カテゴリー「ロザリオの祈り」の7件の記事

2023年5月 6日 (土)

五月は聖母月です。ロザリオの祈りのビデオをご利用ください

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5月は伝統的に聖母の月とされています。5月の間には、5月13日にファティマの聖母の記念日、聖霊降臨の翌日5月29日に教会の母聖マリアの記念日、そして月末の5月31日は聖母訪問の祝日です。

これまでの3年間、教皇様はこの聖母月に、特にパンデミックからの解放を聖母の取り次ぎによって祈り求めるように勧めてこられました。今年は、月末に、シノドスのためにロザリオの祈りを捧げるようにと呼びかけられ、東京教区では、5月31日に碑文谷教会を会場に祈りを捧げる予定で調整中です。詳細は後日お知らせいたします。今月のロザリオの祈りの際には、教皇様の意向に合わせて、シノドスのためにお祈りくださるようにお願いいたします。

1965年に、特に世界平和のために5月に聖母の取り次ぎを祈ってほしいと呼びかけた「メンセ・マイオ」で、教皇パウロ六世はこう述べています。

「五月は、より頻繁で熱心な祈りのための力強い励ましであり、わたしたちの願いがよりたやすくマリアのあわれみ深い心に近づく道を見いだすときです。教会の必要が求めるときに、あるいは人類が何か重大な危機に脅かされているときにはいつでも、キリスト者に公の祈りをささげるよう勧めるためこのマリアにささげげられた月を選ぶのは、わたしの先任者たちに好まれた習慣でした」(3)

同時にパウロ六世は、ロザリオの重要な要素として「賛美と祈願」に加えて、「観想」の重要性を説いておられます。「マリアーリス・クルトゥス」には、「観想という要素がないならば、ロザリオは魂の抜けた体にすぎません。・・・主にもっとも近かったマリアの目を通して主の生涯における神秘を黙想できるように役立つべき」とも記されています。(47)

十字架上で主イエスご自身から、「見なさい。あなたの母です」と、教会の母として民を託された聖母マリアは、ルルドやファティマでのロザリオの祈りへの招きを通して、母としてのわたしたちへの気遣いを示そうとしておられます。ロザリオの祈りは、聖母マリアを通して主イエス・キリストへとわたしたちを導く賛美と祈願と観想の道です。神の御旨が実現するために自分自身のすべてを神にゆだねる勇気を持つことができるように、聖母マリアに従って、主イエスへと至る道を歩み続ける祈りです。

聖母の取り次ぎを求めながら、祈りましょう。

今年も教区広報でロザリオのビデオを企画していますが、すでにYoutubeで公開されているこれまでに撮影された以下のロザリオの祈りのビデオも是非ご活用ください。ご一緒に祈りを捧げていただけますので、皆様の祈りの一助となりましたら幸いです。

上は、2020年5月13日に東京カテドラルで行われたロザリオの祈りの夕べのビデオです。

上は、2021年5月に毎週公開されたロザリオの祈りの総集編です。

上は、昨年5月に公開されたロザリオの祈りのビデオです。 

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2021年5月31日 (月)

5月にロザリオを祈る:配信第五週目

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教皇様の呼びかけに応えて、聖母月に祈るロザリオの配信、第五週目です。

聖母月は5月31日の聖母訪問の記念日で締めくくられます。エリザベトを訪問した聖母は、讃歌「マニフィカト」をもって、自らの生きる姿勢と神への信頼と従順、そして神の望まれる秩序の有り様を高らかに宣言します。

最終の五連目となりますので、今回はさまざまな方に祈りを唱えていただきました。神学生、シスター、司祭が、順番に祈りを唱えて繋いで参ります。また一番最後には、イエスのカリタス会のシスター方に、サルヴェ・レジナを唄っていただきました。

以下、本日昼配信のロザリオのメッセージ原稿です。

2021年5月の第五週

わたしたちはこの一ヶ月、5月の聖母月にあたり、教皇様と心をあわせ、ロザリオの祈りをささげて参りました。困難な状況は続いています。これからも続けて祈りましょう。困難な状況が改善されるように、いのちの危機から逃れることが出来るように、必要とする人に助けがあるように、祈り続けましょう。

昨年12月9日の一般謁見で、教皇様はカテキズムを引用し、こう述べておられます。
「願い求めること。それはまったく人間的なことです。・・・『・・・わたしたちは被造物であって、自分自身の力で存在し始めたわけでもなく、逆境を克服できる力もなく、自分自身の究極の目的でもありません。そのうえ、罪びとであって、キリスト者として、自分自身が御父から離れていることを知っています。懇願をするということは、すでに御父への復帰の第一歩なのです』(カテキズム2629)。
 ・・・『主よ、助けてください!』と叫び、祈るのです。祈りは、漆黒の闇に一筋の光をもたらします。『主よ、助けてください!』この祈りが進路を開きます。道を切り開くのです。」

