新潟教区の新潟地区では、本日の土曜日、地区信徒大会が行われました。新潟地区は、新潟市が合併する前の区割りに基づいて決められていますが、新潟教会、花園教会(鳥屋野教会)、佐渡教会、白根教会、青山教会、寺尾教会、亀田教会で構成されています。新津教会は合併後の新潟市内にありますが、現在も新発田地区の所属となっています。新潟地区の現在の地区長は亀田教会の山頭師。
この信徒の集まりはもともと、第二バチカン公会議後の伊藤司教様の時代に、地区信徒使徒職協議会として創設されたものです。当時の規約をみると様々な活動の部会制度をとっていたり、各教会から5名近い代表が選出されていたりと、大きな組織であったことが窺われます。しかし時代が進み、以前と比べると活動できる信徒の人数も減少気味です。今回の大会の最初は、信徒協の総会とされ、この大所帯の規約を現状に合わせて見直す作業が行われました。これまでの部会制度を廃し、各教会からの代表も一名とするなど、スリム化が図られました。
現在教区には信徒と司祭と修道者の代表が一堂に会して教区の司牧方針などを話し合う教区宣教司牧評議会が存在します。また司祭の会議体として司祭評議会が設けられています。そのような組織の中で、地区の方向性を決定する会議体をどうするのかは、実はまだ結論が出ていません。現状では、地区宣教司牧評議会は設置するところにいたっておらず、その代わりに、地区内の司祭もメンバーとしている地区信徒使徒職評議会がその役割を担って様々な活動を行ってきました。徐々に、各地区の全体を話し合う場をどのように設けていくのかの検討を、先に進めていきたいとは思います。
本日、新潟教会で開催された大会には、50名ほどの方の参加でした。信徒協の総会後、私が、10月の家庭に関するシノドスとその準備のための日本司教団の回答に基づいて一時間ほどお話をさせていただきました。テーマは、年頭司牧書簡のタイトル通り、「感謝の心をもって生きる」とさせていただきました。
10月の第三回臨時シノドスに向けて各国の司教団に宛てられた短い質問書(準備文書)には、38の質問が用意されていました。テーマは「福音宣教との関連から見た家庭の司牧的問題」です。今年の臨時シノドスでは各国の回答に基づいて、一体今何が問題とされている化、その所在を明らかにする試みが行われます。そして来年のシノドスで、それに対する司牧的回答を作成しようとする、二段階の試みです。
海外で報道されていましたが、日本の司教団は回答を日本語と英語で公表しています。これはどうもドイツの司教団に続いて二番目だったようで、しかもその内容が、必ずしも明るいものではなく、以下に日本の現実が福音宣教の前に大きな壁として立ちはだかっているかを正直にしるしたものであったために、かなりの反響を呼びました。ドイツ司教団の回答もかなり厳しいものだったようです。数日前には教理省長官のミュラー枢機卿が、「いくら現実が困難だからと言って、それに合わせて教理を変更することはない」と釘を刺しておられました。
もちろん私も、現実に合わせて教会の教えを変更する必要はないと考えます。今回の日本の司教団の回答を読んで思いますが、このシノドスの議論の前提は二つあろうと思います。
一つは、現状を分析した上で、誰かを裁いたり断罪するものではないことを明確にする必要があります。日本の教会はすでに、1988年に「ともに喜びをもっていきよう」のなかで、「裁く共同体ではなく、特に弱い立場におかれている人々を暖かく受け入れる共同体に成長したい」と強調していました。
もう一つはすでに触れたように、必ずしも教会の教えを変更するのではなく、この具体的な現実の中に生きている多くの方の叫びに、教会はどのように応じていくのかを考えることの大切さでしょう。
以上のシノドスの質問書とそれに対する回答は、カトリック中央協議会の、このリンクのページからPDFファイルをダウンロードして読むことができます。ご一読を。(クリックして行き着いた中央協のページの紋章のすぐ下に、「国務省」から始まる青いタブが並んでいます。その一番右の「シノドス」という青いタブをクリックしてください)
さて新潟地区大会は、私の講演後に会場をカトリックセンターに階に移し、一緒に皆でお弁当を頂いたあと、再び聖堂に戻ってミサで終了しました。参加してくださった皆さんありがとうございます。