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2024年10月 5日 (土)

シノドス第二会期、第一週が終わりました

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現在バチカンで行われているシノドスの第二会期。その最初の週が、本日土曜日のお昼過ぎに終わりました。少なくとも今日の午後はお休みになりました。(上の写真は、シノドス会場に来られた教皇様に挨拶をしているところです)

さて一番下に貼り付けた「週刊大司教」の号外ビデオでも説明していますが、事前の二日間の黙想会が終わり、10月2日の水曜日の開会ミサでシノドスは開幕しました。開会ミサは聖ペトロ広場で教皇様の司式で行われ、入祭の時には、昨年同様、シノドス参加者全員が広場の真ん中を行列して前に進み、聖ペトロ大聖堂前にもうけられた祭壇のすぐ横に座りました。

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雨が心配されていましたが、ちょうど良い具合に曇りとなり、野外ミサのためには暑くもないちょうど良い天候となりました。なお奉納以降は、オロリッシュ枢機卿様が祭壇前に立たれました。

このミサの説教の中で、教皇様は、「世界に目を向けながら、人類に奉仕し、福音の喜びを伝える、キリスト教共同体の務めを強調。特に戦争の風が吹き、暴力の火が人々や国々を愕然とさせている、この歴史の激動の時、その務めはまたとなく必要とされている、と話された。こうした中、教皇は、平和を祈るため、10月6日(日)に、ローマの聖マリア大聖堂でロザリオの祈りをとり行うことを発表。シノドスの関係者にも参加を願われた。教皇は、同時に7日(月)を世界平和のための祈りと断食の日とし、皆に参加を呼びかけら」られました。引用はバチカン放送の日本語ホームページからです。

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実はミサの最中には同時通訳があるわけでもなく、事前に原稿も配布はされず、加えてミサの後にも、シノドス関係の原稿はすべてシノドス参加者専用のクラウドにアップされるのですが、教皇様のお話の原稿はすべてバチカンの公式サイトでしか公開されないため、現場にいるわたしも、少しは理解できるようになってきたイタリア語ですが、完全にはよくわからず、教皇様が何か行事を発表された模様だなあとはわかりましたが、後刻、バチカン放送の日本語サイトを見るまで、具体的には知りませんでした。日本にいる方の方が、現場にいるわたしよりも早く、SNSなどでこの情報を分かち合っておられました。

前回もつくづく感じましたが、基本的にすべてはイタリア語ですので、シノドス参加者の大多数は英語話者ですが、なにが起こっているのか推測するしかない場面がしばしばあります。参加者は368名と発表されています。霊における会話のための10名から11名ほどの参加者が座るテーブルは36ある模様です。そのうち英語のテーブルが16、フランス語が6、スペイン語が5、イタリア語が8、ポルトガル語が1となり、会場内での全体に向けての発言には同時通訳がつきます。しかしスクリーンで全体に示される資料は、基本、イタリア語です。コミュニケーションが簡単ではないと感じさせられます。

開会前夜に聖ペトロ大聖堂で行われれた回心の典礼も、イタリア語が中心ですので、スマホを持参してイヤホーンでバチカン放送アプリを聴くようにと言われましたが、なんと聖ペトロ大聖堂内の電波状況があまりに弱く、わたしのスマホでは通訳を聞くことはできませんでした。この日の模様は、バチカン放送のこちらで報じられています。わたしも終わってからこの記事を読んで、中身を理解しました。(下の写真は、回心の典礼の始まる前です。聖ペトロ大聖堂内は聖年のために改装工事中で、正面にある主祭壇も工事中です)

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(下の写真は最初に参加した霊における会話のワーキンググループ)

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さて、朝の開会ミサに引き続いて行われた最初のセッションには、教皇様もおいでになり、挨拶をされました。この要約はバチカン放送のホームページにあります。その中で教皇様は、シノドスの歩みはすべての人が与えられたカリスマを生かしながら共同責任のうちに友に識別をすることだと強調されながらも、「それは「今度はわれわれの番だ」と叫びながら、各々が他の立場に取って代わろうとすることを意味するものではない、と指摘。皆が異なる役務やカリスマを活かしながら、シンフォニックな一体性をもって、神のいつくしみのために共に奉仕することが求められている」と強調されました。