教皇ヨハネパウロ二世の使徒的書簡「おとめマリアのロザリオ」には、こう記されています。

「このロザリオというあがない主の聖なる人間性との出会いの場に、わたしたちの生活の中にあるあらゆる問題、心配事、労苦、計画を差し出すのは当然のことです。『あなたの重荷をゆだねよ。主はあなたを支えてくださる(詩編55:23)』。ロザリオを祈るとは、わたしたちの重荷をキリストと聖母の憐れみ深い心にゆだねることです。(25)」

教皇たちの言葉に励まされて、困難な時期にあって、神に祈り続けたいと思います。

同時に教皇フランシスコは、同じ一般謁見で、このようにも指摘されています。
「兄弟姉妹の皆さん、わたしたちは、神が答えてくださることを知っています。自分の祈りを神が聞いてくださらないといって嘆く人は、詩編には登場しません。神は必ず答えてくださいます。今日になるか明日になるか分かりませんが、必ず何らかのかたちで答えてくださいます。神は必ずお答えになります」

小さな目に見えないウイルスによって、世界は大混乱に陥りました。人類は、いのちの危機を肌で感じました。すべての造り主である神の前で、あらためてわたしたちの限界を認め、神の秩序を実現するために、どこに、そしてどのような神の答えが示されているのかを見極め続けたいと思います。そのためにこそ、立ち止まることなく、祈り続けましょう。

聖母の取り次ぎを求めながら、みなで共に祈りましょう。

一日も早く、人類が直面しているこの困難な事態が終息するように、また病床にある人たちにいやしが与えられるように、医療関係者の健康が守られるように、経済の悪化でいのちの危機に直面する人たちに助けがあるように、さまざまな事情によりいのちを守るために助けを必要としている人たち、特に海外から来られた兄弟姉妹に必要な助けが与えられるように、さらに政治のリーダーたちがいのちを守るための正しい判断をすることができるように。

そして、すべての人の上に復活の主イエスの守りと導きが豊かにあるように、わたしたち自身が御子イエスに倣って行動する勇気を持つことが出来るように、神の母である聖母の取り次ぎを祈りましょう。

栄えの神秘(日曜日・水曜日)
第五の黙想

マリア、すべての人の母となる

天の栄光に上げられたマリアは、キリストの救いにあずかるすべての人の母となりました。
「栄光の冠を与えられたマリアは、栄えの神秘の最後に出てくるように、天使と聖人の元后として光り輝いています。それは、終わりの日の教会の姿の始まりでもあり、究極的な目標でもあるのです。(おとめマリアのロザリオ23)」

「栄光に輝くキリストと聖母を観想することによって」、信じる者はわたしたち一人ひとりが達するように招かれている目的を仰ぎ見るのです。(おとめマリアのロザリオ25)」

困難な状況のなかにあっても、また大きな不安の闇に包まれていたとしても、わたしたちが道を見失うことのないように、聖母の助けによって光の道を歩むことが出来るように祈りましょう。この一連をささげて、救いを求めるすべての人が御子イエスのもとに導かれるよう聖母の取り次ぎによって願いましょう

終わりの祈り(教皇フランシスコ)

聖マリア、
あなたは救いと希望のしるしとして、
いつもわたしたちの歩みを照らしておられます。

病人の希望であるあなたに信頼して祈ります。
あなたは十字架の下で、揺るぎない信仰をもって、
イエスと苦しみをともにされました。

「ローマ市民の救い」*であるマリア、
あなたはわたしたちに必要なものをご存じです。
わたしたちはあなたがそれを与えてくださると信じています。
ガリラヤのカナでなさったように、
この試練の後に喜び祝う時が再び訪れますように。

愛である神の母マリア、わたしたちを助けてください。
わたしたちが御父のみ心にこたえ、
イエスのことばに従って生きることができますように。
イエスはわたしたちの苦しみをその身に負い、
わたしたちの悲しみを引き受け、
十字架を通して、
わたしたちを復活の喜びに導いてくださいます。
アーメン。

神の母聖マリア、
あなたのご保護により頼みます。
苦難のうちにあるわたしたちの願いを聞き入れてください。
栄光に輝く幸いなおとめよ、
あらゆる危険から、いつもわたしたちをお救いください。

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2021年5月24日 (月)

5月にロザリオを祈る:配信第四週目

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教皇様の呼びかけに応えて、5月中に祈りを続けるロザリオの祈りの第四週目です。

聖母マリアにはさまざまな称号が与えられていますが、その中でも、「教会の母」という称号は、「神の母」と並んで重要な意味があります。2018年2月に典礼秘跡省の教令を持って、「教会の母聖マリア」の記念日は義務の記念日となり、聖霊降臨の主日直後の月曜日に祝われることになっています。従って、今年は本日、5月24日が、「教会の母聖マリア」の記念日です。

同教令には、次のように記されています

「母は十字架のもとに立ち(ヨハネ 19・25 参照)、わが子の愛のあかしを受け入れ、永遠のいのちへと再生する子としてすべての人を最愛の弟子の名のもとに迎えた。こうして母は、キリストが十字架上で霊をゆだねることによって生まれた教会の優しい母となった」

