週刊大司教第256回:主の昇天の主日A
主の昇天の主日です。
この一週間は、バンコクで、アジア司教協議会連盟(FABC)の信徒家庭部局(OLF)が主催して、アジアの現実の中で家庭に対する使徒職を考察するシノドス流の集いが行われました。
この10月に教皇様は「愛のよろこび(Amoris Laetitia)」の10周年を記念した会議を開催することを発表されていますが、今回の集いもこの文書の精神が宣教の現場でどう生かされているかについて、講演と参加者による霊における会話が行われました。
アジア各地から大勢が参加されましたが、日本からは青年司牧を担当しているアンドレア・レンボ司教様が代表として参加。日本の現状について発表されました。
またこの信徒家庭部局の秘書は西村桃子さんが務めており、当然西村さんも参加して初日の司会を務め、さらにわたしもFABC事務局長として開会のミサを捧げるために、三日間だけ出かけてきました。
またわたしが会長を務めるカトリック美術協会の恒例の「カトリック美術展」は、今年第70回を迎え、5月15日(金)から20日(水)まで、有楽町マリオン11階、朝日ギャラリーで開催されています。
初日のオープン時に会場を訪ね、出品作品を鑑賞させていただきました。また当日来られていた出品メンバーの方々からは、作品の解説を頂きました。美術に何らかの形で携わっておられる皆さんには、是非、カトリック美術協会のことも心にかけていただけると幸いです。
以下、本日午後6時配信、週刊大司教第256回、主の昇天の主日のメッセージ原稿です。
主の昇天A
週刊大司教第256回
2026年5月17日「あなた方は行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい」と、福音宣教へ旅立つように弟子たちに命じる復活されたイエスの言葉を、マタイ福音は記しています。その言葉とともに、復活された主は昇天されたと、使徒言行録は記しています。
イエスは、「彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなた方に命じておいたことをすべて守るように教え」ることが、「すべての民をわたしの弟子に」することなのだと明示されています。
主の受難と死と復活に与り、新しいいのちへと招かれたわたしたちには、福音を告げ知らせる使命が与えられています。イエスをキリストと信じ、その弟子として従う一人ひとりには、福音宣教の使命が与えられています。わたしたちの責任です。
しかし同時にその責任はわたしひとりに課せられる重荷ではなく、キリストのからだである教会に与えられている使命です。なぜならば、福音とは喜びの便りであって、苦しみの重荷ではないからに他なりません。
そしてわたしたちは、ひとりで喜ぶことはできません。喜びはかかわりの中から生まれます。だからこそ、復活されたイエスが弟子に約束された「わたしは世の終わりまで、いつもあなた方と共にいる」という約束の言葉が思い意味を持つのです。わたしたちはともに歩んでくださる主とのかかわりがあるからこそ、喜びを心に抱きます。そして主御自身が弟子たちとともに歩まれたように、現代のわたしたちは主がともに歩まれる教会共同体の中のかかわりによって、心に喜びを抱きます。いのちを生きる希望を抱きます。そしてその喜びと希望を、教会は共同体の存在を通じて、この世界のただ中で、証ししていきたいのです。その歩みには、主イエスがいつもともにおられます。まさしく教会がシノドス的であろうとすることの意味はそこにあります。
シノドスの最終文書「シノドス流の教会」には、神の民が福音を告げ知らせる喜びの共同体となるために、「教会のシノドス流のスタイルを身につける養成が、洗礼によって授かったたまものは、すべての人のために実らせるべき才能であるという自覚を促す」信仰の継続的な養成が不可欠だと指摘しています。
その上で同文書は、「それぞれの人の人生には、主とのかかわりや教会の交わりへと導かれるきっかけとなった、さまざまな・・・出会いがあります。・・・宣教する主の弟子となることは、一度で達成される目標ではありません。それは、絶えざる回心と、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで愛を成長させること、そして、信仰の喜びのあかしのために聖霊のたまものへと開かれていること」が必要だと指摘しています。
宣教へと派遣されたわたしたちは、話のテクニックを深めたり、神学的知識を豊かに蓄えたりしなければ、その使命を果たすことができないのだと考えてはなりません。そうではなくて、神の民としてのわたしたちの教会共同体を、シノドス的な共同体として常に育てること自体が、福音を豊かにあかしする旅路の第一歩です。
もちろん洗礼の数は重要です。ミサに与る信徒数は重要です。しかしそれ以上に、「いつもあなた方と共にいる」と言う主の言葉に信頼し、共同体としてともに支え合い、祈り合い、識別のうちに共に歩む神の民のシノドス的あり方を深めること抜きでは、数字には意味はありません。
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