何度も繰り返していることですが、このシノドスの一番の目的は、組織改革や新しい教えや制度を制定することではありません。実際に様々な課題が第一会期で取り上げられ、それは検討しなくてはならない課題だと教皇様が判断されて、この2月に10の検討部会を設置されました。その部会の検討は続いており、来年の6月までに結論が出ることになっています。今回の最初のセッションで、それらの部会の中間報告がありました。(下の写真は、最初に参加した霊における会話のワーキングループのメンバーと)

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それではそういった具体的な課題を話し合わないで、何をしているのかというと、シノドス的な教会が宣教する教会であるためには何が必要なのかを識別しようとしています。それがどうして必要なのかというと、究極的には教会の体質改革、すなわち教会がシノドス的な教会であり続けることを目的としているのですが、そのための土台を築き上げる道を探っています。しっかりとしたシノドス性の土台がないままで改革をしようとしても、それはこの世的な、または人間的な組織改革に終わってしまい、聖霊の導きによるものではなくなってしまうが故に、まず土台をしっかりと作り上げる必要があるというのが、参加メンバーの多数の共通理解です。多数のと書くのは、土台ができる前に、その上にある構築物に手を出して先んじている教会が存在するからで、そうなると必ずしも今目指している聖霊に導かれた神の民としてのシノドス的教会とは離れた存在になることが危惧されているからです。先んじている教会を褒めそやす向きもあるようですが、それは現在行われているシノドスの共通理解とは少し離れていると思われます。

話し合いの基礎となる討議要項には、基本的に教会が宣教するシノドス的教会であるために何が不可欠で何が足りないのかが記されています。

そこで今回の会期では、その討議要項の各項目、すなわち「基礎的理解」、「関係」、「道筋」、「場」のそれぞれのついて、以下のような方法でグループに分かれて識別を進め、最後にもう一つ全体を振り返って最終文書をまとめるためのグループでの作業が行われます。つまり5回のグループワークです。(下の写真は、教皇様とアジアからの参加者)

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このグループワークは、先ほどの36の言語別のテーブルで、訓練された司会者の元で進められます。前回と違い今回は、取り扱っている討議要項のセクションに関し重要であり賛成する点を分かち合い、次に議論を深める必要がある点を分かち合います。この二つのラウンドを第一ラウンドとします。その上第二ラウンドで互いの分かち合いから感じ取ったことを分かち合い、それを書記担当者がレポートにまとめます。

その上で、各テーブルの報告者が一堂に会し、いくつかのテーブルに分かれて、それぞれのテーブルで分かち合われたことについて、霊における会話をします。その結果をさらにその報告者のテーブルの代表が集まり、事務局長などと話し合って、全体のポイントをいくつかの課題としてまとめます。(下の写真は、アジアからの参加者の一部と一緒に)

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今回は、その課題が7つになりました。翌朝配布されたそのまとめの課題について、今度は全体会で投票を行い、優先順位を決めていきます。この優先順位に従って全体会が行われ、一つの課題について20名ほどまでですが、自由な発言が行われます。今回の第一回目の全体会は、西村桃子さんが司会者でした。

さてその上で、最終日に全体会でのみなの発言を心に留めながら、それぞれのテーブルで、2ページの報告書をまとめます。その報告書に基づいて、神学者専門家チームがまとめを作り上げます。

現場にいる私たちも理解するのに手こずった複雑なプロセスですが、このプロセスで都合二日半を費やしました。来週以降も同じことを、「関係」、「道筋」、「場」について、それぞれ行っていきます。(下の写真は、シノドス事務局の次官補シスター・ナタリーと)

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どのような結果が出てくるのか、先ほど昼食の時に同じテーブルになった専門家チームの女性の神学者と話しましたが、神学者たちも、各テーブルから出てくる36の報告書を見るまでは、一体どんな最終文書になるか想像もつかないと言われてました。そうでしょう。

ということで、一週間が終わりました。明日の日曜日は、午前中にローマにいる日本人のカトリックの方々のミサを司式する予定です。

 

 

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