「生まれたばかりの教会の優しい導き手として、マリアは聖霊の到来を待ち望む使徒たちとともに祈り、階上の部屋で自らの使命を果たし始めていた(使徒言行録 1・14 参照)」

「福者教皇パウロ 6 世は、第 2 バチカン公会議第 3 会期の閉会に際し、1964 年 11 月 21日に、聖なるおとめマリアを『教会の母』と宣言した。『それはマリアが、信徒であれ司牧者であれマリアを最愛の母と呼ぶすべてのキリスト者の母であるということである』。そして、『すべてのキリスト者が、最も甘美なこの称号をもって、今後いっそう神の母に敬意を払い、取り次ぎを願うよう』定めた」

本日は、ラウダート・シ特別年の締めくくりの日であり、なおかつ「教会の母聖マリア」の記念日です。神から管理を託されたこの共通の家に思いを馳せながら、教会の母である聖母に祈りましょう。常にわたしたちとともに歩んでくださる教会の母である聖母に信頼し、祈り続けましょう。

以下、本日お昼に配信の、ロザリオの祈り第四連目の、メッセージと祈りの意向の原稿です。

2021年5月の第四週

信仰は、まず第一義的に、個人的な、神とわたしとの関係の問題であります。

同時にわたしたちの信仰は、きわめて共同体的な信仰でもあります。主イエスご自身が、弟子たちを集めて共同体を形作り、その共同体から、福音宣教者を派遣されました。

使徒言行録に記されているとおり、初代教会は、共同体としての一致のうちにあり、互いに助け合い、分かち合い、学び合い、祈りと賛美を共にしていたことから、仲間が日々増えていったと記されています。教会はその始まりから共同体であり、共同体として成長を続けてきました。

教皇フランシスコは、使徒的勧告「福音の喜び」の締めくくりに、こう記しています。

「マリアは、・・・わたしたちの生活に葡萄酒が足りなくなることのないよう、常に気を配る友です。心を剣で刺し貫かれた方、あらゆる苦しみを理解される方です。すべての者の母として、正義を生み出すまで産みの苦しみを味わうすべての民の希望のしるしです。マリアは、わたしたちの人生に同伴するために身近な存在となってくださる宣教者であり、母の愛をもって、わたしたちの心を信仰へと開きます」

教皇が指摘するように、聖母マリアは、教会の母として、常に教会共同体と歩みをともにされ、心を配り、また自ら福音宣教のために行動される模範を示されています。

ところで教皇フランシスコは、回勅「ラウダート・シ」で、現代を生きるわたしたちの、将来の共同体への責任という視点の重要性を指摘されています。

回勅において、すべての被造物は密接につながっているからこその総合的エコロジーの視点を強調される教皇フランシスコは、「後続する世代の人々に、今成長しつつある子どもたちに、どのような世界を残そうとするのでしょうか」と問いかけます。

その上で、「どのような世界を後世に残したいかと自問するとき、わたしたちはまず、その世界がどちらへ向かい、どのような意味を帯び、どんな価値があるものなのかを考え」なくてはならないことを強調します。(160)。

わたしたちには、この共通の家の中で今を生きる責任と、将来の世代へどのような共通の家を残していくのかという、二つの責任があります。わたしたちと歩みをともにされる聖母マリアは、今を生きる者への配慮を忘れないように、将来の世代への配慮も忘れない方であります。

聖母の取り次ぎを求めながら、この5月の間、みなで共に祈りましょう。

一日も早く、人類が直面しているこの困難な事態が終息するように、また病床にある人たちにいやしが与えられるように、医療関係者の健康が守られるように、経済の悪化でいのちの危機に直面する人たちに助けがあるように、さまざまな事情によりいのちを守るために助けを必要としている人たち、特に海外から来られた兄弟姉妹に必要な助けが与えられるように、さらに政治のリーダーたちがいのちを守るための正しい判断をすることができるように。

そして、すべての人の上に復活の主イエスの守りと導きが豊かにあるように、わたしたち自身が御子イエスに倣って行動する勇気を持つことが出来るように、神の母である聖母の取り次ぎを祈りましょう。

栄えの神秘(日曜日・水曜日)

第四の黙想

マリア、天の栄光に上げられる

神は御子の母マリアをからだも魂も天の栄光に上げられました。

教会の母として、常にわたしたちを見守ってくださる聖母の心配りは、これまでも、また今も、またこれからも、教会共同体とともにあります。聖徒の交わりを信じるわたしたちは、過去と現在と将来の共同体と結ばれながら、ともに天の国の実現のために働かなくてはなりません

この一連をささげて、わたしたちも天の国を求め、永遠の喜びに入ることができるよう聖母の取り次ぎによって願いましょう。

終わりの祈り(教皇フランシスコ)

