先週末から今日にかけて:カノッサ修道会、そして国際カリタス
先週末の土曜日、11日の午後2時から、東京都世田谷区にあるカノッサ会の日本での本部修道院で、カノッサ会の創立者である聖マダレナ・カノッサの生誕250年を祝う感謝ミサを捧げました。カノッサ修道会のみなさん、おめでとうございます。
カノッサ会は東京ではこの本部修道院の隣接地で、マダレナ・カノッサ幼稚園を運営されていますが、国内で知られているのは福岡教区の大牟田市にある明光学園中学高校かと思います。日本での活動や修道会の歴史は修道会のホームページをご覧ください。
貧しい人のために尽くす人生に自らの使命を見いだした聖マダレナによって、1808年にイタリアで創立された修道女会です。スーダン出身で奴隷生活から脱してカノッサ修道女会の会員となった聖ジョゼッピーナ・バキタの存在もよく知られています。
わたしにとっては、司教になる以前に名古屋にいた当時、名古屋にカノッサ会の養成の家があり、しばしば青年たちの集まりなどで訪ねたことがありました。残念ながら、その後、この名古屋の養成の家は閉鎖となったそうです。
当日は、本部修道院の聖堂に入りきれないほどの人が、東京だけでなく、全国から集まり、感謝ミサに参加してくださいました。近くにある赤堤教会の信徒の方もおいでになり、主任司祭のガブリ神父様が共同司式してくださいました。
カノッサ修道女会のみなさん、おめでとうございます。
そしてその晩の便で羽田を発ち、翌日曜日の午前中にローマにやってきました。国際カリタスのいくつかの会議に出席するためです。
観光シーズンを迎えているローマでは、国際カリタスの本部があるトラステベレ地区あたりでホテルを見つけるのが至難の業になっており、今回は、参加者が30名ほどになることから、バチカンの裏手の丘を登っていったアウレリア通りにあるラサール会の総本部にある宿泊施設、Casa La Salleで、宿泊も会議も行うことになりました。
今回の会議は、いわゆる年に二回ある理事会です。理事会は、代表委員会(Representative council)とよばれ、アジア、アフリカ、ヨーロッパなどなど、全部で七つある地域の代表者とそれぞれの地域のカリタスの総裁が集まります。国際カリタスの会議は、英語、スペイン語、フランス語の三つが公用語ですので、今回の会議にも同時通訳の設備が必要です。幸いこのラサール会の施設には会議室に同時通訳用のブースがあり、後はマイクなどの設備を国際カリタスの本部事務局から持ち込みました。この代表委員会には、アジアの代表の一人として、カリタスジャパンの秘書である瀬戸神父様も参加されています。年次の活動報告や予算、そして2023年の総会で決められた活動計画に沿った様々な活動についての報告などが議題です。この代表委員会は、水曜日一日と、本日木曜日の午前中です。
本日木曜日の午前中は、シノドス事務局から次官のシスターナタリーにおいでいただき、シノドスについてのお話と、実際に参加者を5から6名のグループに分けて、霊における会話を実践しました。やはり実際にやってみなければわかりません。初めての人もいれば、すでに何回も実践した人もいます。
昨年10月にローマで行われた第一会期にも、様々な地域のカリタス関係者が見られました。第一会期の最終文書にも、貧しい人たちを主役として歩むシノドスの道の重要性が記されていますが、まさしくカリタスが世界各地の草の根で行っていることは、困難に直面する人たちに耳を傾けともに歩むことですから、カリタスはシノドスの歩みを実践してきたともいえます。
わたしはこの代表委員会に加えて、月曜、火曜、金曜と本日木曜の午後に行われた執行委員会(Executive Board)も出席です。というか総裁なので、その主宰です。事務局の全体を総括するのは事務局長で、彼は一年前の総会で、わたしと共に選挙で選ばれています。そして全体の会計も、選挙で選ばれました。選挙で選ばれた三名のうち、総裁と会計はこの委員会のメンバーです。この二人に、副総裁と法務委員会の委員長が加わり、さらに聖座が任命した二人と代表委員会が選出した一名で、執行委員会は構成されており、連盟全体を総括する役割(ガバナンス)を担っていて、事務局長は執行委員会に報告義務があります。その会議自体は、木曜日の午後でした。(下の写真は、理事会一日目の締めくくりにサンピエトロ大聖堂に移動し、向かって左側にある聖歌隊聖堂で捧げたミサ。司式する私の向かって左はトンガのマフィ枢機卿。右隣は引退されたばかりのジブチのベルティン司教。左端は瀬戸神父)
月曜と火曜と金曜に何をしているかというと、国際カリタスの事務局に新しい三名を雇用するためのインタビューを行っています。事務局の総務を担当するCOOと、アドボカシーやプログラムを総括する総合的人間開発担当者、そして広報やキャンペーンの担当者。雇用を仲介する会社に入ってもらい、何百人もの候補者から、それぞれ3名まで絞ってもらいました。その途中では、わたし自身もこの会社からオンラインで聞き取りをされましたし、最後の三名に絞るための面談も、執行委員会の数名がオンラインで行いました。
その最終面談をこの一週間のうちに行い、来週には雇用する方を決定して、9月くらいから新しい体制で事務局を運営できるようにする計画です。
というわけで、土曜まで海外に出ていますので、書き始めたアドリミナの振り返りは、まだ一日目が終わっただけですが、続きは来週までお待ちください。
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