くの方々、特に新潟教区の秋田県の皆様には、心からお見舞い申し上げます。
教会は7月の第四日曜日を祖父母と高齢者のための世界祈願日と定めています。日本では来年から、9月の敬老の日の前日(敬老の日が必ず月曜日ですから、その前日の主日)にこの世界祈願日を移動することにして、すでに教皇庁の許可を得ています。カレンダーの印刷などの都合もあるため、実施は来年からとなります。この世界祈願日のために教皇様のメッセージが発表されています。こちらをご覧ください。
司教総会は予定通り終了しました。議決されたことについては、後日カトリック新聞などをご覧ください。司教たちのためにお祈りくださった皆様に、心から感謝申し上げます。
まもなくワールド・ユース・デーがリスボンで開催されます。それに先だって、事前の様々な行事のため、すでに日本を出発したグループもあるようですし、日本の司教協議会が主催するグループも、7月26日あたりから現地に向けて出発することになります。日本からは100名を遙かに超える青年たちが参加されます。司教団主催のグループも、帰国は8月10日頃です。暑い中の長旅です。健康が守られ、現地で良い祝福された出会いがあるように、ポルトガルのリスボンで開催されるワールド・ユース・デーのためにお祈りください。
以下、本日午後6時配信、週刊大司教第134回、年間第16主日メッセージ原稿です。
年間第16主日A
週刊大司教第134回
2023年7月23日マタイ福音は、創造主である神が、良い麦も後で蒔かれた毒麦も、共に育つことを容認するけれども、最終的には刈り入れの時に二つを峻別すると語るイエスのことばが記されていました。このたとえでの刈り入れの時とは、一般的に世の終わりの最後の審判の時であります。
わたしたちが生きているいまの世界は、まさしく神が創造された良い麦と、人間の欲望が生み出した悪い麦が、混じり合って共に育っているような状況です。暴力が支配し賜物であるいのちが危機に直面するような現実を目の当たりにするとき、神が悪の存在を容認しているのかと考えてしまいますが。福音は、それは刈り入れの時まで待っておられるのだとして、峻別できるそのときを待っておられるのだと記します。すなわち創造主である御父は、悪がこの世界を支配するような状況を容認しているわけではないことを心に留め、毒麦を凌駕するほどに良い麦が世界を支配するように、わたしたちはただ傍観するのではなく、良い麦をさらに広く蒔き続ける努力をしなければなりません。わたしたちに与えられている使命は、畑に入って毒麦を抜きととることではなく、良い麦をさらに広く蒔き続けることに他なりません。
教会は7月の第四日曜日を、祖父母と高齢者のための世界祈願日と定めています。日本では来年以降は、聖座の許可を受けて、敬老の日のある9月にこの祈願日を移行することを決めていますが、今年はまだ7月に行われます。
少子高齢化が多くの国で激しく進み、伝統的な家庭のあり方が崩壊する中で、かつては知恵に満ちた長老として社会の中に重要な立場を持っていた高齢者が、周辺部に追いやられ、忘れ去られていく状況が出現しました。高齢者にはそれまでに豊かに蓄えた知識を持って、次の世代につなげる大切な努めがあることを教皇は強調し、若い世代と高齢の世代の交わりを勧めておられます。
今年のメッセージで教皇は、今年の夏に開催されるワールド・ユースデーに近いことから、若い世代と高齢の世代の交わりに重要性を強調され、こう述べています。
「主は若者に、年を重ねた人たちとかかわることで彼らの記憶を大事に守りなさいとの呼びかけを受け入れるよう、そして高齢者のおかげで自分は大きな歴史の流れに属する恵みを与えられているということに気づくよう期待しておられます」
その上で教皇は、「即座ということばかりに、つまり直ちにがっぽり頂戴しよう、「すべてを今すぐに」ということばかりに神経を使う人は、神の働きが見えなくなってしまいます。それに対して神の愛の計画は、過去、現在、未来を貫き、各世代へと及んで、それらを結び合わせます。それはわたしたちを超越した計画ですが、そこにおいてはわたしたち一人ひとりが重要であり、何よりも自分を超えていくことが求められます」と述べて、互いの存在に目を向け、すべての人を福音宣教に招かれる主の呼びかけにともに耳を傾け、支え合いながら、ともに歩みを続けるようにと招いておられます。
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