聖マリア、

あなたは救いと希望のしるしとして、

いつもわたしたちの歩みを照らしておられます。

病人の希望であるあなたに信頼して祈ります。

あなたは十字架の下で、揺るぎない信仰をもって、

イエスと苦しみをともにされました。

「ローマ市民の救い」*であるマリア、

あなたはわたしたちに必要なものをご存じです。

わたしたちはあなたがそれを与えてくださると信じています。

ガリラヤのカナでなさったように、

この試練の後に喜び祝う時が再び訪れますように。

愛である神の母マリア、わたしたちを助けてください。

わたしたちが御父のみ心にこたえ、

イエスのことばに従って生きることができますように。

イエスはわたしたちの苦しみをその身に負い、

わたしたちの悲しみを引き受け、

十字架を通して、

わたしたちを復活の喜びに導いてくださいます。

アーメン。

 

神の母聖マリア、

あなたのご保護により頼みます。

苦難のうちにあるわたしたちの願いを聞き入れてください。

栄光に輝く幸いなおとめよ、

あらゆる危険から、いつもわたしたちをお救いください。

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2021年5月17日 (月)

5月にロザリオを祈る:配信第三週目

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教皇様の呼びかけに応えて、5月中に祈りを続けるロザリオの祈りの第三週目です。教皇様は昨年5月24日に、回勅「ラウダート・シ」発表から5年となることを記念して、5月16日から24日までを「ラウダート・シ」週間とし、さらに今年の2021年5月24日までを「ラウダート・シ」特別年と定めて、総合的エコロジーの観点からともに住む家である地球を守ることの大切さを自覚するようにと呼びかけられています。

間もなく5月24日でその特別年が終わるにあたり、この一週間をあらためて「ラウダート・シ」週間とするようにと、タークソン枢機卿が責任者である教皇庁の人間開発促進の部署から呼びかけられています。これには国際カリタスも協力しております。

今週特別に行われる行事については、残念ながら日本語はなくて英語のサイトですが、このリンクから一覧を見ることが出来ます。

日本の教会では9月を環境を考えるための特別な一ヶ月と定め、「すべてのいのちを守る月間」と名付けています。現在、司教団に特別なチームを設けて、「ラウダート・シ」の精神を日本の教会でどのように生かしていくことが出来るのか、検討をしています。

本日のロザリオの祈りの中で、この「ラーダート・シ」週間のことを心に留め、わたしたちの共通の家をどのように守っていくのか、考えていただければと思います。

2021年5月の第三週

恐れはわたしたちの心を束縛します。イエスの受難と十字架上での死の後、弟子たちは恐れに束縛されて、部屋に閉じこもりました。五旬祭の日、イエスはその部屋に入り、聖霊を与え、弟子たちの心を恐れの束縛から解放します。

「死」という最大の束縛から解放された復活の主は、「あなた方に平和があるように」と、弟子たちに言葉をかけます。この言葉は、恐れに束縛される心には、神の平和が欠如しているという事実を明確に指摘しています。

神の平和とは、神の秩序の実現です。神が望まれる世界の実現です。

神の平和の欠如とは、神が望まれる世界とは正反対にある現実であります。自分の殻に閉じこもり、他者への配慮を忘れた世界には、神の平和がありません。

創世記には、神が人を創造されたときに、互いに助けるものとして共に生きるようにと、二人の人を創造していのちを与えられた事が記されています。わたしたちは互いに助け合うようにいのちを与えられました。いのちを守らず、他者への配慮を忘れた世界には、神の平和がありません。

回勅「ラウダート・シ」で教皇フランシスコは、神が創造されたものは、一つとして他者と関係なく勝手に存在するものはなく、すべてが密接につながっていることを指摘し、こう記しています。

「密接に絡み合う根本的な三つのかかわり、すなわち、神とのかかわり、隣人とのかかわり、大地とのかかわりによって、人間の生が成り立っていることを示唆しています。聖書によれば、いのちに関わるこれら三つのかかわりは、外面的にもわたしたちの内側でも、引き裂かれてしまいました。この断裂が罪です」(66)

福音を告げしらせるようにと遣わされているわたしたちには、この世界において、三つのかかわりが引き裂かれている状態を修復させる務めがあります。神が望まれる世界は、「創造主と人間と全被造界との関係」が修復され、調和が実現している世界であるはずだからです。教皇様が、総合的エコロジーの課題を強調する由縁です。

複雑に絡み合った現実は、時として、三つの関係の修復を困難にさせてしまいます。不可能とも思える現実の課題を目の当たりにして心が怖じ気づくとき、復活のいのちに生きておられる主は、聖霊を送り、神の平和をこの世界に実現するように、神の平和を心に取り戻すようにと呼びかけられます。

聖母の取り次ぎを求めながら、この5月の間、みなで共に祈りましょう。

一日も早く、人類が直面しているこの困難な事態が終息するように、また病床にある人たちにいやしが与えられるように、医療関係者の健康が守られるように、経済の悪化でいのちの危機に直面する人たちに助けがあるように、さまざまな事情によりいのちを守るために助けを必要としている人たち、特に海外から来られた兄弟姉妹に必要な助けが与えられるように、さらに政治のリーダーたちがいのちを守るための正しい判断をすることができるように。

