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2024年10月20日 (日)

シノドス第二会期:第三週が終わりました

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シノドスの第二会期が10月2日に始まって、今日、10月19日土曜日は、初めて何も予定がない休日となりました。これまでも土曜日は昼過ぎまでで、日曜は休みでしたが、すべてそこにも行事が入っていましたし、枢機卿任命が発表されてからは、ありがたいことに各社のインタビュー依頼が相次ぎ、昼の休憩時間や夜の会議後に入れてきたので、ほとんど毎日、朝8時過ぎに宿舎を出て、戻ってくるのは夜10時のような生活が続いていました。ですから今日は大変ありがたい休日です。

と言うわけで、今日の休日は23番のバスに乗って城壁外の聖パウロ大聖堂へ巡礼に。今日は雨模様で肌寒い、ローマの秋らしい日でした。

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聖年に備えて聖パウロ大聖堂周辺も整備工事が続いています。ローマ市内といい、この聖パウロ大聖堂といい、間に合うんでしょうか。あと二ヶ月で聖年が始まります。イタリアなので最後はどうにかなるのかもしれません。聖パウロ聖堂内では偶然にも、同じくシノドスに参加しているフィリピンのマイロ司教様と遭遇しました。(上の写真)

今朝は、女性のシノドス参加者と、信徒のシノドス参加者が、教皇様との謁見があったと伺いました。日本の西村さんやシスター弘田も行かれたことだと思います。

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昨晩、金曜日の夜、イエズス会本部にあるアルペ・ホールをお借りして、シノドスに参加しているアジア関係者の集いを企画し行いました。報道関係の方々も入れれば、アジア関係者は50名を超えています。さすがにこの人数でどこかのレストランというわけにもいきませんから、イエズス会のみなさんの配慮で、アルペ・ホールをお借りすることができました。アジアの教会にとっても、日本で働かれ、広島の原爆の悲劇も体験されているアルペ神父様の名前のついた場所で集まったことは、象徴的な意味があったと思います。

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集まりには、聖職者省長官のラザロ・ユ枢機卿、福音宣教省長官のタグレ枢機卿もおいでくださり、さらに二人の中国本土の司教も参加してくれました。西村さんを中心に何名かが動いてくださり、ローマ市内で飲食店を営むフィリピン人の方々に、素晴らしいプロの夕食を準備していただくこともできました。ありがたいことに、この集いでは、わたしとフィリピンのパブロ・ダビド司教様の二人の枢機卿任命をお祝いしていただきました。またフィリピンの神学者であるリコ神父様が今年で30年間、シノドスの運営の事務局に関わってこられたことにも、皆でお祝いしました。同時に、最初に皆で丸く座り、それぞれがシノドスの霊における会話のように、少しづつ自分のことを紹介する時間も持ち、親交を深めるひとときになったと思います。

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さてシノドスの第三週です。月曜日は午前中に討議要項の第二部の「道筋」に関連した自由発言が続きました。その後、午後のセッションは、前週から続いた自由発言なども念頭に、各テーブルでのレポートのまとめが行われました。すべてのテーブルからのレポートは最終文書に何らかの形で反映されることが期待されています。(上の写真は、シノドス会場入口でティモシー・ラドクリフ神父様と)

15日の火曜日は、朝から討議要項の第三部、「場」についての小グループでの霊における会話が始まりました。シノドス的な教会は様々な関係のうちにあり、それをどのように生かしていくのかについて、これまで分かち合いを続けてきましたが、第三部では具体的にそれを実現する場について分かち合うことになります。そしてその場における、シノドス的な教会の実現を阻む要素は何かについても、具体的に話すことになります。この日のそれぞれのテーブルでの話し合いの結果を代表報告者が持ち寄り、言語別のいくつかのテーブルで代表者による霊における会話を行い、さらにその結果を持ち寄っていくつかのテーマに分類し、翌朝までに参加者に、各言語別にそのいくつかのテーマがメールで送付されてきます。

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16日の水曜日は、そのまとめられたテーマについて優先順位を投票で決め、それに基づいての総会での自由な発言が始まります。この日は午後4時からサンピエトロ大聖堂でスペイン語のミサ。ミサの後は、夕方の6時から7時45分まで、二回目の神学フォーラムが行われました。

17日の木曜日は午前中も午後も、自由発言の行われる総会です。わたしその合間、午前と午後のセッションの間の休憩時間である午後1時から午後4時の間、トラステベレまで歩き、国際カリタスの事務局が一週間の会議をしている会場(もと女子修道院)で、新しく聖座から任命された国際カリタスのEcclesiastical Assistant(規約で定められている、聖座などとの関係や霊的な問題について助言する立場の役職)であるイエズス会のジーヴァン神父様を迎え、これまで臨時で務めてくださったマニュエル神父様に感謝するためのミサを司式してきました。交通渋滞の続くローマ市内ですから、バスやタクシーよりも歩いた方が早い。バチカンからトラステベレまでおおよそ30分くらいです。

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そして18日の金曜日は、午前中の小グループでのセッションで、第三部についてのそれぞれのテーブルのレポートをまとめ、事務局に提出。前回同様に最終文書に取り入れられることが期待されます。(写真上が、第二週と第三週を一緒に過ごした小テーブルのワーキンググループ)

第三部の話し合いの中では、司教協議会という組織の存在について、様々な意見が出ました。自由な発言でも多くのポイントが指摘されました。それぞれの司教の権威と司教協議会の関係性とか、司教協議会自体の神学的な裏付けとか、教会法上の立場を強めるべきかどうかとか、様々な意見が出てきましたので、最終文書では何らかの見直しの提案があることと思います。さらにはシノドスの歩みはこの会期で終わりなのではなく、これからが始まりだという点は多くの方が指摘しており、そのために司教協議会の責任は大きいので、今後それぞれの司教協議会にシノドス性の実現に取り組んだり、それぞれの地方教会での取り組みを評価するための常設部門の設置の必要性が、幾たびも指摘されました。これも最終文書に取り入れらることが期待されます。それ以外では、移住者が増加している世界の現実を前にして、これまでの「小教区」の概念は変化するべきだという指摘や、地理的な分割にはもう意味がないという指摘も多くありました。さらにはデジタルメディアをさらに活用するべきだという指摘や、バチカン省庁と地方教会の関係性のさらなる見直しなどの指摘も多くありました。

下の写真は、教皇様から直接、特別製教皇様の紋章入りのマテ茶道具を頂いた西村桃子さんです。

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金曜日の夕方のセッションは、教皇様が設置された10の課題に取り組む研究部会と、アフリカの司教協議会連盟が設置した一夫多妻制に関する研究部会のそれぞれとの対話の集いが行われ、参加者はそれぞれの問題意識に従って分かれて参加となりました。

と言うように、シノドス第三週は終わりました。後は最後の一週間です。最終文書の起草委員会が忙しくなる週です。最後の最後、第四週の土曜日に、最終文書案を段落ごとに採決して、シノドスの第二会期が終わりとなります。あと一週間です。みなさまのお祈りをお願いいたします。

 

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