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2026年1月10日 (土)

2026年臨時の枢機卿会@バチカン

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この1月7日と8日、バチカンにおいて臨時の枢機卿会(Extraordinary Consistory)が教皇レオ14世によって招集され、世界中から多くの枢機卿がローマに集まりました。

現在枢機卿は、80歳未満の教皇選挙投票権を持っている枢機卿が122名、80歳を超えているなど投票権を持っていない枢機卿が123名います。総勢245名となりますが、今回の枢機卿会には170名ほどが参加しました。中には非常に高齢で、しかしながら教皇様から委任された役目を果たそうと車椅子で参加された枢機卿様方もおられました。日本からは、前田枢機卿様とわたしが参加させていただきました。

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枢機卿会自体は、新しい聖人の認定などのために定期的に開催されていますが、これには基本的にローマに住んでいる枢機卿たちが参加しています。

それ以外に、新しい枢機卿が任命されるとその叙任式のために枢機卿会が開催され、これにはすべての枢機卿が招集されます。

これらとは別に、様々な課題について教皇様に意見を具申したりするために招集されるのが臨時の枢機卿会です。ベネディクト16世の頃までは、定期的に招集されていたと聞いていますが、教皇フランシスコは臨時の枢機卿会を招集されませんでした。

教皇フランシスコが帰天された直後、教皇選挙前に開催された枢機卿の総会では、新しく任命された枢機卿達がお互いを知らないことが指摘され、是非とも新しい教皇には一年に一度程度には臨時の枢機卿会を招集してほしいという意見が相次いで表明されていました。

そこで、教皇レオ14世は、聖年の扉が閉じられ、教皇フランシスコが定めていたすべての日程が終わった時を見計らって、このたびの臨時の枢機卿会招集となりました。

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枢機卿達に国務省から臨時の枢機卿会開催の通知が来たのが11月初めでした。参加するためには、往復の旅もローマでの宿も、すべて自分で準備する必要があります。バチカンからの支援はありません。今回は幸いにも、サンピエトロ広場に繋がる通りのそばにあるバチカンの宿舎の予約が取れ(多くの枢機卿が宿泊されてました)、往復の旅もターキッシュで確保できました。1月ですから、ヨーロッパ、特にドイツあたりは雪になって欠航が出ることがあり、それを避けるためにイスタンブール経由としましたが、予約の関係で帰途にはイスタンブールで9時間の乗り継ぎ待ちとなり、いまこのブログを、イスタンブールの空港の中で書いています。

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さて、枢機卿会開催の数日前に、国務省を通じてすべての枢機卿に教皇様からの手紙が届き、その中には、これからの教会が進むべき優先課題を明確にしたいので、四つの課題について意見を聞きたいと記されていました。

一つ目は、教皇フランシスコの「福音の喜び」をもう一度読み直して、それを宣教にどう生かしていくことができるのか。

二つ目は、教皇フランシスコの時代に定められた教皇庁改革に伴う諸改革について記した「ローマ教皇庁ならびに 世にある教会に対するその職務についての 使徒憲章『プレディカテ・エバンジェリウム(福音をのべ伝えなさい)』」について。その実施状況などをどう見ているのか。

三つ目は、シノドス性についてのシノドスに関して、その実りをどう生かしていくべきなのか。

四つ目が、様々な伝統を包括した典礼の今後についてどのように考えるのか。

これらの四つが掲げられていました。しかしたった二日で、大勢の枢機卿を集めてどうやってこの四つを扱うのだろうといぶかしく思っておりました。そうしたら、素晴らしい展開が待っていました。

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二日間で三回の霊における会話を行うプログラムとなっていたのです。一日目は午後からでしたので、ティモシー・ラドクリフ枢機卿の講話の後、わたしも参加したシノドスで懐かしいパウロ六世ホールに設置された丸テーブルに移動し、そこで八から九名の枢機卿が、霊における会話をすることになっていました。一回目では、四つの課題の中から優先順位をつけて二つを選択すること。二回目と三回目は、選択された二つの課題について、さらに深めることとなっていました。同時にすべての枢機卿は、教皇様に直接メールで意見書を送付することもできるとされています。

会場で渡された資料の一番上に、資料とは別の書簡があり、二日間、英語グループの一つでファシリテーターをするようにと命じられました。さいわいなことに、わたしがファシリテーターを務めることになったグループ9名は、すべて以前から存じ上げている枢機卿様達でしたし、このグループの書記に任ぜられていたのが、これまた旧知のスーピッチ枢機卿(シカゴ)でしたし、さらにシノドス経験者も多く、みなさんがよく理解されていて、3分や2分の発言時間を基本的には守ってくださったので、ファシリテーターの苦労は半減でした。

枢機卿達は言語別と共に、教皇庁などで働く枢機卿のグループと、教区司教を務める枢機卿のグループに分かれ、後者の教区司教を務める枢機卿のグループが9ありました。教皇様は、ローマにいる枢機卿の意見はいつでも聞けるので、今回は特にこの教区司教を務める枢機卿グループの声を聞きたいと言われ、霊における会話の後の発表も、基本的にはこの9グループの書記が行いました。

教皇様は、枢機卿会の冒頭で、みなさんの声を聞くために来ましたと言われましたが、最初から最後まで、よく耳を傾けてくださったと思います。結局、最初の霊における会話で選択されたのは、シノドスについてと福音の喜びについての、二つの課題でした。

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一日目は午後3時頃から7時まででしたが、二日目は、まだくらい朝の7時半からサンピエトロで教皇ミサ。その後会場で皆で朝食。9時15分から祈りと、グレック枢機卿のシノドスについての導入、そしてシノドスについての霊における会話となりました。

この日の昼食は教皇様が提供され、パウロ六世ホールのロビーに配されたテーブルについて全員で一緒に。さらにその後3時過ぎから、福音の喜びについてフェルナンデス枢機卿の導入後に、霊における会話。最後は、改めて二回のシノドスホールに集まり、教皇様のコメントの後、全員でテ・デウムを歌って、枢機卿会は終わりとなりました。

シノドス性について語り合った先のシノドスに参加し、現在もシノドス特別チームとして日本での実施に取り組んでいる者としては、今回教皇様が、教会にとっての司牧の優先改題を見定めるために霊における会話を採用されたことに、大きな励ましを頂きました。またシノドスの具体化についての異なる地域での取り組みや課題について聞くことができたのも、貴重な体験でした。教皇様の、耳を傾ける姿勢にも、学ぶところが多くあったと思います。

教皇様は、今年中にまた枢機卿会を開催し全員を招集する意向です。また毎年同じような枢機卿会を開催される意向も示されています。第二バチカン公会議以降、神の民としてともに歩んでいる教会が、さらにその姿勢を確立していく道が開かれているように感じた枢機卿会でした。

 

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