そして、すべての人の上に復活の主イエスの守りと導きが豊かにあるように、わたしたち自身が御子イエスに倣って行動する勇気を持つことが出来るように、神の母である聖母の取り次ぎを祈りましょう。

栄えの神秘(日曜日・水曜日)
第三の黙想
聖霊、使徒たちにくだる

主の約束のとおり、マリアとともに祈っていた使徒たちのうえに聖霊がくだります。
聖霊が弟子たちに下ったとき、そこには聖母マリアも共におられ、弟子たちと祈っていました。聖母は、「お言葉通りにこの身になりますように」と天使ガブリエルに応えたときから、常に心に浮かぶ恐れと闘い、聖霊に導かれて、神の秩序を回復するために闘ってこられました。平和を実現する福音宣教の模範を示しているのは、聖母マリアです。

この一連をささげて、わたしたちが聖霊に満たされ、いつも勇気をもって救いの福音をのべ伝える者となるよう聖母の取り次ぎによって願いましょう。

終わりの祈り(教皇フランシスコ)

聖マリア、
あなたは救いと希望のしるしとして、
いつもわたしたちの歩みを照らしておられます。

病人の希望であるあなたに信頼して祈ります。
あなたは十字架の下で、揺るぎない信仰をもって、
イエスと苦しみをともにされました。

「ローマ市民の救い」*であるマリア、
あなたはわたしたちに必要なものをご存じです。
わたしたちはあなたがそれを与えてくださると信じています。
ガリラヤのカナでなさったように、
この試練の後に喜び祝う時が再び訪れますように。

愛である神の母マリア、わたしたちを助けてください。
わたしたちが御父のみ心にこたえ、
イエスのことばに従って生きることができますように。
イエスはわたしたちの苦しみをその身に負い、
わたしたちの悲しみを引き受け、
十字架を通して、
わたしたちを復活の喜びに導いてくださいます。
アーメン。

神の母聖マリア、
あなたのご保護により頼みます。
苦難のうちにあるわたしたちの願いを聞き入れてください。
栄光に輝く幸いなおとめよ、
あらゆる危険から、いつもわたしたちをお救いください。
 

 

 

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2021年5月10日 (月)

5月にロザリオを祈る:配信第二週目

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教皇様のロザリオマラソンの呼びかけに応え。困難な状況が一日も早く終息するように、またいのちが守られるように、ロザリオの祈りを唱え続けています。東京大司教区では、栄えの神秘を、メッセージとともに、五月中の毎月曜日、一連ずつですが、ロザリオの祈りを配信しています。

以下、5月10日月曜日のお昼に配信した、ロザリオの祈り第二週目のメッセージ原稿と祈りの意向です。ビデオは、youtubeのカトリック東京大司教区のアカウントからご覧いただけます。

2021年5月の第二週

教皇フランシスコは、昨年の5月に信徒に手紙を送り、そこにこう記しておられます。

「五月は、神の民がとりわけ熱心におとめマリアへの愛と崇敬を表す月です。五月には家庭で家族一緒にロザリオの祈りを唱える伝統があります。感染症の大流行によるさまざまな制約の結果、わたしたちはこの『家庭で祈る』という側面がなおさら大切であることを、霊的な観点からも知ることになりました。・・・だれかと一緒に唱えることも、独りで唱えることも、どちらの機会も最大限に活用して、状況に応じて決めることができます。」

世界が困難な状況に直面するとき、ロザリオを祈るように呼びかけるのは、教会の伝統です。例えば1965年に、世界平和のために聖母の取り次ぎを祈ってほしいと呼びかけた回勅「メンセ・マイオ」で、教皇パウロ六世はこう述べています。

「五月は、・・・わたしたちの願いがよりたやすくマリアのあわれみ深い心に近づく道を見いだすときです。教会の必要が求めるときに、あるいは人類が何か重大な危機に脅かされているときにはいつでも、キリスト者に公の祈りをささげるよう勧めるためこのマリアにささげげられた月を選ぶのは、わたしの先任者たちに好まれた習慣でした」(3)

パウロ六世は、ロザリオの重要な要素として「賛美と祈願」に加えて、「観想」が重要であることを説いておられます。使徒的勧告「マリアーリス・クルトゥス」には、「観想という要素がないならば、ロザリオは魂の抜けた体にすぎません。・・・主にもっとも近かったマリアの目を通して主の生涯における神秘を黙想できるように役立つべき」と記されています(47)。

わたしたちはこの困難な状況のただ中にいて、いのちの危機に直面しながら、暗闇から抜け出す光を求めて祈ります。同時にその祈りは、助けを願い求めるだけでなく、キリストに倣ってわたしたちがどのように生きるべきなのか、キリストのみ顔を聖母とともに探し求める観想の祈りの道でもあります。

教皇フランシスコは、「ラウダート・シ」の終わりにこう記しています。

「イエスを大切になさった母マリアは、今、傷ついたこの世界を、母としての愛情と痛みを持って心にかけてくださいます。・・・マリアは、イエスの全生涯を『心に納めて』おられたばかりか、今や、すべての物事の意味を理解しておられます。ですからわたしたちは、この世界を知恵の眼(まなこ)で見られるようにしてください、と彼女に願うことが出来るのです。(241)」

困難を取り除いてくださるように願うとともに、この現実の中で、神の御旨を実現していく道はどこにあるのか、祈りのうちに聖母とともに探ってまいりましょう。

東京教区では五月中の毎週一回、月曜日に、栄えの神秘の一連を、メッセージとともにインターネットで配信します。聖母の取り次ぎを求めながら、この5月の間、みなで共に祈りましょう。

一日も早く、人類が直面しているこの困難な事態が終息するように、また病床にある人たちにいやしが与えられるように、医療関係者の健康が守られるように、経済の悪化でいのちの危機に直面する人たちに助けがあるように、さまざまな事情によりいのちを守るために助けを必要としている人たち、特に海外から来られた兄弟姉妹に必要な助けが与えられるように、さらに政治のリーダーたちがいのちを守るための正しい判断をすることができるように。

そして、すべての人の上に復活の主イエスの守りと導きが豊かにあるように、わたしたち自身が御子イエスに倣って行動する勇気を持つことが出来るように、神の母である聖母の取り次ぎを祈りましょう。

栄えの神秘(日曜日・水曜日)
第二の黙想
イエス、天にあげられる

復活された主イエスは、弟子たちの前で天に上げられ、御父の右の座にお着きになります。

復活のいのちに生き、天に上げられた主イエスは、その栄光の座にあって、すべてを支配しておられます。わたしたちは、主に従う者として、王であるキリストの支配が完成するように務めなくてはなりません。神が求められる秩序が、この世界に実現するように務めることは、すなわち平和を求めることです。それは人間のいのちが、その尊厳を完全に守られる世界を実現することでもあります。被造界が神の望まれる秩序のうちにあるように努力をすることです。

この一連をささげて、わたしたちが主の復活の証人として生きることができるよう、神の望まれる世界の実現のために働く勇気と知恵が与えられるよう、聖母の取り次ぎによって願いましょう。

教皇フランシスコの祈り

聖マリア、

あなたは救いと希望のしるしとして、

いつもわたしたちの歩みを照らしておられます。

病人の希望であるあなたに信頼して祈ります。

あなたは十字架の下で、揺るぎない信仰をもって、

イエスと苦しみをともにされました。

「ローマ市民の救い」*であるマリア、

あなたはわたしたちに必要なものをご存じです。

わたしたちはあなたがそれを与えてくださると信じています。

ガリラヤのカナでなさったように、

この試練の後に喜び祝う時が再び訪れますように。

愛である神の母マリア、わたしたちを助けてください。

わたしたちが御父のみ心にこたえ、

イエスのことばに従って生きることができますように。

イエスはわたしたちの苦しみをその身に負い、

わたしたちの悲しみを引き受け、

十字架を通して、

わたしたちを復活の喜びに導いてくださいます。

アーメン。

神の母聖マリア、

あなたのご保護により頼みます。

苦難のうちにあるわたしたちの願いを聞き入れてください。

栄光に輝く幸いなおとめよ、

あらゆる危険から、いつもわたしたちをお救いください。

 

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2021年5月 5日 (水)

5月にあたり、ロザリオをともに祈る

Rozario1

5月は聖母月です。

中央協議会のホームページにはこう記されています。

 「聖母月の信心は近世からのもので、18世紀のイタリアで盛んとなりました。この5月は、四季折々の中で春の訪れとともに自然界の実りをもっとも感じさせてくれ、また主の復活の喜びと希望に満ちた月でもあります。そのような思いをもってこの月をマリアにささげ、マリア崇敬のために祈り続ける信心が伝統としてなされてきたことは当然のように考えられます」

主キリストのあがないの業の第1の協力者は、十字架の傍らに立ち、イエスの苦しみを共にされた聖母マリアです。それだからこそ、聖母の取り次ぎには力があります。マリア様を通じて私たちが主イエスに達することが出来るように、その取り次ぎのうちに、あがない主への信仰を深めるときにしたいと思います。特に、現在のように、人類的規模でいのちが危機に直面するような事態にあっては、一日も早い終息と平安を求めて、聖母の取り次ぎを祈ることは、教会の伝統でもあります。

教皇様は、新福音化推進評議会を通じて、今回の事態にあたり、終息を願って、世界30の聖母巡礼所と連携し、五月中の「ロザリオ・マラソン」を呼びかけておられます。ロザリオの祈りのポイントは、そういった行事(中継は日本の深夜1時ですし)に参加すること自体にあるのではなく、地道に祈ることであり、また心をあわせて祈ることでもあります。祈りの一助として、東京教区では、毎週月曜の昼に、ビデオを配信します。いつでも見ていただけるので、ご利用いただければと思いますが、ビデオでは栄えの神秘を一連のみ唱えています。最初に、メッセージを入れます。終わりに教皇フランシスコの祈りを唱えます。一緒に一連でも構いませんし、その後一環までご自分で唱えていただいても構いません。心をあわせて、ともに祈りましょう。

5月3日、10日、17日、24日、31日の各月曜日お昼に、カトリック東京大司教区のyoutubeチャンネルで配信です。

以下、5月3日のロザリオの祈りのメッセージ原稿と祈りの意向、教皇様の祈りです。

ロザリオの祈りは、聖母マリアとともにキリストを観想する祈りです。ルカ福音には、「マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた」と記されています。教皇ヨハネパウロ二世は、「おとめマリアのロザリオ」に、「キリスト者の共同体は、ロザリオを唱えることによって、マリアの思い出と観想のまなざしに心をあわせる」と記します(11)。

わたしたちはロザリオの祈りを通じて、聖母マリアとともにキリストを思い起こし、聖母マリアからキリストを学び、聖母マリアとともにキリストの姿に似たものとなります。加えてわたしたちは、聖母マリアとともにキリストに願い求め、聖母マリアとともに、福音を告げしらせるものとなります。

昨年初めからすでに一年以上、世界は歴史に残る事態に直面し、多くの人がいのちの危機に直面しています。日本においても、他国と比較すれば状況はまだ穏やかとは言え、実際に亡くなられた方や、現在もいのちの危機に直面し、病床にある方も少なくありません。感染対策のため、社会活動は度重なる自粛を余儀なくされ、経済的にも大きな打撃を受けています。

教会も、感染しないだけではなく、感染をひろげて他者のいのちを危機にさらすことのないように、対策を徹底してその活動を制限してきました。

わたしたちは、教会に集まれないからといって、祈りを止めることはありません。いまこそ、祈りの力が必要です。いのちを守るために、わたしたちは祈らなくてはなりません。

昨年、教皇フランシスコは、感染症が拡大し多くの方がいのちの危機に直面している中で、五月中にロザリオの祈りを唱えるようにと招かれました。

同時に教皇様は、昨年5月17日のアレルヤの祈りで、「感染症が蔓延しているここ数カ月、わたしたちの共通の家を大切にすることの重要性がひとしお切実に感じられます」と述べられ、発表から五年となる回勅「ラウダート・シ」をたびたび引用しながら、将来に向けて、世界的な連帯の絆の中で、この共通の家をどうしたら神が望む姿にしていくことが出来るのかという視点を持つことの重要性を強調されています。

まだ終息への道筋が見えない中、教皇様は今年の五月に、世界中の30を越える聖母の巡礼所と連携しながら、この困難を祈りの力で乗り越えることが出来るように、「ロザリオ・マラソン」を行うようにと、新福音化推進評議会を通じて呼びかけられました。

東京教区では五月中の毎週一回、月曜日に、栄えの神秘の一連を、メッセージとともにインターネットで配信します。聖母の取り次ぎを求めながら、この5月の間、みなで共に祈りましょう。

一日も早く、人類が直面しているこの困難な事態が終息するように、また病床にある人たちにいやしが与えられるように、医療関係者の健康が守られるように、経済の悪化でいのちの危機に直面する人たちに助けがあるように、さまざまな事情によりいのちを守るために助けを必要としている人たち、特に海外から来られた兄弟姉妹に必要な助けが与えられるように、さらに政治のリーダーたちがいのちを守るための正しい判断をすることができるように。

そして、すべての人の上に復活の主イエスの守りと導きが豊かにあるように、わたしたち自身が御子イエスに倣って行動する勇気を持つことが出来るように、神の母である聖母の取り次ぎを祈りましょう。

栄えの神秘(日曜日・水曜日)
第一の黙想
イエス、復活する

イエスは死に打ち勝って復活し、新しいいのちをお与えになります。
マルコ福音書には、イエスの墓が空であった事に加え、天使がマグダラのマリアたちにこう語ったと記されています。
「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない。御覧なさい。お納めした場所である。さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。『あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる。かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる』と。」(マルコ16章6~7節)

復活の主の新しい命にあずかることは、わたしたちが古い自分を捨て、新しい生き方へと旅立つことを求めています。この困難な状況の中で、これまでの常識にとらわれることなく、主が求められる生き方へと勇気を持って一歩を踏み出すようにと、わたしたちは求められています。

この一連をささげて、わたしたちが主とともに死んで、その復活にもあずかることができるよう聖母の取り次ぎによって願いましょう。

教皇フランシスコの祈り

聖マリア、

あなたは救いと希望のしるしとして、

いつもわたしたちの歩みを照らしておられます。

病人の希望であるあなたに信頼して祈ります。

あなたは十字架の下で、揺るぎない信仰をもって、

イエスと苦しみをともにされました。

「ローマ市民の救い」*であるマリア、

あなたはわたしたちに必要なものをご存じです。

わたしたちはあなたがそれを与えてくださると信じています。

ガリラヤのカナでなさったように、

この試練の後に喜び祝う時が再び訪れますように。

愛である神の母マリア、わたしたちを助けてください。

わたしたちが御父のみ心にこたえ、

イエスのことばに従って生きることができますように。

イエスはわたしたちの苦しみをその身に負い、

わたしたちの悲しみを引き受け、

十字架を通して、

わたしたちを復活の喜びに導いてくださいます。

アーメン。

 

神の母聖マリア、

あなたのご保護により頼みます。

苦難のうちにあるわたしたちの願いを聞き入れてください。

栄光に輝く幸いなおとめよ、

あらゆる危険から、いつもわたしたちをお救いください。

 

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2020年5月14日 (木)

ロザリオの祈りの夕べ@東京カテドラル

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ファティマの聖母の記念日にあたる5月13日午後7時から、東京カテドラル聖マリア大聖堂において、ロザリオの祈りの夕べを行いました。

本日5月14日に祈りをささげるようにと教皇様が呼びかける前に決まっておりましたので、13日に行いましたが、祈りの意向は同じです。「新型コロナ感染症拡大のさなかにささげる祈り」として「混乱する事態の早期終息と病症にある方々の快復、及び亡くなられた方々の永遠の安息のために」、聖母の取り次ぎを求めて祈りをささげました。

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全体の構成と、始めと終わりの祈願については、先日、アメリカ合衆国の司教団が行った祈りの集いの式次第を参考にしたもので、翻訳は私訳です。感染対策のため非公開でしたし、聖堂内での互いの距離を保つために、参加してくださったのは、いつもの配信ミサと同じ少数のシスター方です。平日の夜にもかかわらず、ネット中継のためにお手伝いくださった関口教会の信徒の方々に感謝いたします。

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なお水曜日ですので「栄えの神秘」の黙想でしたが、五つの黙想の本文は、京都教区の北白川教会のホームページを参考にさせていただきました。

以下、祈りの集いの中で、ロザリオの祈りへの導入として行ったお話の原稿です。

<祈りへの招きの言葉: 2020年5月13日 ロザリオの祈りの夕べ>

5月の聖母月にあたり、特に新型コロナウイルス感染症による困難な状況に直面する中で、教皇様は、ともにロザリオを祈るように呼びかけられました。特に、外出自粛などが続く中で、多くの人がこれまで以上に家族と一緒に時間を過ごすことになっていますが、その中にあって、家族とともに祈ることの大切さを、呼びかけのメッセージでこう述べておられます。

「五月には家庭で家族一緒にロザリオの祈りを唱える伝統があります。感染症の大流行によるさまざまな制約の結果、わたしたちはこの「家庭で祈る」という側面がなおさら大切であることを、霊的な観点からも知ることになりました」

日本では、多くの場合、家族全員が信徒であることは少ないのが現実だと思いますが、信仰における家族として、ファティマの聖母の祝日である今日、ロザリオの祈りをともにいたしましょう。また教皇様は、明日、5月14日を、「祈りと断食と愛のわざの日」とされ、すべての宗教者と霊的に結ばれ、新型コロナウイルスのパンデミック収束のために人類を助けてくださるよう神に祈ることを呼びかけられました。

1965年に、特に世界平和のために聖母の取り次ぎを祈ってほしいと呼びかけた「メンセ・マイオ」で、教皇パウロ六世はこう述べています。

「五月は、より頻繁で熱心な祈りのための力強い励ましであり、わたしたちの願いがよりたやすくマリアのあわれみ深い心に近づく道を見いだすときです。教会の必要が求めるときに、あるいは人類が何か重大な危機に脅かされているときにはいつでも、キリスト者に公の祈りをささげるよう勧めるためこのマリアにささげげられた月を選ぶのは、わたしの先任者たちに好まれた習慣でした」(3)

同時にパウロ六世は、ロザリオの重要な要素として「賛美と祈願」に加えて、「観想」の重要性を説いておられます。「マリアーリス・クルトゥス」には、「観想という要素がないならば、ロザリオは魂の抜けた体にすぎません。・・・主にもっとも近かったマリアの目を通して主の生涯における神秘を黙想できるように役立つべき」とも記されています。(47)

十字架上で主イエスご自身から、「見なさい。あなたの母です」と、教会の母として民を託された聖母マリアは、ルルドやファティマでのロザリオの祈りへの招きを通して、母としてのわたしたちへの気遣いを示そうとしておられます。ロザリオの祈りは、聖母マリアを通して主イエス・キリストへとわたしたちを導く賛美と祈願と観想の道です。神の御旨が実現するために自分自身のすべてを神にゆだねる勇気を持つことができるように、聖母マリアに従って、主イエスへと至る道を歩み続ける祈りです。

聖母の取り次ぎを求めながら、祈りましょう。

一日も早く今般の事態が終息するように、また病床にある人たちにいやしが与えられるように、医療関係者に守りがあるように、経済の悪化でいのちの危機に直面する人たちに助けがあるように、政治のリーダーたちがいのちを守るための正しい判断をすることができるように。

そして、すべての人の上に復活の主イエスの守りと導きが豊かにあるように、神の母である聖母の取り次ぎを祈りましょう。

 

 

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